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2020.05.07

リードブレーン株式会社

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[新型コロナ資金繰り] セーフティネット保証とは違う「セーフティネット貸付」とは?

セーフティネット貸付の正式名称は「経営環境対応資金」と言って、日本政策金融公庫が実施する融資制度のことです。先日ご紹介したセーフティネット保証と名前が似ているので混同しがちですが、中身は少し違います。

 

セーフティネット貸付とは?

経済産業省のページによると、社会的、経済的環境の変化などの外的要因により、一時的に売上の減少など経営状況は厳しいが、中期的には業績の回復と発展が見込まれる中小企業者の経営基盤の強化を図るための融資制度、となっています。

こちらの融資制度の特徴としては、新型コロナ感染拡大の影響により2月14日付で、利用条件が緩和され、売上高の減少幅の数値に関わらず今後の新型コロナの影響が見込まれる全ての事業者が融資を受けられることです。

融資限度額は国民生活事業は4800万円、中小企業事業は7億2000万円となります。資金の使い道としては、社会的・経済的な変化により緊急に必要な設備資金、そして経営基盤の強化を図るための運転資金となっています。国民生活事業、中小企業事業どちらともに基準金利が適用されますが、融資期間や担保などに応じて利率は変更するので、詳しくは窓口にて確認しましょう。

セーフティネット貸付(経営環境変化対応資金)

融資限度額:

4800万円(国民事業)
7.2億円(中小事業)

 

貸付期間:

設備資金15年以内(うち据置期間は3年以内)
運転資金8年以内(うち据置期間は3年以内)

 

金利:

基準金利
1.91% (国民事業) 1.11%(中小事業)

 

セーフティネット保証とセーフティネット貸付の比較

ここでセーフティネット保証とセーフティネット貸付の2つの融資制度を簡単に比較してみましょう。まず今回発動されているセーフティネット保証4号・5号は緊急時のみ実施される制度に対して、セーフティネット貸付は常時実施されている制度になります。またセーフティネット保証は民間の金融機関・信用保証協会により実施されているのに対し、セーフティネット貸付は日本政策金融公庫によって実施されています。

1番大きな違いはセーフティネット貸付の制度は、売上高の減少幅に関係なく利用できるという点です。ただその代わりセーフティネット貸付は基準金利が課せられるので、注意が必要です。

セーフティネット保証4号・5号

緊急時のみ発動
実施機関:信用保証協会
利用条件条件:5%〜20%以上の売上高の減少幅あり
金利:無金利
担保・保証人:なし
概要:緊急時の”経営の回復”を支援

 

セーフティネット貸付

常時実施
実施機関:日本政策金融公庫
利用条件条件:売上高の減少幅に関係なく利用可能
金利:基準金利
担保・保証人:要相談
概要:中長期的に見た”経営基盤の強化”を支援

 

セーフティネット貸付のまとめ

セーフティネット貸付はセーフティネット保証のように金利引き下げや減免はなく、基準金利が適用されますが売上高減少などの対象要件はありません。まだご自身の事業において、新型コロナの影響がまだ緩やかで緊急性はないものの、今後影響が予想される場合は、検討の余地がある融資制度です。

明日はその他の日本政策金融公庫による融資支援対策についてお話させて頂きたいと思います。

 

■この記事の参考

経済産業省_新型コロナウイルス感染症関連

 

 

 

 

 

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