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2019.09.12

リードブレーン株式会社

テーマ:

【コラム】定款作成前に発起人同士で合意しておくべき事項は?

定款作成前に発起人同士で合意しておくべき事項は?

事例

当社と協力会社が発起人となり、会社を設立して新規事業を行おうと計画しています。定款を作成する前に、どのようなことを決めておくべきでしょうか。

ポイント

実務解説

株式会社を設立するには、発起人が定款を作成する必要があります(会社26①)。

発起人が1人の場合には、当該発起人が定款を作成し、その後の会社設立行為を基本的に単独で行います。これに対し、発起人が複数の場合には、発起人全員で定款を作成し、株主を引受け、設立事務を行うことになり、これらをスムーズに行うためには、あらかじめ発起人間で合意をしておくことが有益です。

発起人組合

発起人が複数の場合、発起人の間には、共同で会社を設立するという合意があるはずです。判例では、この合意は民法上の組合契約(民667)であるとされ(大判大7・7・10民録24・1480)、組合は「発起人組合」と呼ばれています。各発起人は、発起人組合の合意事項(組合契約の定め)に従って設立行為を履行する義務を負うと評価することができます。

 発起人組合の合意を確認する必要性

上記を前提としますと、会社設立行為に着手する前に、発起人全員(発起人組合)で、会社設立の具体的内容を事前に合意して書面に残しておくことが重要です。このようにすることにより、各発起人の義務の内容を明確にすることになるからです。

本事例のようなジョイントベンチャーの場合や、親族が発起人となって会社を設立する場合など、会社設立について大筋の合意ができている場合でも、設立行為の詳細を協議して合意しておくことにより、会社設立行為に着手した後になって、発起人間で認識や理解が異なっていることが判明するといったトラブルを最小限にすることができます。

発起人間で合意すべき事柄

発起人間で合意すべき事柄(発起人組合の組合契約に定めるべき内容)として、次のようなことがあります。

① 定款の記載事項(後掲「株式会社設立時における定款の記載事項は」参照)

② 株式の引受けに関わる事項

③ 発起人総代の選任及びその権現

④ 発起人組合の意思決定方法(定めがない場合には民法670条1項により組合員の過半数で決することとなるが、発起人が2人(2社)の場合には意見が対立した場合に意思決定ができないことになる点に注意)

⑤各発起人が行うべき設立行為

まとめ

本事例の会社も、ともに発起人となる協力会社との間で、上記の事項につき協議のうえ合意し、発起人会議事録として書面に残すことが有益です。

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