退職時の社会保険・雇用保険手続き|期限は?会社と本人がやることを解説
2026.10.02
リードブレーン社会保険労務士法人
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退職時の社会保険・雇用保険手続き|期限は?会社と本人がやることを解説

従業員の退職に際して、社会保険や雇用保険の手続きが複雑で、何から手をつければいいか分からず不安に感じていませんか。
この記事を読めば、退職する労働者の手続きを「いつまでに」「誰が」「どこで」「何を行うべきか」時系列で理解し、漏れなく完了できます。
- 会社側が行うべき社会保険・雇用保険手続きの期限と流れ
- 退職者本人が会社から受け取るべき書類と自身で行う手続き
- 退職日によって負担額が変わる社会保険料の計算ルール
- 退職後の健康保険に関する3つの選択肢とそれぞれの特徴
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退職時の社会保険・雇用保険手続きはなぜ複雑?全体像を把握しよう
退職時の手続きが複雑に感じられる主な理由は、社会保険と雇用保険で管轄の行政機関や提出期限、必要書類がそれぞれ異なる点にあります。社会保険は年金事務所、雇用保険はハローワークが窓口となり、従業員が退職した翌日から数日以内という非常にタイトなスケジュールで動かなければなりません。
さらに、会社側が行政へ届け出る事務作業と、退職する本人へ交付・回収すべき書類の整理が同時並行で発生するため、全体像の把握が困難になりがちです。
【期限別】退職後の手続き一覧|社会保険は5日、雇用保険は10日以内
退職後の手続きは、定められた期間内に完了させることが重要です。
特に社会保険は退職日の翌日から5日以内、雇用保険は10日以内と期限が短く設定されています。
それぞれの期限を正確に把握し、計画的に手続きを進めなくてはなりません。
退職後5日以内に行う社会保険(健康保険・厚生年金)の手続き
会社は、従業員の退職日の翌日から5日以内に「健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届」を日本年金機構(事務センターまたは管轄の年金事務所)へ提出します。
この手続きによって、退職者は会社の社会保険から脱退、つまり資格を喪失したことになります。
退職後10日以内に行う雇用保険の手続き
会社は、従業員の退職日の翌日から10日以内に「雇用保険被保険者資格喪失届」を管轄のハローワークへ提出します。
退職者が失業手当の受給を希望する場合は、あわせて「雇用保険被保険者離職証明書(離職票の元になる書類)」の提出も必要です。
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【会社向け】人事・労務担当者が退職時に行うべき手続きチェックリスト
従業員の退職に際し、人事・労務担当者が行うべき手続きは多岐にわたります。
書類の回収から行政への届出、本人への交付まで、一連の流れをチェックリスト形式で確認し、手続き漏れを防ぎましょう。
STEP1:退職者から回収が必要なもの
退職する従業員からは、健康保険の資格確認書が発行されている場合は必ず回収します。扶養家族分も発行されている場合はあわせて回収します。
このほか、社員証や名刺、制服、PC、その他会社から貸与している物品も、最終出社日までにすべて返却してもらいます。
STEP2:社会保険(健康保険・厚生年金)の資格喪失手続き
退職者の健康保険・厚生年金保険の資格を喪失させるための事務作業は、退職日の翌日から5日以内という極めて短い期間に完了させる必要があります。具体的には「健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届」を作成し、日本年金機構の事務センターや管轄の年金事務所へ提出します。この際、退職者本人やその扶養家族に資格確認書が発行されている場合は返却します。
もし退職者が資格確認書を紛失している場合は「資格確認書回収不能届」をあわせて提出するなどの個別対応も求められます。喪失手続きが遅延すると、会社は本来支払う必要のない社会保険料を二重に納付することになり、後日還付を受けるための余計な事務負担が発生しかねません。また、退職者側も新しい保険への加入手続きができず、医療機関を受診した際に全額自己負担を強いられるといったトラブルに繋がります。
STEP3:雇用保険の資格喪失手続きと離職票の準備
会社側は、従業員の退職に伴い雇用保険被保険者資格喪失届と、本人が希望する場合には離職証明書(離職票の元となる書類)を作成し、退職日の翌日から10日以内に管轄のハローワークへ提出する必要があります。離職票は退職者が失業手当を受給するために不可欠な書類であり、発行が遅れると退職者の生活設計に支障をきたし、トラブルに発展するケースも少なくありません。
ハローワークでの手続き完了後に会社へ離職票が交付されるため、その後速やかに退職者本人へ送付する流れとなります。特に離職証明書の作成には、退職直近の賃金支払い状況を正確に転記する必要があり、事務的な負担が重くなりがちです。
STEP4:住民税と所得税に関する手続き
住民税については、徴収方法を給与天引きの特別徴収から本人が直接納付する普通徴収へ切り替える手続きが必要です。この際、退職した月の翌月10日までに給与所得者異動届出書を市区町村へ提出しなければなりません。
所得税に関しては、退職日までに支払った給与額や源泉徴収税額を正しく算出した源泉徴収票を作成し、退職後1ヶ月以内に本人へ交付します。これらの税務に関連する事務作業は、社会保険の喪失手続きと並行して進める必要があるため、担当者の負担が重くなりがちです。
STEP5:退職者へ交付する書類の準備
退職する労働者へは、「源泉徴収票」や雇用保険加入していた場合は「雇用保険被保険者資格喪失確認通知書」を交付します。本人が希望した場合には「離職票」も送付します。
また、基礎年金番号通知書や年金手帳を入社時に預かっている場合は忘れずに返却してください。
これらは退職後の手続きで必要になるため、速やかに準備しなくてはなりません。
退職者にそのまま渡せる退職関連手続き&生活設計については「退職関連手続き&生活設計ガイド」で詳しく紹介しています。
担当者が陥りがちな退職手続きのミスと専門家に相談するメリット
退職手続きでは、資格喪失届の提出遅れや添付書類の不備、離職票の交付忘れといったミスが起こりがちです。
これらのミスは行政からの指導や退職者とのトラブルに発展しかねません。
こうした複雑でミスの許されない手続きは、スポット労務サービス「スポロム」の活用が効果的です。顧問料ゼロで、資格喪失届の作成から提出まで、1件からプロにオンラインで依頼できます。煩雑な年金事務所への届出を外部に切り出すことで、社内のリソースを本来の重要業務に集中させることが可能になります。
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【退職者向け】本人が行う手続きと会社から受け取る書類
退職が決まったら、会社任せにするだけでなく、従業員本人も行うべき手続きや受け取るべき書類を把握しておくことが大切です。
特に、離職票や源泉徴収票など、転職や失業手当の受給に必要な書類は確実に受け取りましょう。
必ず受け取るべき書類
退職する従業員が、「離職票」交付を希望した場合は会社から受け取ります。離職票は失業手当の受給を希望する場合に必要です。また、会社に基礎年金番号通知書または年金手帳を預けていた場合は、それらを受け取ります。
退職後に自分で手続きが必要なこと
退職した従業員がすぐに再就職しない場合、公的制度の空白期間を作らないよう、本人自身で速やかに手続きを行う必要があります。
転職先が決まっていない期間は、国民健康保険への加入や国民年金への種別変更が必要となりますが、これらを怠ると将来の年金額に影響したり、怪我や病気の際に医療費が全額自己負担になったりするリスクが生じます。また、配偶者などの家族が社会保険に加入している場合は、一定の条件を満たすことで家族の扶養に入る選択肢もあり、その際は家族の勤務先を通じて手続きを進めます。
また、再就職に向けた活動を行う場合は、ハローワークでの手続きも欠かせません。会社から届いた離職票を持参し、求職の申し込みを行うことで、失業手当(基本手当)の受給に向けたプロセスが始まります。
知らないと損をする?退職日による社会保険料の計算方法の違い
社会保険料は、退職日が月末かそれ以外かによって本人と会社の負担額が変動します。これは社会保険料が「資格喪失日の属する月の前月分」まで徴収されるルールに基づいているためです。例えば月末退職であれば翌月1日が喪失日となり退職月分まで徴収されますが、月末の前日までに退職すると退職月の前月分までの負担で済むため、手取り額や会社の支払額に差が生じます。
社会保険料の会社負担については「社会保険料の会社負担と計算方法」で詳しく紹介しています。
月末に退職した場合の社会保険料
月末(例:3月31日)が離職日の場合、資格喪失日は翌月の1日(4月1日)となります。
この場合、資格喪失日が属する月の前月、つまり3月分の社会保険料までが徴収対象となり、退職月の給与から天引きされます。
月末より前に退職した場合の社会保険料
月末より前(例:3月30日)に退職した場合、資格喪失日は離職日の翌日(3月31日)となります。
この場合、資格喪失日が3月にあるため、3月分の社会保険料は徴収されません。
前月の2月分までが給与天引きの対象となります。
退職後の健康保険はどうする?3つの選択肢を比較解説
退職すると会社の健康保険の資格を失うため、公的な医療保険に空白期間なく加入し直す必要があります。
すぐに再就職する場合、社会保険の加入要件を満たすのであれば転職先の社会保険に加入します。
すぐに再就職しない場合、主な選択肢は「国民健康保険への加入」「会社の健康保険の任意継続」「家族の扶養に入る」の3つです。
それぞれの保険料や条件を比較し、自分に合ったものを選びましょう。
退職後の健康保険と年金については「退職後の健康保険と年金」で詳しく紹介しています。

国民健康保険に加入する
退職後の健康保険として最も一般的な選択肢が、市区町村が運営する国民健康保険への加入です。
退職日の翌日から14日以内に、住民票のある役所で手続きを行います。
保険料は前年の所得や世帯の加入者数などによって決まります。
会社の健康保険を任意継続する
退職日までに継続して2ヶ月以上被保険者であった場合、退職後も最長2年間、在職中と同じ健康保険に加入し続けることができます。これを任意継続といいます。任意継続の保険料は全額自己負担となるため、原則として在職中の保険料の2倍になりますが、上限が設定されており、退職時の標準報酬月額が32万円を超えていた場合は32万円(令和8年度の場合)で計算されます。
家族の扶養に入る
年収が130万円未満などの一定の条件を満たす場合は、家族が加入している健康保険の被扶養者になることができます。
この場合、自分で保険料を負担する必要はありません。
配偶者や親の勤務先を通じて手続きを行います。
失業手当の受給に必要な離職票の発行手順とハローワークでの流れ
退職後に再就職の意思と能力があるにもかかわらず、就職できない場合に支給されるのが失業手当(基本手当)です。
この手当を受給するためには、会社から交付される「離職票」を持って、ハローワークで求職の申し込み手続きを行う必要があります。
雇用保険の基礎知識については「雇用保険の基礎知識」で詳しく紹介しています。
離職票が必要な場合と不要な場合
離職票は、ハローワークで失業手当の受給手続きをする際に必ず必要となる書類です。
したがって、退職後すぐに転職先が決まっている場合や、しばらく求職活動をしない場合は、離職票は不要です。
必要かどうかを会社に明確に伝えましょう。
ハローワークでの失業手当受給手続きの基本的な流れ
住所地を管轄するハローワークへ行き、離職票を提出して求職の申し込みを行います。
その後、受給資格が決定されると、7日間の待期期間を経て、雇用保険説明会に参加。
その後は原則4週間に1度、失業認定日にハローワークへ行き、失業の認定を受けることで失業手当が振り込まれます。
退職時の社会保険・雇用保険に関するよくある質問
退職時の社会保険・雇用保険の手続きに関して、多くの方が疑問に思う点や、再就職の際によくある質問について解説します。
特に、保険料の計算や離職票の扱いは重要なポイントです。
退職月の社会保険料は日割りで計算されますか?
いいえ、社会保険料は日割りで計算されません。
資格喪失日が属する月の保険料は徴収されないルールです。
例えば3月30日退職(資格喪失日3月31日)なら3月分の保険料は不要ですが、3月31日退職(資格喪失日4月1日)なら3月分まで徴収されます。
離職証明書は、必ず届出する必要がありますか?
雇用保険の被保険者資格喪失届は法律上の義務ですが、離職証明書(離職票の元となる書類)の作成については、退職者が交付を希望しない場合、原則として届出を省略できます。ただし、退職者が59歳以上の場合は、本人の希望にかかわらず離職証明書の提出が必須となる点に注意が必要です。
また、退職時点で希望がなくても、後から「失業手当を申請したい」と要望が出るケースは少なくありません。離職証明書には賃金支払い状況の正確な転記が求められ、自社での作成は事務負担が重くなりがちです。
こうした煩雑な書類作成や行政への届出は、スポット労務サービス「スポロム」へお任せください。顧問料ゼロで、必要な時だけオンラインで専門家に依頼できるため、急な発行依頼にもミスなくスピーディに対応可能です。
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退職後すぐに転職先が決まっている従業員の場合でも、社会保険や雇用保険の手続きを行う必要はありますか?
たとえ退職後すぐに新しい勤務先での就業が決まっている場合であっても、会社側は法律に基づき、社会保険や雇用保険の資格喪失手続きを必ず行う必要があります。
これは、二重加入を防ぎ、適切な保険料徴収を停止するために不可欠な事務作業です。従業員本人は、再就職先が新しい加入手続きを代行するため、役所へ足を運ぶ必要はありませんが、会社側の届出は必要です。
まとめ
退職時の社会保険・雇用保険手続きは、提出先や期限が異なり複雑です。
会社と退職する従業員、双方が「いつまでに」「何をすべきか」を正しく理解し、連携して進めることが手続き漏れを防ぐ鍵となります。
この記事を参考に、計画的に準備を進めましょう。
煩雑な退職手続きはプロに任せる選択肢も|スポット労務サービス「スポロム」
従業員の退職手続きは、期限が短く書類も複雑で、担当者の負担が大きい業務です。
もし手続きに不安を感じたり、コア業務に集中したいとお考えなら、専門家にアウトソーシングするのも有効な選択肢です。
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