COLUMN
お役立ちコラム
2020.05.08
リードブレーン株式会社
テーマ:
[新型コロナ資金繰り] 実質無利子・無担保の融資制度、”新型コロナウィルス感染症特別貸付”とは?
新型コロナの影響で経営状況が悪化し続けている中小企業、個人事業主をサポートするために政府は様々な支援を策を打ち出しています。
先日民間金融機関から受けられる信用保証付融資制度のセーフティネット4号・5号については解説しましたが、今日は日本政策金融公庫が実施している”新型コロナウィルス感染症特別貸付”という融資制度についてお話します。
新型コロナウィルス感染症特別貸付とは
日本政策金融公庫が、新型コロナ感染拡大の影響を受け、経営状況が悪化した事業者(個人事業主などのフリーランスを含む)に対し打ち出した資金繰り支援策です。この融資制度は通常の融資とは異なり、信用力や担保など関係なく一律金利となり(無担保)、融資後の3年間まで基準利率から0.9%の金利引き下げを実施するものです。
新型コロナウィルス感染症特別貸付の融資対象者
新型コロナの影響を受け一時的に業績が悪化しているものの、中長期的には売上が回復し成長が見込まれる事業者が対象となっている融資制度です。細かくは以下のいずれかに該当する方が対象となります。
①1年以上の業歴がある
直近1ヶ月の売上高が前年または前々年の同期と比較して5%減少している方
②3ヶ月以上1年1ヶ月未満の業歴の場合
直近1ヶ月の売上高が次のいずれかと比較して5%減少している方
- 過去3ヶ月(最近1ヶ月を含む)の平均売上高
- 令和元年12月の売上高
- 令和元年10月〜12月の売上高平均額
注目すべき点としては、②にあるように、創業3ヶ月以上〜1年1ヶ月未満の中小企業も対象となっているので、ベンチャーやスタートアップ企業も対象に入るという点です。
新型コロナウィルス感染症特別貸付の融資条件
新型コロナウィルス感染症特別貸付では最長15年の運転資金を調達することが可能です。最長5年の据置期間で、当面元本返済が不要。特別貸付の融資限度額は最大で中小事業では3億円、国民事業では6,000万円になります。
また新型コロナウィルス感染症特別貸付の融資を受けた事業者は、特別利子補給制度の適用を受けることで、追加要件を満たしていれば当初3年間は金利負担も実質的に無利子となります。ただ特別利子補給制度の適用上限が企業の規模に応じて異なり、中小事業においては最大1億円、国民事業では3,000万円となっています。
新型コロナウィルス感染症特別貸付の詳細まとめ
資金の使いみち
設備資金
運転資金
融資限度額
国民事業 6,000万円
中小事業 3億円
貸付期間
設備資金20年以内、運転資金15年以内
うち据置期間5年以内
担保
無担保
金利
当初3年間、基準金利よりマイナス0.9%引き下げ、4年目以降は基準金利
(中小事業:1.11%→0.21%、国民事業:1.36%→0.46%)
利下げ限度額
国民事業 3,000万円
中小事業 1億円
”特別利子補給制度”と併用することで、追加要件を満たせば実質無利子化
(※国民事業における利下げ限度額は、「新型コロナウイルス感染症特別貸付」、「新型コロナウイルス対策マル 経融資」および「新型コロナウイルス対策衛経」と合計で3,000万円となります。)
遡及(そきゅう)適用が可能
経済産業省のパンフレット上で”新型コロナウィルス感染症特別貸付”のページの下に小さく追記されているこちらの注意事項の補足をさせて頂くと、
※令和2年1月29日以降に日本公庫等から借入を行った場合も、要件に合致する場合は遡及適用が可能です。”
とは、”新型コロナウィルス感染症特別貸付”が創設されたのが2月下旬頃ですが、コロナの影響が出始めた1月29日以降にいち早く借入をしていた方々に対しても、不公平にならないよう同じ融資条件を適用しますよ、ということです。
ただ1月29日以前に、例えば去年の末に融資をしてもらったばかりと言う事業者さまで、新型コロナの影響で資金繰りが悪化してしまい再度融資を受けたい、という方も多いのではないでしょうか?どの融資制度を利用できるのか困惑されている事業者さまがいらっしゃいましたら、ぜひ一度弊社にご相談頂けますと幸いです。一緒にこの大変な時期を乗り越えましょう。
■この記事の参考