COLUMN
お役立ちコラム
2022.04.18
リードブレーン株式会社
テーマ:
中小企業活性化パッケージとは?
経済産業省は、コロナ資金繰り支援の継続や増大する債務に苦しむ中小企業の総合的な支援策を展開するため、金融庁・財務省と連携して「中小企業パッケージ」を策定します。
コロナ資金繰り支援の継続と収益力改善・事業再生・再チャレンジの促進
●日本の企業数の99.7%、雇用の7割を占める中小企業は成長と分配の好循環のエンジン
●足下では、事業復活支援金や資金繰り支援等を通じて中小企業の事業継続を強力に支援するとともに、官民金融機関が条件変更等の柔軟な対応を実施(*)
(*)政府としても累次にわたり要請しており、条件変更の応諾率は約99%(21年12月末)
●こうした中、年度末の資金繰り支援の徹底を官民金融機関に要請するとともに、感染状況等を踏まえ、融資期間の延長をした上で実質無利子・無担保融資、危機対応融資を6月末まで継続。さらに、日本公庫の資本性劣後ローンも来年度末まで継続。
●併せて、債務に苦しむ状態が長く続けば、十分な人材投資、設備投資が困難となり、成長と分配の好循環が停滞するおそれ。このため、増大する債務に苦しむ中小企業の収益力改善・事業生成・再チャレンジを促す総合的な支援策を展開する。
コロナ資金繰り支援の継続
年度末の資金需要への対応
①年度末の事業者の資金繰り支援等のための金融機関との意見交換・要請
→年度末の資金繰り支援等の徹底について、内閣府特例担当大臣(金融)及び経済産業大臣より金融機関に要請。
②セーフティネット保証4号の期限延長
→一般枠(上限2.8億円、80%保証)に上乗せした別枠保証(上限2.8億円、100%保証)の期限を延長【3月1日まで→6月1日まで】
来年度以降の資金需要への対応
①実質無利子・無担保融資、危機対応融資の継続等
→新型コロナウイルス感染症の影響を受けて業況が悪化している事業者に対する実質無利子・無担保融資、危機対応融資(*)の期限を延長【今年度末→6月末まで】
(*)商工中金と日本政策投資銀行による融資・資本性劣後ローン
→返済負担を軽減するための融資期間の延長【運転資金15年→20年】
②日本政策金融公庫の資本劣後ローンの継続
→民間金融機関が自己資本とみなすことができる日本政策金融公庫の資本性劣後ローン
(最大20年元本措置、上限額10億)を継続【来年度末まで】
③納税や社会保険料支払いの猶予制度の積極活用・柔軟な運用
→納税緩和制度に基づく猶予及び社会保険料の支払猶予制度(延滞税や延滞金を0.9%に軽減)の柔軟な運用(原則担保不要、口頭での事情説明を可など)を継続
中小企業の収益力改善・事業再生・再チャレンジの総合的支援
収益力改善フェーズ
①認定支援機関による伴走支援の強化
→収益力改善に向けた計画策定に加え、認定支援機関による計画実行状況のフォローアップや助言等を強化【22年4月~】
②協議会による収益力改善支援の強化
→ポストコロナを見据え、中小企業再生支援協議会において、コロナ禍で緊急的に実施している特例リスケ支援を収益力改善支援にシフト【22年4月~】
事業再生フェーズ
①中小機構が最大8割出資する再生ファンドの拡充
→コロナの影響が大きい業種(宿泊、飲食等)を重点支援するファンドの組成、ファンド空白地域の解消を促進【順次】
②事業再構築補助金に「回復・再生応援枠」を創設
→再生事業者が優先採択される枠を創設し、収益力の向上を促進【22年春頃~】
・補助率:3/4(中堅2/3)
・補助上限額:従業員規模により500万~1500万円
③中小企業の事業再生等のガイドラインの策定(経営者退任原則、債務超過解消年数要件等を緩和)
→数百人規模の民間専門家(弁護士等)を活用し支援
→ガイドラインに基づく計画策定費用の支援制度を創設【22年4月~】
再チャレンジフェーズ
①経営者の個人破産回避のルール明確化
→個人破産回避に向け、「経営者保証ガイドライン」に基づく保証債務整理の申出を受けた場合には、金融機関が誠実に対応する、との考え方を明確化【21年度中】
②再チャレンジに向けた支援の強化
→経営者の再チャレンジに向け、中小機構の人材支援事業を廃業後の経営者まで拡大【22年4月~】
→中小機構において、廃業後の再チャレンジに向けた専門家支援を展開【順次】
→公庫の再チャレンジ支援融資を拡充【22年2月~】
収益力改善・事業再生・再チャレンジを一元的に支援する体制の構築
→全国47都道府県にある中小企業再生支援協議会を関連機関と統合し、収益力改善・事業再生・再チャレンジを一元的に支援する「中小企業活性化協議会」を設置
→中小企業活性化協議会がハブとなって金融機関、民間専門家、各種支援機関とも連携し、苦しむ中小企業の収益力改善・事業再生・再チャレンジを地域全体で推進
最後に
コロナ禍において厳しい状況が今も続いている中で、中小企業への支援は多岐にわたってきます。ウィズコロナの中でもビジネスチャンスを確実なものとし、ポストコロナを視野に入れた収益改善・事業再生が中小企業にとっての今後の課題となると言えるでしょう。今回ご紹介した公的な支援をうまく活用していくことも大きなポイントとなるでしょう。