COLUMN
お役立ちコラム
2019.12.12
リードブレーン社会保険労務士法人
テーマ:
【コラム】行政の動き
◇行政の動き
厚生労働省は、「第4次産業革命」に対応した職業能力開発に関する本格的検討を開始しました。学識研究者など9人で構成する研究会を設置し、来年5月を目途に最終的な結論をまとめ、能開法(職業能力開発促進法)の改正等につなげます。
第4次産業革命ではAI(人口知能)、IoT(モノのインターネット)、ロボットなどの開発が主な課題となっていますが、わが国は少子高齢化による労働供給制約に直面しています。同時に、能開発は平成27年改正時の附則による見直し時期(施行5年後)が近づいていて、第10次職業能力開発基本計画も令和2年で終了します。
新たに設置された「今後の人材開発政策の在り方に関する研究会」では、そうした問題意識を踏まえた法整備の前提となる議論を行います。
ポイントになるのが、リカレント教育(社会人の学び直し)の充実・強化です。雇用保険・専門実践教育訓練の拡充や、モノづくり分野における教育訓練プログラムの開発・普及等も具体案として挙げられています。
ニュース①
ハローワークで544件を不受理 違法企業の若年者求人
厚生労働省の集計によると、若者雇用促進法(青少年の雇用の促進等に関する法律)に基づく求人申込みの不受理扱い(職業紹介の一時保留含む)件数が、544件に達していることが分かりました。
ハローワークは、求人内容が違法な場合等を除き、すべての求人を受理するのが原則です(職安法5条の5)。しかし、最近の法改正で、「求人者が労働関係法令違反で処分・公表措置を受けたとき」も不受理とする規定が新設されています。
その第1が、上記の若者雇用促進法の規定で、学校卒業見込者等を対象とします。施行は平成28年3月1日で、544件という数字はこの施行日から令和元年6月までの累計です。
その第2は、職業安定法の改正で、適用範囲を一般の全求人申込みに拡大します。新卒者と同様に、労基法、最賃法、職安法、均等法、育介法等の違反企業が対象になります。
施行は来年3月30日で、若者促進法の施行後と比較し、不受理件数は大幅に増大すると見込まれます。
ブラック企業対策を強化 産業別労組(JAM)が運動方針
中小企業の機械・金属産業で構成する産業別労組・JAMは、2020・21年度の運動方針で、ブラック企業対策の強化を決めました。
残業代未払や過重負荷等の労働環境の悪化は、JAMの加盟組織でも報告が後を絶ちません。よくみられるのが、経営者の交代により、従来良好だった労使関係が悪化するパターンです。
新経営者が労組活動を軽視し、「ユニオンショップ・チェックオフを廃止したい」等の要望を出してくれるほか、近年では、「時代に合わない」と決めつけ、労働協約の更新を拒むケースも目立つといいます。
JAMでは、交渉の長期化に対応できるよう積立資金の強化を呼びかけると同時に、地域協議会と連携し物心両面の支援体制を強化するとしています。
AIなど機械の手を借りる事で、少子高齢化が深刻化している日本にとっては人材不足問題の解決策と効率化を図ることができていますが、裏を返せば機械化が進む中で人の技術でサービスとモノを売りにしている業界に衰退の傾向が見えくる事も問題になりそうです。