COLUMN
お役立ちコラム
2019.12.03
リードブレーン社会保険労務士法人
テーマ:
【コラム】実務に役立つQ&A
◇実務に役立つQ&A
遺族年金に上乗せあるか? 夫の死亡後に出産した
Q:厚生年金の被保険者である夫が亡くなり、20歳代の妻が遺されると、遺族厚生年金は有期になることがあるといいます。夫の死亡当時、胎児がいるとどうなりますか。子が生まれると年金額は増えますか?
A:遺族厚生年金の受給権を取得した当時30歳未満の妻が、「遺族基礎年金の受給権を取得しないとき」は、遺族厚生年金の受給権は5年を経過したときに消滅します(厚生法63条)。配偶者が遺族基礎年金を受給するには、被保険者の死亡の当時その者に生計を維持され、かつ、配偶者と生計を同じくする子がいることが条件です(国年法37条の2第1項)。
死亡の当時胎児であった子が生まれたときは、将来に向かって、その子は被保険者の死亡の当時生計を維持されていた子とみなします(同条2項)。この場合には、5年を超えて受給することが可能になります。
遺族基礎年金の権利を得た場合、本体の年金に「子の加算額」も上乗せされます。1、2人目は各22万4500円、3人目は7万4800円です。一方、遺族厚生年金には子の加算額はありません。配偶者の遺族厚生年金の額は、遺族が増えても表面的には変わりません。
「遺族基礎年金」は死亡した夫が国民年金でも厚生年金でも残された遺族がもらえる年金です。夫の死亡時点で子供が居なくても妊娠中の胎児が無事に生まれると「遺族基礎年金」の対象となるので安心ですね。ただ注意点もあります。支給は子が生まれた翌月からで、残念ながら夫の死亡時点までさかのぼって支給することはできません。また、受給権は5年で消滅してしまうので注意が必要ですね。