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2020.11.26

リードブレーン社会保険労務士法人

テーマ:

キャリアアップ助成金(正社員化コース)の活用について

 

キャリアアップ助成金(正社員化コース)は、有期雇用労働者や短時間労働者といった、いわゆる非正規雇用労働者を正社員等に転換させた事業主に、国が助成金を支給する制度です。活用して、従業員のモチベーションのアップや、優秀な人材の確保につなげていきましょう。

正社員転換の要件と助成額

助成金の額は、転換のパターンや生産性向上の有無により決まり、最大で1人あたり57万円(生産性要件を満たす場合は72万円)が支給されます。支給申請上限人数は、1年度・1事業所あたり20人までで、最大で年間1,440万円の受給が可能です。

①有期→正規 57万円<72万円>

②有期→無期 28.5万円<36万円>

③無期→正規 28.5万円<36万円>

<>内は生産性の向上が認められる場合の額

申請までの大まかな流れ

計画書の作成・労働局への届出

キャリアアップ管理者を選任して「キャリアアップ計画書」を作成し、労働局の認定を受けます。遅くとも正規転換(予定)日の1か月前に間に合うよう準備をします。

就業規則に転換制度を規定

就業規則に正社員への転換制度を規定します。条文には「転換の手続き」「要件」「実施時期」を盛り込みます。

正社員へ転換

転換後の雇用契約書や労働条件通知書を対象労働者に交付します。転換前と比較して5%以上賃金が増額している必要があります。

申請開始

転換後6か月目の賃金を支給した日から、2か月以内に支給申請をします。所定の書類を取りそろえ、労働局での審査を経て支給決定となります。

よくあるご質問

Q.労働者が10人未満の事業所でも、就業規則の作成は必要ですか?

A.10人未満の場合、労働基準法上は就業規則の作成義務はありませんが、助成金申請にあたって作成が必要です。

助成金申請時には、就業規則がきちんと周知・運用されている証明として、労働者代表が署名捺印した「申立書」の提出が必要になりますが、就業規則を労働基準監督署へ届け出ていればその控えでも代用が可能です。

Q.賃金総額5%以上の増額はどのように計算するのですか?

A.原則、以下の計算方法によります。

計算方法:(転換後6か月賃金総額 - 転換前6か月賃金総額)/ 転換前6か月賃金総額×100

以下の諸手当は5%以上増額の算定に含めることができないため、注意が必要です。

①実費補填であるもの

②毎月の状況により変動することが見込まれるため、実態として労働者の処遇が改善しているか判断ができないもの

 例:時間外労働手当(固定残業代含む)、皆勤手当、歩合給 など

③転換後の賃金に定額で支給される諸手当を含める場合、当該手当の決定及び計算の方法(支給要件を含む)が就業規則に記載されていないもの

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