育休の社会保険料免除はいつから?条件やお得な取り方を完全解説

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2026.05.31

リードブレーン株式会社

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育休の社会保険料免除はいつから?条件やお得な取り方を完全解説

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「育休は取りたいけど、その間の社会保険料ってどうなるの?」
「月末に1日だけ取ると得するって本当?損したくない…」
育休(育児休業)を取る前後で、こんな疑問やモヤモヤを抱えていませんか。

結論からお伝えすると、育休中は健康保険料と厚生年金保険料が「全額免除」されます。

しかも従業員本人の負担分だけでなく、会社負担分も含めて免除されます。
免除されるのは健康保険と厚生年金保険の2つで、いずれも企業と従業員で折半する保険料です。
そのため、適用されれば従業員だけでなく企業にもコスト削減のメリットがあります。

ポイントは、「いつ・何日取るか」という取り方次第で、免除される月数(=得する金額)が大きく変わることです。
免除額は標準報酬月額の約15%にあたり、数十万円規模になることも珍しくありません。

この記事では、次のことがすべてわかります。

  • 社会保険料が免除される「2つの条件」(月末・14日以上)をわかりやすく図解
  • 免除はいつからいつまで続くのか(開始月・復帰月の間違えやすいポイント)
  • 損せず得する「お得な取り方」(月末1日だけ取得・賞与月の落とし穴)
  • 男性育休・産後パパ育休での免除と、2回分割取得時の扱い
  • 「免除されてない?」と不安なときの確認方法
  • 免除で将来の年金は減らないのか、デメリットの有無
  • 申請・手続きの流れ(誰が・何を・いつまでに)

様々な悩みに応えられるよう、制度の基本から実践的なコツまで丁寧に解説していきます。

育休中の社会保険料免除とは?仕組みを解説

「そもそも社会保険料って、育休中はどの保険がどうなるの?」
まずは制度の全体像を押さえましょう

育休中の社会保険料免除とは、育児休業の取得期間中、一定の条件を満たすことで健康保険料・厚生年金保険料の支払いが免除される公的な制度です。
届出さえ正しく行えば、誰でも利用できます。

免除されるのは「健康保険・介護保険・厚生年金」(雇用保険・労災は対象外)

「社会保険料」とひとくちに言っても、免除されるものとされないものがあります。
ここを誤解している人がとても多いポイントです。

免除される保険料は、次のとおりです。

  • 健康保険料(医療を受けるための保険料)
  • 介護保険料(40歳以上が負担する保険料)
  • 厚生年金保険料(老後の年金のための保険料)

一方で、雇用保険料と労災保険料は、この免除制度の対象外です。
雇用保険料は、育休期間中であるか否かに関係なく、賃金の支払いがあればその都度徴収の対象になります。
とはいえ育休中は通常無給のため、賃金が発生しなければ雇用保険料もかかりません。

「社会保険料免除」とは、健康保険・介護保険・厚生年金の3つを指すと理解しておきましょう。

従業員負担分も会社負担分も両方が免除される

「免除されるのは、自分の給料から引かれる分だけ?」と思われがちですが、違います。
社会保険料は、従業員と会社が半分ずつ負担する「労使折半」が原則です。
そして育休中は、その両方(従業員負担分+会社負担分)が免除されます。

  • 従業員にとって → 給与天引きされる保険料がゼロになる
  • 会社にとって → 会社が払う保険料負担もゼロになる

会社側にもコスト削減のメリットがあるため、男性育休を後押ししたい企業にとっても、活用しやすい制度になっています。

なお重要な注意点として、この免除は会社(事業主)が届出をして初めて適用されます。
自動では免除されないため、後述する申請手続きが必須です。

産休も同じ仕組み(産休・育休はセットで免除される)

女性の場合、育休の前に「産休(産前産後休業)」があります。
この産休期間中も、育休と同じく社会保険料が免除されます。

  • 産休(産前産後休業)→ 社会保険料免除あり
  • 育休(育児休業)→ 社会保険料免除あり

つまり産休に入った時点から復帰の前月分まで、長期にわたって免除が続くイメージです。
産休・育休中の社会保険料免除制度は、従業員と企業双方の負担を軽減できる有益な仕組みになっています。
復帰後の保険料変更手続きは通常の改定とは異なる取り扱いがあるため、漏れがないよう注意しましょう。

産休と育休で免除の「考え方(いつからいつまでか)」は基本的に同じです。

社会保険料が免除される「条件」をわかりやすく図解

「自分の場合は免除されるの?」という疑問は、たった2つの条件に当てはめるだけで判定できます。
冒頭でも触れたとおり、その月の社会保険料が免除されるのは、次のどちらか1つを満たすときです。

  免除される条件 対象
条件① その月の末日(月末)が育休期間に含まれる 給与・賞与の社会保険料
条件② 同じ月内の育休でも、休業日数が14日以上ある 給与の社会保険料

それぞれを、具体例とともに見ていきましょう。

条件①:月末(末日)が育休期間に含まれる月は免除

最も基本となるのが、この「月末ルール」です。

判定の考え方はシンプルで、その月の末日(最終日)に育休を取得していれば、その月まるごとの社会保険料が免除になります。
判断のポイントは、月の末日が育児休業期間に含まれるかどうかで、月末まで育児休業が続いていればその月の保険料は免除されます。

注意したいのは、月末を含まない月は免除されないという点です。
育児休業の終了日が11月29日など、月末が含まれない場合は、その月は保険料の免除期間には含まれません。
社会保険料は月単位で判定されるため、日割り計算はありません。

「月末1日だけ」でも免除対象になる

ここが多くの人が驚くポイントです。
極端な話、月末の1日だけ育休を取得しても、その月の社会保険料は全額免除されます。

たとえば、産後パパ育休を「6月28日〜7月2日」で取得した場合を考えます。

  • 6月30日(月末)が育休期間に含まれる → 6月分の社会保険料は免除
  • 7月は月末(7月31日)を含まない → 7月分は免除されない

このように、月末を1日でもまたぐ取り方は、後述する「お得な取り方」の鉄則になります。

ただし、賞与(ボーナス)の社会保険料を免除するには「連続して1ヶ月を超える育休を取得していること」が必須条件です。
誤解しないように注意しましょう。

条件②:同月内でも育休14日以上なら免除(2022年10月改正)

月末を含めなかったら、絶対に免除されないのでしょうか?
実はもう1つの道があります。
それが2022年10月の法改正で加わった「14日以上ルール」です。

改正の背景には、短期育休が免除されにくいという課題が。

そこで、育休の開始日と終了日が同じ月内にあっても、その月に14日以上育休を取得していれば、その月の給与の社会保険料が免除になりました。

14日のカウントに土日は含む?/14日未満だとどうなる?

「14日」の数え方には、明確なルールがあります。

  • 土日・祝日も日数に含めて数える(連続した暦日でカウント)
  • ただし休業中に就業した日は除いて数える

公式資料でも、14日以上の日数には休業中の就業予定日を除き、土日等の休日も期間に含むとされています。
たとえば月曜から2週間休むとしましょう。
この場合、育休期間中の土日も含めてカウントされるので、14日に到達しやすくなります。

一方、14日未満(13日以下)で、かつ月末も含まない場合は、その月の社会保険料は免除されません。
たとえば10日間だけの育休では、月末を含めない限り原則として免除対象外になります。
短期で取るなら「月末を含める」か「14日以上にする」のどちらかを必ず満たすよう設計するのがポイントです。

月をまたぐ・月の途中取得のパターン別判定

ここで、最も間違えやすい「月またぎ」のケースを整理します。

14日ルールは、あくまで開始日と終了日が”同じ月内”に収まる場合だけに使えるルールです。
月をまたぐ育休には、14日ルールは適用されません。

具体例で見てみましょう。11月20日〜12月15日の産後パパ育休のケースです。

判定 結果
11月 月末(11/30)を含む 免除される
12月 月末(12/31)を含まない/同月内の育休でもない 免除されない

「12月だけ見ると12月1日〜15日で14日以上あるから、12月も免除では?」と考えがちですが、これは誤りです。

月末を含む育児休業(開始日と終了予定日の翌日が異なる月に属する育休)の日数は、14日要件の適用では考慮されません。
11月20日から12月15日まで取得した場合、11月分は免除されます。
ですが、12月だけで14日以上あっても同月内の育休とはみなされず、12月分は対象になりません。 

つまり月をまたぐ場合は、各月で「月末を含むかどうか」だけで判定すると覚えておきましょう。

月末が土日・祝日のときの扱い

「うちの会社は土日休みだけど、月末が土曜だったら?」という疑問もよく聞きます。
結論として、月末が土日・祝日であっても判定は変わりません。

暦の上での「その月の最終日」が育休期間に含まれていれば、その月は免除されます。
会社の休業日かどうかは関係なく、判断の基準はカレンダー上の末日です。

たとえば月末が日曜日でも、その日曜を含むように育休を設定していれば、その月の社会保険料は免除されます。
月末取得を狙う場合は、「カレンダー上の最終日」を必ずまたぐように計画しましょう。

 

社会保険料免除はいつからいつまで?開始月と復帰月で間違えやすい

免除されるのはわかったけど、具体的にいつの分からいつの分まで?と疑問をもつ人がとても多いです。
特に復帰した月の扱いは誤解されやすいので、原則ルールから順に整理します。

免除期間の原則ルール(開始月〜終了日翌日の前月まで)

免除される期間は、次のように決まっています。

育休を開始した日が属する月から、育休が終了した日の翌日が属する月の前月のまでです。

文字だけだと難しいので、具体例で見てみましょう。
従業員が4月15日から12月14日まで育児休業を取得した場合、4月分から11月分までの保険料が免除されます。
社会保険料は月単位で徴収するため、日割り計算する必要はありません。

ポイントは2つです。

  • 開始月:4月15日開始でも、4月分まるごとが免除(日割りなし)
  • 終了側:12月14日終了 → 翌日(12月15日)が属する月の「前月」=11月分まで免除

このように、開始は「入った月から」、終了は「終了日翌日の前月まで」と覚えておきましょう。

【混乱ポイント】復帰した月は免除される?されない?

最も質問が多いのが、この復帰月の扱いです。
結論から言うと、復帰した月は原則として免除されません。

理由は、復帰月が「育休終了日の翌日が属する月」にあたるからです。
原則ルールでは「終了日翌日が属する月の前月まで」が免除なので、復帰月そのものは免除対象から外れます。

ただし、ここに重要な例外があります。
月末の翌日(=翌月1日)に復帰する場合です。
たとえば6月30日まで育休を取り、7月1日に復帰したケースでは、6月末まで育休が続いていたため、6月分は免除されます。
「月末まで休んで翌月頭に復帰」は、最後の月までしっかり免除を受けられる取り方になります。

具体例:1月15日開始→7月10日復帰のケースで月別に図解

もう少し具体的に、月別の免除カレンダーで見てみましょう。
1月15日に育休開始、7月10日に職場復帰したケースです。

育休の状況 社会保険料
1月 1/15から育休(月末を含む) 免除
2月〜6月 育休継続(各月末を含む) 免除
7月 7/10に復帰(終了日翌日が属する月) 発生(免除されない)

この例では免除の対象となるのは1月から6月までの社会保険料です。
復帰月である7月は休業終了日の翌日が含まれる月であるため、社会保険料が発生します。

さらに知っておきたいのが、実際の支払いタイミングです。
社会保険料は翌月の給与から天引きされるため、7月分の支払いが実際に発生するのは給与支給が始まる8月からになります。

「復帰した月の給与からすぐ引かれないけど大丈夫?」と不安になるのは、このタイムラグが理由です(詳しくは後述します)。

育休延長時(1歳→2歳・3歳まで)の免除はいつまで続く?

育休は原則として子が1歳になるまでですが、保育園に入れないなどの事情があれば延長できます。

  • 1歳まで(原則)
  • 1歳6か月まで(延長)
  • 2歳まで(再延長)

ここで朗報です。
社会保険料の免除は、最長で子が3歳に達するまで受けられます。

育児・介護休業法に定める育休のほか、これに準じる会社独自の育休制度による休業であっても免除対象となります。

つまり育休給付金との対象期間にズレがある点に注意が必要です。

  • 社会保険料の免除 → 子が3歳まで
  • 育児休業給付金 → 最長2歳まで

なお、延長は自動では適用されません。
当初の「1歳まで」を「1歳6ヵ月まで」、さらに「2歳まで」へ再延長する場合は、それぞれの延長が確定した時点で申出書の提出が必要です。

最初の申請だけで免除期間が自動的に延長されることはありません。
延長のたびに会社経由で手続きする必要がある、と覚えておきましょう。

社会保険料免除の「お得な取り方」完全ガイド

育休の社会保険料免除は、取得する日付を少し工夫するだけで、免除される月数が1か月〜2か月分も変わることがあります。

免除額は標準報酬月額の約15%。
仮に月額30万円なら1か月あたり約4.5万円、労使合計では月9万円規模が動く計算です。
せっかくの権利を最大限活かすため、損しない取り方のコツを具体的に押さえていきましょう。

月末を狙うのが鉄則(月末1日だけ取得する設計)

お得な取り方の大原則は、「月末を含めること」です。
前述のとおり、その月の末日に育休を取得していれば、その月まるごとの社会保険料が免除されるからです。

たとえば短期間しか育休を取れない場合でも、取り方次第で結果が大きく変わります。

  • 8月10日〜8月20日に取得 → 月末を含まず、14日未満 → 免除なし
  • 8月25日〜8月31日に取得 → 月末(8/31)を含む → 8月分が全額免除

同じ「約1週間の育休」でも、月末をまたぐだけで1か月分の免除を獲得できるわけです。
給与計算ソフトの解説でも、短期間の育休でも、月末を含むように計画することで免除を受けられるとされています。

さらに上級テクニックとして、月をまたいで1か月分を狙う方法も。
たとえば「8月31日〜9月1日」のように月末と翌月初をまたげば、8月分の社会保険料が免除されます(9月は月末を含まないため9月は対象外)。
短く取るなら「月末をまたぐ」が鉄則です。

賞与(ボーナス)月の落とし穴と正しい組み方

最も注意してほしいのが、賞与(ボーナス)にかかる社会保険料です。
ここには2022年10月の改正で生まれた大きな落とし穴があります。

かつては月末1日だけの育休でも賞与の社会保険料が免除されましたが、現在は条件が厳しくなりました。

賞与の社会保険料が免除されるのは、「賞与支給月の末日を含み」かつ「連続1か月を超える」育休を取得した場合だけです。
男性の育休中の賞与にかかる社会保険料は、賞与支給月の末日を含む連続1か月を超える育児休業を取得している場合に限り免除対象となります。

6月15日から7月5日までの3週間では1か月を超えないため、6月の賞与に対する保険料は免除されません。

具体例で整理します。
12月にボーナスが出る人のケースです。

育休の取り方 賞与の社会保険料
12月31日のみ(月末1日だけ) 免除されない(1か月超でない)
12月20日〜翌1月10日(約3週間) 免除されない(1か月超でない)
11月15日〜12月31日(1か月超) 免除される

父親が12月の賞与月に育休を取得する際は、11月15日から12月31日までのように1か月を超える期間の取得が必要です。
それより短いと賞与の保険料は免除されません。
「ボーナス月に月末1日だけ取れば賞与も免除される」というのは“昔の話”です。
賞与分まで狙うなら、1か月超の連続取得が必須と覚えておきましょう。

取得パターン別・得する組み合わせ早見表(カレンダー例)

ここまでの内容を、ケース別の早見表にまとめます。
自分の状況に近いものを探してみてください。

目的・状況 おすすめの取り方 得られる免除
とにかく短く、1か月分だけ得したい 月末をまたぐ数日間(例:月末25日〜翌月1日) 当月の給与分が免除
同じ月内で完結させたい その月に14日以上取得 当月の給与分が免除
月をまたいで2か月分狙いたい 1か月目の月末〜2か月目の月末を両方含む 2か月分の給与が免除
賞与の保険料も免除したい 賞与支給月の末日を含む連続1か月超 給与+賞与が免除
復帰は最後まで免除を受けたい 月末まで休み、翌月1日に復帰 最終月まで免除

ご自身のカレンダーに「月末」「14日以上」「賞与支給月」を書き込んで照らし合わせると、最適な取得日が見えてきます。

なお、こうして手取りに余裕が生まれたら、その分を貯蓄や資産形成に回すのも賢い選択です。
免除で浮いたお金の活用や家計全体の見直しは、ファイナンシャルプランナーへの無料相談で具体的にシミュレーションしてもらうのがおすすめです。

デメリット・注意点(取り方を誤ると免除されないケース)

お得な取り方には、いくつか踏んではいけない地雷もあります。
最後に注意点を整理します。

注意点
    • 中途半端な日数が一番損:月末を含まず、かつ14日未満だと、その月は一切免除されま  せん。
    • 10日前後の育休はこのワナにはまりがちです。
    • 月またぎに14日ルールは使えない:月をまたぐ育休は「各月で月末を含むか」だけで判定されます。
    • 2か月目に14日以上あっても、月末を含まなければ免除されません。
    • 就業日は日数から除かれる:育休中に働いた日は14日のカウントから除外されます。
    • 引き継ぎ等で出社予定があると、思ったより日数が足りなくなることも。
    • 賞与は「1か月超」が絶対条件:月末1日や数週間では賞与分は免除されません。
    • 形式だけの取得はNG:実態のない育休は否認される可能性があります。
    • あくまで実際に育児のために休むことが前提です。

「取れば自動的に得する」のではなく、「ルールに合わせて設計するから得する」制度だと理解しておきましょう。

男性(パパ)育休・産後パパ育休の社会保険料免除

近年は男性の育休取得が急増し、「パパが育休を取った場合も免除されるの?」という疑問が増えています。
男性ならではの注意点もあるため、ここでまとめて解説します。
結論として、男性でも条件を満たせばしっかり免除されますが、産後パパ育休特有の「分割取得」には落とし穴もあるので注意が必要です。

男性でも条件は同じ(性別問わず免除される)

社会保険料の免除に、性別による違いは一切ありません。
社会保険料免除は性別にかかわらず適用されます。
男性の育児休業、いわゆる「男性育休」「産後パパ育休」であっても、要件を満たせば同様に社会保険料の免除対象です。

つまり男性も、これまで解説してきた次の2条件で判定されます。

  • その月の月末を含んでいる → その月が免除
  • 同月内で14日以上取得 → その月が免除

男性は短期・分割で取得するケースが多いため、「月末を含めるか」「14日以上にするか」を意識した設計が、より効果を発揮します。

産後パパ育休(出生後8週以内・最大28日・2回分割)の免除判定

男性育休でよく使われるのが「産後パパ育休(出生時育児休業)」です。
これは通常の育休とは別枠の制度で、次の特徴があります。

  • 子の出生後8週間以内に取得できる
  • 最大4週間(28日)まで取得可能
  • 2回に分割して取得できる(分割する場合は2回分まとめて申し出が必要)
  • 労使協定があれば休業中の就業も可能

社会保険料免除の判定基準は通常の育休と同じで、「月末を含むか」「同月内に14日以上か」で判断します。
産後パパ育休と通常の育休は別の休業です。
しかし、社会保険料の免除に関しては、産後パパ育休も育児休業も同じ書式(健康保険・厚生年金保険 育児休業等取得者申出書)で手続きを行います。

2回に分けて取得した場合は各月で免除されるのか

ここが産後パパ育休で最も間違えやすいポイントです。
2回に分けて、それぞれ別の月で月末を含めれば、2か月分の免除を受けられます。

たとえば、社労士の回答例では次のように整理されています。
10月31日の1日のみ育休を取得すれば10月分が免除対象です。
11月10日から末日まで休業すれば11月分も免除対象となるため、10月分と11月分の2か月分が免除対象になります。
月をまたいで2回取得し、それぞれの月末を押さえる取り方が、最も得をする組み方です。

ただし、重大な注意点があります。
2回の育休が事実上「連続」している場合は、1回分として扱われます。
産後パパ育休を2回に分けて取得する場合であっても、2回が続くときには社会保険料は1か月分しか免除になりません。

1回目と2回目の間に暦日がない場合や、その間が全て会社の公休日である場合は、1回で取得したものとして取り扱われます。
そのため、開始日が属する月の社会保険料のみが免除されます。

2回分割で2か月分を狙うなら、1回目と2回目の間に「出勤日(実際に働く日)」をきちんと挟むことが条件です。

申請書の記入例(分割取得時の書き方の注意)

手続きは会社が行いますが、本人も書き方の勘所を知っておくと安心です。
使用するのは「健康保険・厚生年金保険 育児休業等取得者申出書(新規・延長)/終了届」です。

分割取得・同月内取得のときは、特に以下に注意します。

注意点
  • 取得日数・就業予定日数を必ず記入:開始日と終了日翌日が同月内の場合、取得日数欄・就労予定日数欄の記入が必須です。
  • 同月内に複数回取得した場合は内訳を記載:それぞれの休業の開始日・終了日・取得日数・就業予定日数を内訳欄に書きます。
  • 就業日は日数から除く:産後パパ育休中に就業した日は、14日カウントから差し引いて記入します。

記入ミスは「免除されなかった」というトラブルの原因になります。
不安な場合は、提出前に会社の担当者や年金事務所に確認してもらいましょう。

「免除されてない?社会保険料が引かれてる」を解決

育休に入った際に非常に多いのが、「給与明細を見たら社会保険料が引かれているように見える。免除されていないのでは?」という不安の声です。
実際、社労士のもとにもこうした問い合わせが多く寄せられます。

産休・育休中も社会保険料が免除されていない、引かれているという労働者側の声はよく聞かれます。
ですが、これらは免除のタイミングや仕組みへの理解不足による誤解であることも多いです。
多くは仕組みを知れば解決するので、順に確認していきましょう。

給与明細に反映されるのは翌月以降(タイムラグの正体)

「免除されていない」と感じる最大の原因が、反映のタイムラグです。

社会保険料は、その月の分を翌月の給与から後払いで天引きするのが一般的
そのため、免除が始まっても明細に反映されるまで時間差が生じます。
社会保険料は翌月に徴収されるため、例えば7・8・9月分が免除された場合は、8・9・10月の明細に反映されます。

つまり、育休に入った直後の明細にまだ保険料が記載されていても、それは「前月分の精算」であることが多く、異常ではありません。
1〜2か月ほど様子を見れば、免除が反映されているはずです。

免除されているかの確認方法(明細・年金事務所での確認)

それでも不安な場合は、次の方法で確認できます。

  • 給与明細を複数月見比べる:免除が反映された月は、健康保険料・厚生年金保険料の欄が「0円」または控除なしになります。
    タイムラグを考慮し、2〜3か月分を並べて確認しましょう。
  • 会社の人事・労務担当に確認する:免除の手続き(届出)が済んでいるかを直接聞くのが最も確実です。
    申請したかどうかは会社しか把握していません。
  • 年金事務所に問い合わせる:会社が「育児休業等取得者申出書」を提出済みかは、年金事務所でも確認できます。
    会社の対応に不安がある場合の最終手段です。

申請漏れ・手続きミスの可能性と対処

注意したいのは、免除は自動では適用されないという点です。
会社が届出をしなければ、いつまでも保険料が引かれ続けます。
ただし、仮に申請が遅れても、後から取り戻すことは可能です。

届出が承認されれば、いったん徴収された保険料は後日、減額調整・還付されます。
免除の承認前に保険料納入の告知が行われた場合は、いったん本来免除となるべき額を含めて納入することになります。
ですが、その翌月以降に保険料の減額調整が行われ、トータルで支払う保険料の額に多い少ないの差は生じません。

もし「数か月経っても明細から保険料が消えない」場合は、申請漏れの可能性があります。
早めに会社へ確認し、未申請なら速やかに届出してもらいましょう。
育休・産休の申請時に「社会保険料の免除手続きもお願いします」と一言添えておくと、漏れを防げます。

将来の年金は減らない?免除のデメリットを正しく理解

「保険料が免除されると、その分だけ将来の年金が減るのでは?」
これは多くの人が抱く、もっともな不安です。
ここを正しく理解すれば、安心して免除を受けられます。
結論として、年金への悪影響はありません。

免除期間も「納付扱い」になるため年金額は減らない

最も重要なポイントです。
社会保険料の免除期間は、保険料を「納付したもの」として扱われます。
つまり、将来の年金額が減ることはありません。

公的機関も明言しています。
免除期間中であっても、将来の年金額の計算上は保険料を納付したものとして扱われるため、従業員にとって不利になることはありません。

免除されているのにもらえる年金は減らない、という非常に有利な制度です。
「年金が減るのが怖いから免除を受けたくない」と考える必要はまったくありません。

住民税・年末調整・ふるさと納税への影響

一方で、免除されるのはあくまで社会保険料だけです。
税金は別物なので、ここは混同しないよう注意しましょう。

注意点
  • 住民税はかかる:住民税は前年の所得に対して課税されます。
    育休中で給与がなくても、前年に収入があれば支払い義務が残ります。
    産休・育休中は社会保険料の支払いは免除されますが、前年度の収入に対して課税される住民税の支払い義務は休業中でも発生します。
    普通徴収に切り替わって納付書が届くこともあるので、資金を準備しておきましょう。
  • 所得税・年末調整:育休中の育児休業給付金は非課税で、所得税はかかりません。
    復帰後は通常どおり源泉徴収・年末調整が行われます。
  • ふるさと納税は活用できる場合がある:節税の裏ワザとして覚えておきたいのがこれです。
    産休・育休に入る時期が翌年であれば、今年中にふるさと納税を行うことで、翌年6月以降(産休・育休中)の住民税を軽減できます。
    ただし育休中で所得が大きく減る年は控除上限額も下がるため、寄付前にシミュレーターで上限を確認することが大切です。

社会保険料が免除され、さらにふるさと納税で住民税の負担も抑えられれば、家計のダメージを大きく減らせます。
浮いたお金の使い道や、住民税・ふるさと納税の最適化に迷ったら、家計のプロに相談して全体設計を見直すのがおすすめです。

申請・手続きの流れ(誰が・何を・いつまでに)

免除を受けるための手続きを整理します。
本人が直接動く場面は少ないものの、流れを知っておくと「申請漏れ」を防げます。
特に人事・労務担当の方は、提出先と期限を正確に押さえておきましょう。

手続きは基本「会社(事業主)」が行う

育休の社会保険料免除は、従業員本人ではなく、会社(事業主)が申請します。
本人が年金事務所へ出向く必要はありません。

流れは次のとおりです。

  1. 従業員が、育休を取得することを会社に申し出る
  2. 会社が「育児休業等取得者申出書」を作成する
  3. 会社が日本年金機構(または健康保険組合)へ届出する
  4. 承認されると、社会保険料の免除が開始される

申請は会社が申出書を日本年金機構へ提出することで行うため、育休を取得する本人が直接手続きする必要はありません。
本人ができる最善の行動は、「育休を取ること」と「免除の手続きをお願いします」と会社に伝えることです。

必要書類・提出先(日本年金機構)・提出期限

手続きで使う書類と提出先は、以下のとおりです。

  • 使用する書類:健康保険・厚生年金保険「育児休業等取得者申出書(新規・延長)/終了届」
  • 提出先:協会けんぽ加入の場合は日本年金機構(事務センターまたは管轄の年金事務所)
    組合健保加入の場合は日本年金機構と各健康保険組合の両方が提出先となるケースがあります。
  • 提出方法:電子申請・郵送・窓口持参のいずれも可能

提出期限も重要になります。
提出時期は、育児休業等の期間中、または育児休業等終了日から1か月以内です。
これは新規取得だけでなく延長の場合も同様です。
延長のたびに、その都度この期限内に届出が必要になります。

申請を忘れた・遅れた場合の取り扱い

「うっかり期限を過ぎてしまった」場合も、あきらめる必要はありません。

被保険者からの申し出があったにもかかわらず、事業主が期限内に申出書を提出できなかった場合は追加の対応が求められます。
遅延理由書(申立書)を添えて申請することで、最長2年まで遡って免除を受けることが可能です。
他にも、被保険者が休業していることが確認できる書類(出勤簿・賃金台帳など)の添付が必要な場合もあります。

手続きが遅れても、要件を満たしていれば免除自体は受けられます。
すでに徴収された保険料も、後から減額調整・還付されます。
とはいえ手間が増えるため、育休の申し出と同時に免除手続きもセットで進めるのが最善です。

よくある質問(FAQ)

最後に、検索でよく見られる疑問にコンパクトに回答します。

Q.育休中の社会保険は免除されますか?
A.はい。
要件を満たせば、健康保険料・介護保険料・厚生年金保険料が、本人負担分・会社負担分ともに全額免除されます。
ただし会社の届出が必要です。雇用保険料・労災保険料は対象外ですが、無給であればそもそも雇用保険料は発生しません。
Q.免除は何日以上の育休からですか?
A.月末を含めば日数の下限はなく、極端には月末1日だけでもその月が免除されます。
月末を含まない場合は、同月内に14日以上の取得が必要です。
なお、14日には土日・祝日も含めて数え、就業した日は除きます。
Q.月末1日だけの育休でも免除されますか?
A.はい。
その月の末日に育休を取得していれば、その月の給与にかかる社会保険料は全額免除されます。
ただし賞与にかかる保険料は別で、月末1日だけでは免除されません(連続1か月超の取得が必要)。
Q.賞与(ボーナス)の社会保険料も免除されますか?
A.条件付きで免除されます。
賞与分には14日ルールは適用されず、「支給月の末日を含む」「連続1か月超の育児休業」という2点が判断基準です。
月末1日や数週間の取得では免除されないため、注意しましょう。
Q.産後パパ育休は2回取得できますか?免除も2回受けられますか?
A.産後パパ育休は2回まで分割取得が可能です。
それぞれを別の月に取得し、各月で月末を含む等の条件を満たせば、複数月の免除を受けられます。
ただし2回が連続している(間に出勤日がない)場合は1回扱いとなり、1か月分しか免除されません。

まとめ

育休中の社会保険料免除は、知っているかどうかで手取りが大きく変わる、非常に有利な制度です。
最後に要点を振り返ります。

  • 免除されるのは健康保険・介護保険・厚生年金(本人・会社の両方の負担分)
  • 免除の条件は、①月末を含む または ②同月内に14日以上のどちらか
  • 短期なら「月末をまたぐ」のが鉄則。賞与分は「連続1か月超」が必要
  • 男性・産後パパ育休も条件は同じ。2回分割なら間に出勤日を挟んで各月の月末を狙う
  • 免除されても将来の年金は減らない。ただし住民税は別途かかる
  • 手続きは会社が申請。育休終了日から1か月以内が期限

「いつ・何日取るか」を少し工夫するだけで、数万円〜数十万円の差が生まれます。
まずはご自身のカレンダーに「月末」「14日以上」「賞与支給月」を書き込み、最適な取得日を設計してみてください。

そして、免除で浮いたお金は、将来に向けた資産形成や家計の見直しに回すのが賢い選択です。
育休はライフプランを見直す絶好のタイミング。
住民税やふるさと納税の最適化、教育資金の準備まで含めて、一度ファイナンシャルプランナーに無料相談してみてはいかがでしょうか。

今のうちに家計の土台を整えておくことが、これからの育児を安心して楽しむ第一歩になります。

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