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お役立ちコラム
2026.02.27
リードブレーン株式会社
テーマ:
年末調整しないとどうなる?学生・パート・会社員別に対処法を徹底解説

「年末調整って正直よく分からないし、出さなくても大丈夫かな…」
「103万円以下だから関係ない?」
「書類が面倒で何から手を付ければ良いかわからない」
こんな風に思っていませんか?
結論からお伝えすると、年末調整をしないと払いすぎた税金が戻ってきません。
その結果、数千円〜数万円損する可能性があります。
年末調整は、毎月の給与から天引きされている所得税を正しく精算するための大切な手続きです。
学生アルバイトやパート勤務の方でも、給与から税金が引かれていれば対象になるケースがほとんど。
「自分には関係ない」と思って放置すると、本来戻ってくるはずのお金を受け取れないまま損をしてしまいます。
- 年末調整をしないとどうなるのか(具体的なデメリット5つ)
- 自分が年末調整の対象かどうかの判断基準
- 学生・パート・会社員など状況別の対応方法
- 期限に間に合わなかった場合の対処法
「年末調整しなくていい人」の条件も明確にお伝えしますので、自分が該当するかどうか、ぜひ最後までチェックしてみてください。
【結論】年末調整をしないとどうなる?5つのデメリット
「年末調整を出さなかったら、具体的にどんな困ることがあるの?」
年末調整をしないと、金銭的な損失や手続きの手間など、さまざまなデメリットが発生します。
「面倒だから」「よく分からないから」と後回しにしていると、数千円〜数万円単位で損をしてしまうことも珍しくありません。
ここでは、年末調整をしない場合に起こる5つのデメリットを具体的に解説します。
①払いすぎた所得税が還付されない(数千円〜数万円の損失)
年末調整をしない最大のデメリットは、払いすぎた所得税が戻ってこないことです。
会社員やアルバイト・パートの方は、毎月の給与から「源泉徴収」という形で所得税が天引きされています。
しかし、この源泉徴収額はあくまで概算で計算されたものです。
実際の年間所得が確定する前に、多めに税金が引かれているケースがほとんど。
年末調整は、この払いすぎた税金を精算して返してもらう手続きです。
【具体例】年収別の還付金の目安
| 年収 | 還付金の目安 |
|---|---|
| 100万円(学生バイト) | 3,000円〜5,000円程度 |
| 150万円(パート) | 5,000円〜10,000円程度 |
| 300万円(会社員) | 10,000円〜30,000円程度 |
| 500万円(会社員・控除あり) | 20,000円〜50,000円以上 |
※還付金額は扶養状況や各種控除の有無によって異なります。
年末調整をしないと、数千円〜数万円のお金がそのまま国に納められたまま。
この還付金を受け取る権利を放棄することになります。
特に、月収が8万8,000円を超えた月がある方は、所得税が源泉徴収されている可能性が高いです。
年間の収入が103万円以下でも、月単位で税金が引かれていれば、年末調整で取り戻せます。
②各種控除が適用されない
年末調整をしないと、本来受けられるはずの各種控除が適用されません。
控除とは、課税対象となる所得から一定額を差し引ける制度のこと。
控除が適用されると課税所得が減り、結果として支払う税金も少なくなります。
【年末調整で申告できる主な控除】
| 控除の種類 | 最大控除額 | 対象者 |
|---|---|---|
| 生命保険料控除 | 最大12万円 | 生命保険・医療保険・個人年金に加入している人 |
| 地震保険料控除 | 最大5万円 | 地震保険に加入している人 |
| 扶養控除 | 38万円〜63万円 | 扶養親族がいる人 |
| 配偶者控除 | 最大38万円 | 配偶者の所得が一定以下の人 |
| 住宅ローン控除(2年目以降) | 借入額の0.7%(上限あり) | 住宅ローンを組んでいる人 |
| 勤労学生控除 | 27万円 | 働きながら学校に通う学生 |
| 障害者控除 | 27万円〜75万円 | 本人または扶養親族が障害者の場合 |
これらの控除を申告しないと、課税所得が本来より高く計算され、余計な税金を支払うことになります。
例えば、生命保険に加入し、年間8万円以上の保険料を支払っている場合。
新制度では、生命保険料控除だけで最大4万円の所得控除を受けられます。
所得税率が10%の方なら、4,000円の節税効果があるのです。
年末調整の書類を出さないだけで、これらの控除がすべて無効になってしまいます。
③翌年の住民税が高くなる
年末調整をしないと、翌年6月から支払う住民税が高くなる可能性があります。
「住民税は年末調整と関係ないのでは?」と思う方もいるかもしれません。
住民税は前年の所得をもとに計算されます。
そのため、年末調整の結果が大きく影響するのです。
- 年末調整で各種控除を申告しない
- 控除が反映されず、課税所得が本来より高く算出される
- その情報が市区町村に送られる
- 翌年の住民税が高い金額で決定される
住民税の税率は一律10%(都道府県民税4%+市区町村民税6%)です。
例えば、年末調整で申告し忘れた控除が10万円分あった場合、翌年の住民税が約1万円高くなる計算になります。
さらに厄介なのは、一度決定された住民税を後から修正するのは手間がかかるということ。市区町村の窓口で手続きが必要になり、還付されるまでに時間もかかります。
年末調整で正しく控除を申告しておけば、このような余計な手間と出費を避けられます。
④自分で確定申告する手間が発生する
年末調整をしないと、自分で確定申告をしなければならなくなります。
会社員やパート・アルバイトの方は、勤務先が年末調整を行ってくれるため、原則として確定申告は不要です。
しかし、年末調整を受けなかった場合は、自分で税務署に申告して税金を精算する必要があります。
確定申告については、以下の通り。
- 必要書類の準備:源泉徴収票、控除証明書、マイナンバーカードなど
- 申告書の作成:国税庁のサイトで入力するか、手書きで作成
- 税務署への提出:e-Taxで送信、郵送、または窓口に持参
- 申告期間の制約:原則として2月16日〜3月15日の約1ヶ月間
年末調整なら会社に書類を出すだけで完了します。
しかし確定申告はすべて自分で調べて手続きしなければなりません。
税金の知識がない方にとっては、かなりの負担になるでしょう。
特に初めて確定申告をする方は、「どの書類が必要か分からない」「入力方法が分からない」「計算が合っているか不安」など、多くの疑問や不安を抱えることになります。
確定申告の時期は税務署も混雑するため、窓口で相談するにも長時間待たされることも珍しくありません。
年末調整の書類を出すだけで済むなら、その方がはるかに楽です。
「面倒だから年末調整を出さない」という判断は、結果的にもっと面倒な確定申告をする羽目になる可能性があることを覚えておきましょう。
⑤確定申告を怠るとペナルティが発生するリスク
年末調整をしないこと自体で、従業員が直接罰則を受けることはありません。
しかし、年末調整をせずに放置し本来必要な「確定申告」も期限内に行わなかった場合、注意が必要です。
もし、副業所得がある場合や高額な給与所得があるなど、納税額が不足している状態で確定申告を怠ると税務署から「無申告」とみなされます。
その場合、本来の税金に加えて無申告加算税や延滞税などのペナルティを課される可能性があります。
必ず期限内に精算(確定申告)を行うようにしましょう。
【学生アルバイト向け】年末調整しないとどうなる?
「学生のバイトでも年末調整って必要なの?」
「103万円以下だから関係ないと思ってた…」
学生アルバイトの方から、このような疑問の声をよく聞きます。
結論からお伝えすると、学生でも給与から税金が引かれていれば年末調整の対象です。
年末調整をしないと、払いすぎた税金が戻ってこないだけでなく、場合によっては親の扶養にも影響が出る可能性があります。
ここでは、学生アルバイトの方が知っておくべき年末調整の基礎知識を分かりやすく解説します。
103万円以下でも年末調整した方がいい理由
「年収103万円以下なら所得税はかからないから、年末調整は関係ないのでは?」
これは多くの学生が抱く疑問ですが、半分正解で半分間違いです。
確かに、年間の給与収入が103万円以下であれば、最終的な所得税は0円になります。
しかし、月単位では税金が引かれているケースが多いのです。
【年末調整した方がいい理由】
| 理由 | 詳細 |
|---|---|
| 月収8万8,000円超で源泉徴収される | 月単位で税金が天引きされている可能性が高い |
| 年間では103万円以下でも月ごとに引かれている | 繁忙期だけ多く働いた場合など |
| 年末調整しないと引かれた税金が戻らない | 数千円〜数万円の損失になることも |
例えば、夏休みや年末年始に集中して働き、ある月だけ月収10万円を超えた場合、その月は所得税が源泉徴収されます。
年間トータルでは103万円以下でも、 月ごとに引かれた税金は自動的には戻ってきません。
年末調整をすることで、1年間の収入を正しく計算し直し、払いすぎた税金を還付してもらえます。
学生が年末調整で提出する書類と書き方
「年末調整の書類が届いたけど、何を書けばいいか分からない…」
学生アルバイトの方が年末調整で提出する書類は、基本的に1〜2枚程度です。
記入する項目も少ないので、それほど難しくありません。
【学生が提出する主な書類】
| 書類名 | 内容 | 必須/任意 |
|---|---|---|
| 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書 | 氏名・住所・扶養家族などを記入 | 必須 |
| 基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書 | 基礎控除の申告(2025年からは特定親族特別控除申告書も兼ねる) | 必須 |
| 保険料控除申告書 | 生命保険料控除などを申告 | 該当者のみ |
【扶養控除等申告書の書き方(学生向け)】
学生アルバイトの場合、記入する箇所は限られています。
- 上部の基本情報
- 氏名、フリガナ、マイナンバー(会社の指示による)
- 住所(住民票の住所)
- 生年月日
- 世帯主の氏名と続柄(例:父、母)
- 勤労学生控除を受ける場合
- 「勤労学生」の欄にチェックを入れる
- 学校名、入学年月日を記入
- ※勤労学生控除を受けると、年収130万円まで所得税がかからなくなります(ただし、103万円を超えると親の扶養からは外れます)
- 扶養親族の欄
- 学生本人が誰かを扶養している場合のみ記入
- 通常は空欄でOK
基本情報を埋めるだけで完了するケースがほとんどです。
分からない箇所があれば、バイト先の担当者に聞けば教えてもらえます。
書類の提出期限は勤務先によって異なりますが、11月〜12月上旬に設定されていることが多いです。
届いたら後回しにせず、早めに記入して提出しましょう。
【パート・扶養内勤務向け】年末調整しないとどうなる?
「扶養内で働いているから、年末調整は関係ないよね?」
「周りのママ友は出してないって言ってたけど、本当に大丈夫?」
扶養内でパート勤務をしている方から、このような疑問をよく聞きます。
結論からお伝えすると、扶養内パートでも年末調整は必要なケースがほとんどです。
年末調整をしないと、払いすぎた税金が戻ってこないだけでなく、翌年の住民税が高くなる可能性もあります。
ここでは、パート・扶養内勤務の方が押さえておくべき年末調整のポイントと、気になる「年収の壁」について詳しく解説します。
扶養内パートでも年末調整は必要?
「年収100万円以下だし、年末調整しなくても問題ないのでは?」
これは多くの扶養内パートの方が持つ疑問ですが、給与から税金が引かれていれば年末調整は必要です。
【扶養内パートでも年末調整が必要な理由】
| 理由 | 詳細 |
|---|---|
| 月収8万8,000円を超えた月があれば源泉徴収されている | 繁忙期や残業が多い月は要注意 |
| 年末調整しないと還付金を受け取れない | 数千円〜1万円程度の還付があるケースも |
| 各種控除が適用されない | 生命保険料控除などが受けられない |
| 翌年の住民税に影響する | 控除が反映されず、住民税が高くなる可能性 |
パート勤務の場合、毎月の収入が一定ではないことも多いでしょう。
普段は月収7万円でも、繁忙期に月収10万円を超える月は所得税の源泉徴収対象。
年末調整により、税金が再計算され、払いすぎた分が戻ってきます。
「周りの人が出していないから大丈夫」と思い込むと危険。
まず、自分の給与明細を確認して所得税が引かれていないかチェックしてみてください。
「所得税」や「源泉徴収税額」の欄に金額が入っていれば、年末調整で還付を受けられる可能性があります。
103万円・130万円・150万円の壁を整理
「103万円の壁とか130万円の壁とか、いろいろあって分からない…」
扶養内で働く方にとって、「年収の壁」は非常に重要なポイントです。
それぞれの壁が何を意味するのか、整理して解説します。
【年収の壁一覧】
| 年収の壁 | 内容 | 超えるとどうなる? |
|---|---|---|
| 100万円の壁 | 住民税が発生する基準(自治体により異なる) | 住民税がかかり始める |
| 103万円の壁 | 所得税が発生する基準 | 所得税がかかり始める。配偶者控除の対象外になる |
| 106万円の壁 | 社会保険加入の基準(従業員51人以上の企業) | 自分で社会保険に加入する必要がある |
| 130万円の壁 | 社会保険の扶養から外れる基準 | 国民健康保険・国民年金に加入し、保険料を自己負担 |
| 150万円の壁 | 配偶者特別控除が満額受けられる上限 | 150万円を超えると控除額が段階的に減る |
| 201万円の壁 | 配偶者特別控除がなくなる基準 | 配偶者の控除が完全になくなる |
【特に注意すべき壁】
扶養内で働く方が最も注意すべきは、130万円の壁です。
年収が130万円を超えると、配偶者の社会保険の扶養から外れます。
その後は、国民健康保険と国民年金への加入が必要です。
保険料は年間20万円〜30万円程度かかるため、手取りが大幅に減る「働き損」になる可能性があります。
例えば、年収129万円と年収135万円を比較すると、135万円の方が手取りが少なくなるケースもあります。
これが「130万円の壁」と呼ばれる理由です。
年末調整を通じて自分の年収を正確に把握し、どの壁を超えそうかを確認しておくことが大切です。
【会社員・正社員向け】年末調整しないとどうなる?
「会社員なら年末調整は会社が勝手にやってくれるんじゃないの?」
「書類を出し忘れたかも…どうなるの?」
正社員や契約社員として働いている方の中には、年末調整は会社任せで自分は何もしなくていいと思っている方もいるかもしれません。
しかし、年末調整には従業員側の書類提出が必要です。
書類を出さなかったり、会社が年末調整をしてくれなかったりすると、さまざまな問題が発生します。
ここでは、会社員・正社員の方が知っておくべき年末調整のポイントを解説。
トラブル時の対処法です。
会社員が年末調整を受けないケースとは
会社員であっても、年末調整を受けられない・受けないケースがあります。
主なパターンは以下の3つ。
【年末調整を受けないケース】
| ケース | 詳細 | 対応方法 |
|---|---|---|
| 書類の提出を忘れた・間に合わなかった | 会社の締め切りまでに必要書類を出せなかった | 1月31日までなら再調整を依頼。間に合わなければ確定申告 |
| 会社が年末調整を実施しない | 小規模企業やワンマン企業で対応してくれない | 会社に義務があることを伝える。最終的には税務署に相談 |
| 年収2,000万円を超えている | 高額所得者は年末調整の対象外 | 自分で確定申告が必要 |
【書類の提出を忘れた場合】
最も多いのが、書類の提出を忘れた・締め切りに間に合わなかったというケースです。
年末調整には以下の書類の提出が必要。
必要な書類
- 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
- 基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書(2025年からは特定親族特別控除申告書も兼ねる)
- 保険料控除申告書
- 住宅借入金等特別控除申告書(住宅ローン控除2年目以降の方)
これらの書類を提出しないと、会社は年末調整を行うことができません。
特に「扶養控除等申告書」を提出していないと、乙欄という高い税率が適用され続けることになります。
【会社が年末調整をしない場合】
まれに、会社が年末調整を実施してくれないケースがあります。
「面倒だから」「よく分からないから」といった理由で対応しない会社は、実は法律違反です。
所得税法により、給与を支払う事業者は従業員の年末調整を行う義務があります。
これは従業員の人数に関係なく、たとえ1人しか雇っていない会社でも同様です。
会社が年末調整してくれない場合の対処法
「うちの会社、年末調整やってくれないんだけど…」
このような状況に陥った場合の対処法を、ステップ順に解説します。
【対処法のステップ】
ステップ1:まずは人事・経理に確認する
年末調整がされていないと感じたら、まずは会社の人事部や経理担当者に確認しましょう。単純に手続きが遅れているだけ、または書類の提出漏れがあるだけかもしれません。
「年末調整の書類を提出したのですが、手続きは進んでいますか?」と確認してみてください。
ステップ2:会社に義務があることを伝える
会社が「年末調整はやらない」「自分で確定申告して」と言ってきた場合は、年末調整は会社の義務であることを伝えましょう。
所得税法第190条により、給与支払者(会社)は年末調整を行う義務があります。
故意に行わない場合は、以下の罰則の対象です。
| 違反内容 | 罰則 |
|---|---|
| 年末調整を故意に行わない | 1年以下の懲役または50万円以下の罰金 |
| 源泉徴収した税金を納付しない | 10年以下の懲役または200万円以下の罰金 |
ステップ3:税務署に相談する
会社に伝えても対応してくれない場合は、会社の所在地を管轄する税務署に相談しましょう。
税務署から会社に対して指導が入ることがあります。
また、会社が源泉徴収票を発行してくれない場合は、税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を提出できます。
届出書を提出すると、税務署が会社に対して源泉徴収票の発行を指導してくれます。
ステップ4:自分で確定申告する
最終的に会社が対応してくれない場合は、自分で確定申告を行うしかありません。
確定申告をすれば、払いすぎた税金の還付を受けることができます。
確定申告には源泉徴収票が必要。
会社が発行してくれない場合は、給与明細を集計して申告することも可能です。
税務署の窓口で相談すれば、対応方法を教えてもらえます。
年末調整の書類を出し忘れた場合
「年末調整の締め切り過ぎちゃった…もう手遅れ?」
書類の提出を忘れてしまった場合でも、すぐに諦める必要はありません。期限によっては、まだ対応できる可能性があります。
【期限別の対応方法】
| 期限 | 対応方法 |
|---|---|
| 会社の締め切り〜12月末 | 人事・経理に相談し、遅れて提出できないか確認 |
| 1月31日まで | 年末調整の再調整(修正)が可能。会社に依頼する |
| 1月31日以降 | 自分で確定申告を行う(2月16日〜3月15日) |
| 確定申告期限後〜5年以内 | 還付申告で払いすぎた税金を取り戻せる |
【1月31日までなら再調整が可能】
年末調整の結果(源泉徴収票など)を税務署や市区町村に提出する期限は1月31日です。
この日までであれば、会社に依頼して年末調整の再調整(修正)をしてもらえる可能性があります。
「書類の提出を忘れていました。今からでも年末調整をお願いできますか?」と、人事・経理担当者に相談してみましょう。
ただし、1月は給与計算や法定調書の作成で経理部門が忙しい時期。
できるだけ早めに相談することが大切です。
【1月31日を過ぎたら確定申告】
1月31日を過ぎてしまった場合は、自分で確定申告を行う必要があります。確
定申告期間は原則として2月16日〜3月15日です。
確定申告をすれば、年末調整を受けた場合と同様に税金の精算が可能。
払いすぎた税金があれば還付を受けられますし、各種控除も適用されます。
【転職・退職者向け】年末調整しないとどうなる?
「年の途中で退職したんだけど、年末調整ってどうなるの?」
「転職したばかりで、前の会社の分も年末調整してもらえる?」
転職や退職をした方にとって、年末調整は特に分かりにくいポイントです。
誰が年末調整をするのか、自分で確定申告が必要なのか、状況によって対応が異なります。
ここでは、転職・退職者の方が押さえておくべき年末調整のルールを解説します。
あわせてよくあるトラブルの対処法も紹介
年の途中で退職した場合の年末調整
「会社を辞めたら、年末調整はどうなるの?」
年の途中で退職した場合、年末調整を受けられるかどうかは12月31日時点の状況によって異なります。
【退職後の年末調整パターン】
| 12月31日時点の状況 | 年末調整 | 対応方法 |
|---|---|---|
| 新しい会社に再就職している | 新しい会社で受けられる | 前職の源泉徴収票を提出 |
| 無職(再就職していない) | 受けられない | 自分で確定申告が必要 |
| 12月中に退職し、その年の給与をすべて受け取った | 退職時に受けられる場合あり | 退職する会社に確認 |
【再就職していない場合は確定申告が必要】
年の途中で退職し、12月31日時点で再就職していない場合は、年末調整を受けることができません。
この場合は、翌年に自分で確定申告を行う必要があります。
確定申告をしないと、以下のような不利益が生じます。
- 払いすぎた所得税が還付されない
- 各種控除(生命保険料控除など)が適用されない
- 翌年の住民税が高くなる可能性がある
退職後に収入がなかった場合、多くのケースで税金の還付を受けられます。
退職した会社から源泉徴収票をもらい、確定申告を忘れずに行いましょう。
【退職時に年末調整を受けられるケース】
以下の条件を満たす場合は、退職時に年末調整を受けられることがあります。
- 12月に支給される最後の給与を受け取ってから退職する場合
- 死亡によって退職した場合
- 著しい心身の障害のために退職し、再就職の見込みがない場合
- パート・アルバイトで退職し、その年の給与総額が103万円以下の場合
該当するかどうか分からない場合は、退職する会社の人事・経理担当者に確認してみてください。
転職した場合の年末調整
「転職したんだけど、前の会社の分はどうなるの?」
年の途中で転職した場合、新しい会社で前職分も含めて年末調整を受けることができます。
転職時の年末調整の流れ
- 前職の会社から源泉徴収票をもらう
- 退職時または退職後1ヶ月以内に発行されるのが一般的
- 届かない場合は前職の会社に連絡して請求
- 新しい会社に源泉徴収票を提出する
- 年末調整の書類と一緒に提出
- 前職の給与・源泉徴収額が新しい会社の年末調整に合算される
- 新しい会社で年末調整が行われる
- 前職分+現職分を合わせて年間の税金が精算される
転職時の年末調整で注意すべきポイントがいくつかあります。
| 注意点 | 詳細 |
|---|---|
| 源泉徴収票の提出が必須 | 前職の源泉徴収票がないと、新しい会社で年末調整ができない |
| 複数回転職した場合 | すべての会社の源泉徴収票が必要 |
| 提出期限に注意 | 新しい会社の年末調整締め切りに間に合わせる |
| 転職が12月の場合 | 年末調整に間に合わないことも。その場合は確定申告で対応 |
源泉徴収票が届かない・もらえない場合の対処法
「前の会社から源泉徴収票が届かないんだけど…」
転職・退職後によくあるトラブルが、前職の会社から源泉徴収票が届かないというケースです。
源泉徴収票がないと、新しい会社で年末調整ができず、確定申告にも支障が出ます。
【源泉徴収票が届かない場合の対処法】
ステップ1:前職の会社に連絡する
まずは前職の会社に連絡し、源泉徴収票の発行を依頼しましょう。
法律上、会社は退職者に対して退職後1ヶ月以内に源泉徴収票を発行する義務があります(所得税法第226条)。
届いていない場合は、単純に発送が遅れているか、届出先の住所に誤りがある可能性があります。
連絡する際は、以下の情報を伝えるとスムーズです。
- 氏名、退職年月日
- 現在の住所(届出先)
- 発行を急いでいる旨
ステップ2:内容証明郵便で請求する
電話やメールで依頼しても対応してもらえない場合は、 内容証明郵便で源泉徴収票の発行を請求しましょう。
内容証明郵便は、送付した内容と日時を郵便局が証明してくれるサービスです。
「〇月〇日までに源泉徴収票を発行してください」と期限を明記して送ることで、会社に対応を促す効果があります。
ステップ3:税務署に届出書を提出する
内容証明郵便を送っても対応してもらえない場合は、税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を提出しましょう。
届出書を提出すると、税務署が会社に対して源泉徴収票の発行を指導してくれます。
届出書は国税庁のホームページからダウンロード可能。
届出書には以下の情報を記入します。
- 届出者(自分)の氏名・住所
- 不交付の源泉徴収票の種類
- 給与の支払者(前職の会社)の名称・所在地
- 不交付の理由
【源泉徴収票がなくても確定申告できる?】
源泉徴収票がどうしても入手できない場合でも、確定申告は可能です。
給与明細が手元にあれば、1年分の給与額と源泉徴収税額を集計して申告できます。
給与明細もない場合は、銀行の振込履歴などを参考に、分かる範囲で申告しましょう。
税務署の窓口で事情を説明すれば、対応方法を教えてもらえます。
確定申告期間は税務署が混雑するため、早めに相談に行くことがおすすめ。
年末調整に関するよくある質問5つ
年末調整についてよく寄せられる質問をまとめました。
疑問や不安がある方は、該当する項目をチェックしてみてください。
年末調整と確定申告は、どちらも所得税を精算するための手続きですが、誰が行うか・いつ行うかが異なります。
【年末調整と確定申告の違い】
| 項目 | 年末調整 | 確定申告 |
|---|---|---|
| 誰が行うか | 会社(勤務先) | 本人 |
| 対象者 | 給与所得者(会社員・パート・アルバイト) | 個人事業主、フリーランス、給与所得者の一部 |
| 時期 | 11月〜12月 | 翌年2月16日〜3月15日 |
| 手続き方法 | 会社に書類を提出するだけ | 自分で申告書を作成し、税務署に提出 |
| 対応できる控除 | 基礎控除、配偶者控除、扶養控除、生命保険料控除、住宅ローン控除(2年目以降)など | 年末調整で対応できる控除+医療費控除、寄附金控除、雑損控除など |
【会社員はどちらをやればいい?】
会社員やパート・アルバイトの方は、原則として年末調整だけでOKです。
勤務先に書類を提出すれば、会社が税金の精算を行ってくれるため、自分で確定申告をする必要はありません。
ただし、以下のケースでは年末調整に加えて確定申告が必要です。
- 医療費控除を受けたい(年間の医療費が10万円を超える場合など)
- ふるさと納税をした(ワンストップ特例を利用しない場合)
- 住宅ローン控除を受ける初年度
- 副業の所得が20万円を超える
- 2箇所以上から給与をもらっている
| 違反内容 | 罰則 |
|---|---|
| 年末調整を故意に行わない | 1年以下の懲役または50万円以下の罰金 |
| 源泉徴収した税金を納付しない(悪質な場合) | 10年以下の懲役または200万円以下の罰金 |
| 年収 | 控除の状況 | 還付金の目安 |
|---|---|---|
| 100万円(学生バイト) | 控除なし | 3,000円〜5,000円程度 |
| 150万円(パート) | 生命保険料控除あり | 5,000円〜15,000円程度 |
| 300万円(会社員) | 生命保険料控除+扶養控除あり | 10,000円〜30,000円程度 |
| 500万円(会社員) | 住宅ローン控除あり | 50,000円〜200,000円以上 |
※上記はあくまで目安です。実際の還付金額は個人の状況によって異なります。
【還付金が発生する仕組み】
毎月の給与から天引きされる源泉徴収税額は、年間の収入が確定する前の概算。
以下のような理由で、実際の税額より多く引かれていることがほとんどです。
- 生命保険料控除や地震保険料控除が反映されていない
- 扶養家族が増えた場合の控除が反映されていない
- 年の途中で収入が減った月がある
年末調整で正確な年間所得と控除額を計算し直すことで、払いすぎた分が還付されます。
【還付金がない・追加徴収されるケース】
逆に、年末調整で還付金がなかったり、追加で税金を徴収されるケースも。
- 年の途中で扶養家族が減った
- 昇給や賞与で年収が想定より増えた
- 源泉徴収額がもともと少なめだった
追加徴収の場合は、12月または1月の給与から差し引かれるのが一般的です。
まとめ:年末調整は「やらないと損」するので必ず対応しよう
年末調整は、毎年11月〜12月に行われる「税金の精算手続き」です。面倒に感じるかもしれませんが、やらないと確実に損をします。
この記事で解説した内容を改めて整理します。
- 払いすぎた所得税が還付されない:数千円〜数万円の損失
- 各種控除が適用されない:生命保険料控除、扶養控除などが無効に
- 翌年の住民税が高くなる:控除が反映されず、税額が増える
- 自分で確定申告する手間が発生する:会社に任せれば済むものが自己負担に
- 無申告のペナルティを受ける可能性:延滞税、無申告加算税など
【年末調整が必要な人】
- 会社員・パート・アルバイトなど、給与をもらっている人
- 給与から所得税が源泉徴収されている人
- 年収103万円以下でも、税金が引かれていれば対象
年末調整は「面倒」ではなく、「払いすぎた税金を取り戻すチャンス」です。
正しく手続きをして、損をしないようにしましょう。
