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お役立ちコラム
2026.02.27
リードブレーン株式会社
テーマ:
【2026年最新】ダブルワークの社会保険はどうなる?加入条件と対処法を解説

近年、パートやアルバイトを掛け持ちする「ダブルワーク」を選ぶ人が増えています。
ダブルワークすれば収入アップや生活費の補填が可能。
しかし、いざダブルワークを始めようとすると、多くの方がこんな疑問を抱えます。
「ダブルワークしたら社会保険はどうなるの?」
「両方の職場で加入しなきゃいけないの?」
「扶養から外れたくないんだけど。」
特に、2024年10月からは社会保険の適用範囲が拡大。
従業員51人以上の企業で働くパート・アルバイトも加入対象になりました。
「今まで対象外だったのに、急に社会保険に入ることになった」
という方も少なくありません。
この記事では、ダブルワーク時の社会保険について以下の内容を徹底解説します。
- 社会保険に加入が必要かどうかの判断基準
- 入りたくない場合の具体的な対処法
- 扶養内で働くための条件と注意点
2025年最新の制度に基づいて、あなたが該当するパターンを具体的に解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
ダブルワークで社会保険はどうなる?3つの加入パターン
ダブルワークをする場合、社会保険(健康保険・厚生年金)の加入パターンは大きく3つ。
どのパターンに該当するかは「各職場で加入条件を満たすかどうか」で決まります。
2社の労働時間や収入を合算して判断するのではなく、
それぞれの職場ごとに条件を満たしているかどうかがポイントです。
まずは3つのパターンの全体像を把握しましょう。
| パターン | 条件 | 社会保険の加入状況 |
|---|---|---|
| ①両方で加入 | A社・B社どちらも条件を満たす | 両方の職場で社会保険に加入(二重加入) |
| ②片方だけ加入 | A社のみ条件を満たす | A社でのみ社会保険に加入 |
| ③どちらも加入しない | A社・B社どちらも条件を満たさない | 社会保険には加入しない |
それぞれのパターンについて詳しく見ていきましょう。
パターン①:両方の職場で社会保険に加入(二重加入)
A社でもB社でも社会保険の加入条件を満たしている場合は、両方の職場で社会保険に加入する必要があります。
これを「二重加入」または「二以上事業所勤務」と呼びます。
- A社:週25時間勤務、月収10万円
- B社:週22時間勤務、月収9万円
上記のケースは、A社B社ともに「週20時間以上」かつ「月収8.8万円以上」です。
どちらの職場も加入条件を満たしているため、両方で社会保険に加入することになります。
二重加入では、2社の収入を合算した金額をもとに社会保険料を計算。
それぞれの給与から按分して天引きします。
また、年金事務所へ「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」の提出が必要です。
パターン②:片方の職場だけで社会保険に加入
どちらか一方の職場だけで加入条件を満たしている場合は、条件を満たす職場でのみ社会保険に加入します。
これが最も多いパターンです。
- A社:週30時間勤務、月収12万円(条件を満たす → 加入)
- B社:週10時間勤務、月収4万円(条件を満たさない → 加入しない)
この場合、A社でのみ社会保険に加入し、B社では加入しません。
ポイントは、社会保険料はA社の収入のみで計算されるということ。
B社の収入を合算して保険料が上がることはありません。
正社員として本業で働きながら、副業でアルバイトをしている方の多くはこのパターンに該当します。
パターン③:どちらの職場でも社会保険に加入しない
どちらの職場でも加入条件を満たさない場合は、社会保険に加入する必要はありません。
- A社:週18時間勤務、月収7万円
- B社:週15時間勤務、月収6万円
この場合、どちらの職場でも「週20時間以上」という条件を満たしていないため、社会保険には加入しません。
ただし「社会保険に加入しない=保険に入らなくていい」というわけではない点に注意してください。
以下のいずれかの対応が必要です。
- 配偶者や親の扶養に入る(年収130万円未満の場合)
- 国民健康保険・国民年金に自分で加入する
特に、2社合算で年収130万円を超えると扶養から外れてしまうため、注意が必要です。
両方の職場で社会保険に加入する場合(二重加入)の仕組みと注意点
A社でもB社でも社会保険の加入条件を満たしている場合、両方の職場で社会保険に加入する必要があります。
これを「二重加入」または「二以上事業所勤務」と呼びます。
「2つの職場で社会保険に入るなんて、保険料が2倍になるの?」
「手続きはどうすればいいの?」
このような疑問を持つ方も多いでしょう。
ここでは二重加入が必要になるケースから、保険料の計算方法、手続きの流れまで詳しく解説します。
二重加入が必要になるケースとは?
二重加入が必要になるのは、A社・B社の両方で社会保険の加入条件を満たしている場合です。
| 項目 | A社 | B社 |
|---|---|---|
| 週の労働時間 | 25時間 | 22時間 |
| 月収 | 10万円 | 9万円 |
| 従業員数 | 100人 | 60人 |
| 雇用期間 | 1年契約 | 6ヶ月契約 |
この場合、A社・B社ともに以下の条件をすべて満たしています。
- 週20時間以上
- 月収8.8万円以上
- 2ヶ月を超える雇用見込み
- 従業員51人以上
そのため、両方の職場で社会保険に加入することになります。
- パートを2社掛け持ちして、どちらも週20時間以上働いている
- 本業で役員をしながら、別の会社でも役員報酬を受けている
- 正社員として働きながら、副業先でも週20時間以上のアルバイトをしている
2024年10月から中小企業(従業員51〜100人)のパートも対象となり、二重加入となるケースが増えています。
二重加入時の社会保険料の計算方法
二重加入の場合、社会保険料は2社の収入を合算した金額をもとに計算されます。
- A社とB社の月収を合算する
- 合算した金額から「標準報酬月額」を決定する
- 標準報酬月額に保険料率をかけて、総額の保険料を算出する
- 各社の報酬に応じて按分し、それぞれの給与から天引きする
【具体的なシミュレーション】
| 項目 | A社 | B社 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 月収 | 10万円 | 9万円 | 19万円 |
| 報酬割合 | 52.6% | 47.4% | 100% |
標準報酬月額19万円の場合、健康保険料と厚生年金保険料の本人負担分は約2.7万円程度です(協会けんぽ・東京都の場合)。
この2.7万円を報酬割合で按分すると、以下のようになります。
| 項目 | A社負担分 | B社負担分 |
|---|---|---|
| 社会保険料(本人負担) | 約14,200円 | 約12,800円 |
保険料は合算した収入で計算されます。
1社だけで働く場合より保険料総額は増えますが、半額は会社負担となるため、将来の年金受給額が増える利点も。
また、保険料は各社の報酬に応じて按分されるため、給与が多い会社からより多く天引きされる仕組みになっています。
二重加入の手続き方法【二以上事業所勤務届】
二重加入になった場合、「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を提出する必要があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 届出書類 | 健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届 |
| 届出者 | 被保険者本人(従業員自身) |
| 届出先 | 選択する事業所を管轄する年金事務所または健康保険組合 |
| 届出期限 | 二重加入の状態になった日から10日以内 |
| 届出方法 | 窓口持参、郵送、電子申請 |
- 2社目の職場で社会保険の加入手続きが行われる
- 被保険者本人が「二以上事業所勤務届」を作成する
- どちらの会社をメインにするか選択する(健康保険証の発行元を決める)
- 選択した事業所を管轄する年金事務所に届出を提出する
- 年金事務所から各事業所に「保険料の按分通知」が届く
- 各社の給与から按分された保険料が天引きされる
届出を怠った場合、法律上、直ちに罰則が科される規定はありません。
しかし、保険料が正しく計算されず後から追加徴収される可能性があるほか、将来の年金額が正確に反映されないおそれもあります。
さらに、未届けの状態が継続し制度の適正な運営を妨げたと判断された場合には、結果的に罰則の対象となる可能性も否定できません。
届出が遅れると、届出日まで遡って保険料をまとめて支払うことになります。
要件に該当した時点で、速やかに届出を行うことが重要です。
届出書類は日本年金機構のホームページからダウンロードできます。
手続きに不安がある場合は、年金事務所や会社の人事部に相談しましょう。
二重加入のメリット・デメリット
二重加入には、メリットとデメリットの両方があります。
| メリット | 内容 |
|---|---|
| 年金受給額が増える | 2社分の報酬で厚生年金を計算するため、将来の年金額が増える |
| 保障が手厚くなる | 傷病手当金や出産手当金の計算基礎となる報酬が増える |
| 会社が半額負担 | 国民健康保険と違い、保険料の半分を会社が負担してくれる |
| デメリット | 内容 |
|---|---|
| 手取りが減る | 合算収入で保険料が計算されるため、天引き額が増える |
| 手続きが面倒 | 自分で届出書類を作成・提出する必要がある |
| 会社にバレる | 届出により、両方の会社にダブルワークの事実が知られる |
特に、会社にダブルワークがバレるという点は、副業禁止の会社で働いている人にとって大きなデメリットです。
二以上事業所勤務届を提出すると、両方の会社に保険料の按分通知が届くため、二重加入した時点でダブルワークは確実に発覚します。
片方の職場だけで社会保険に加入する場合|確定申告は必要?
ダブルワークをしている人の多くは、どちらか一方の職場だけで社会保険に加入するというパターンに該当します。
「本業では社会保険に入っているけど、副業先では入らなくていいの?」
「片方だけ加入の場合、保険料はどうなるの?」
ここでは、片方だけ加入になるケースと保険料や確定申告について解説します。
片方だけ加入になるケースとは?
片方だけ加入になるのは、A社では加入条件を満たすが、B社では満たさない場合です。
| 項目 | A社(本業) | B社(副業) |
|---|---|---|
| 雇用形態 | 正社員 | アルバイト |
| 週の労働時間 | 40時間 | 10時間 |
| 月収 | 25万円 | 4万円 |
| 社会保険 | 加入 | 加入しない |
この場合、A社では正社員としてフルタイム勤務しているため社会保険に加入しますが、
B社では週10時間しか働いていないため加入条件を満たしません。
片方だけ加入になるのは、以下のようなケースです。
典型的なのは、正社員として働きながら週末だけ短時間のアルバイトをしている場合。
また、メインのパート先では週25時間働いているが、サブのパート先では週10時間程度という働き方も該当します。
さらに、本業の会社は従業員100人以上だが、副業先は従業員30人の小規模企業という場合も副業先では加入対象外です。
副業先の労働時間が短い場合や、副業先が小規模企業の場合は片方だけ加入になることが多いと理解しておきましょう。
社会保険料はどうなる?【合算されない】
片方だけ加入の場合、社会保険料は加入している会社の収入のみで計算されます。
これは非常に重要なポイントです。
| 項目 | A社(加入) | B社(非加入) |
|---|---|---|
| 月収 | 25万円 | 4万円 |
| 社会保険料の計算基礎 | 25万円のみ | 含まれない |
この場合、社会保険料はA社の月収25万円をもとに計算されます。
B社の月収4万円は合算されません。
つまり、副業で収入が増えても、副業先で社会保険に加入しない限り社会保険料は変わらないということです。
二重加入の場合は2社の収入を合算して保険料が計算されるため、片方だけ加入の方が保険料負担は軽くなります。
この点は、手取りを重視する人にとって大きなメリットと言えるでしょう。
ただし、社会保険料が変わらない代わりに、副業の収入に対しては厚生年金を積み立てることができません。
そのため、将来の年金受給額への上乗せも無くなる点には注意しましょう。
片方だけ加入の場合の確定申告
片方だけ加入の場合でも、確定申告が必要になるケースが多いです。
年末調整は1社でしか行えません。
2社から給与を受け取っている場合は、原則として確定申告が必要になります。
【確定申告が必要なケース】
| ケース | 確定申告 |
|---|---|
| 副業の給与収入が年間20万円を超える | 必要 |
| 副業の給与収入が年間20万円以下 | 所得税は不要(住民税の申告は必要) |
| 2社とも給与所得で、合計収入が150万円以下 | 不要な場合あり |
多くの場合、副業の収入が年間20万円を超えると確定申告が必要です。
確定申告をしないと、税金の過不足が生じたり、後から追加徴収されたりする可能性があります。
また、確定申告をすることで税金が戻ってくるケースもあります。
副業先で源泉徴収されている場合は、確定申告によって払いすぎた税金が還付されることも。
面倒でも確定申告はしておくことをおすすめします。
副業先の収入が増えたら二重加入になる?
副業先での労働時間や収入が増えると、途中から二重加入になる可能性があります。
社会保険の加入判定は、雇用契約時だけでなく、労働条件が変わったタイミングでも行われるためです。
週10時間・月収4万円の副業先から、シフトが増えて週22時間・月収9万円になった場合、その時点で加入条件を満たすことになります。
また、副業先の会社が成長して従業員数が51人以上になった場合も、新たに加入対象となる可能性があります。
条件を満たした時点で社会保険への加入義務が発生すると考えておくとよいでしょう。
届出は条件を満たした日から10日以内に行う必要があるため、労働条件が変わった場合は早めの確認が必要です。
「知らなかった」では済まされないので、自分の労働時間や収入の変化には常に注意を払ってください。
どちらの職場でも社会保険に加入しないケースとは?注意点を解説
A社でもB社でも社会保険の加入条件を満たさない場合、どちらの職場でも社会保険に加入する必要はありません。
「社会保険に入らなくていいなら、保険は何も入らなくていいの?」
「扶養に入ったままでいられるの?」
このパターンは一見シンプルに見えますが、実は注意すべき落とし穴がいくつかあります。
どちらも加入しないケースとは?
どちらも加入しないのは、A社・B社ともに社会保険の加入条件を満たさない場合です。
| 項目 | A社 | B社 |
|---|---|---|
| 週の労働時間 | 18時間 | 15時間 |
| 月収 | 7万円 | 5万円 |
| 従業員数 | 40人 | 30人 |
| 社会保険 | 加入しない | 加入しない |
この場合、どちらの職場でも「週20時間以上」という条件を満たしていないため、社会保険には加入しません。
このパターンに該当しやすいのは、短時間パートを2社掛け持ちしていて、どちらも週20時間未満という働き方です。
また、どちらの勤務先も従業員50人以下の小規模企業という場合も社会保険に加入しません。
加入条件の「従業員51人以上」を満たさないためです。
単発バイトやタイミーなど、雇用期間が2ヶ月以内の仕事を複数掛け持ちしている場合も同様に加入対象となりません。
社会保険に加入しない場合の注意点
社会保険に加入しない場合でも、何らかの公的医療保険・年金には加入する必要があります。
日本は「国民皆保険」の国。
すべての国民が公的医療保険に加入することが義務付けられています。
社会保険に加入しない場合の選択肢は、主に2つです。
【選択肢①】配偶者や親の扶養に入る
年収が130万円未満であれば、配偶者や親が加入している社会保険の「被扶養者」になれる可能性があります。
被扶養者になれば、健康保険料・年金保険料の自己負担はありません。
【選択肢②】国民健康保険・国民年金に自分で加入する
扶養に入れない場合は、お住まいの市区町村で国民健康保険に加入し、年金事務所で国民年金に加入する必要があります。
この場合、保険料は全額自己負担です。
「社会保険に入らない=保険料を払わなくていい」ではない点に注意してください。
【要注意】130万円を超えると扶養から外れる
どちらの職場でも社会保険に加入しない場合、年収130万円の壁に特に注意が必要です。
社会保険の加入条件は「各職場ごと」に判断されますが、扶養に入れるかどうかは「2社の収入を合算」して判断されます。
| 項目 | A社 | B社 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 年収 | 70万円 | 65万円 | 135万円 |
| 社会保険 | 加入しない | 加入しない | ― |
| 扶養 | ― | ― | 外れる |
この場合、A社・B社ともに社会保険の加入条件を満たしていないため、どちらでも社会保険には加入しません。
しかし、2社の年収を合算すると135万円。
130万円を超えるため扶養からは外れてしまいます。
扶養から外れると、自分で国民健康保険・国民年金に加入する必要があり、
年間で約30万円程度の保険料負担が発生します。
これがいわゆる「社会保険に入れないのに扶養からも外れる」宙ぶらりんの状態です。
この状態は最も損をするパターン。
扶養内で働きたい場合は2社の合計年収が130万円を超えないよう調整する必要があります。
「社会保険に入りたくない」主な理由3選
ダブルワークをする人の中には、「社会保険には入りたくない」と考える方が少なくありません。
「手取りが減るのは困る」
「扶養から外れたくない」
「会社にダブルワークがバレたくない」
なぜ社会保険への加入を避けたいのか、その理由を整理してみましょう。
【理由①】手取りが減るのが嫌
社会保険に加入すると、毎月の給与から健康保険料と厚生年金保険料が天引きされます。
例えば、月収10万円の場合、本人負担の社会保険料は約1.5万円程度です。
月収15万円なら約2.2万円、月収20万円なら約3万円が天引きされることになります。
せっかくダブルワークで収入を増やしても、社会保険料で手取りが減ってしまうのは避けたいですよね。
特に、生活費を少しでも増やしたい方にとっては大きな悩みとなります。
【理由②】扶養から外れたくない
配偶者の扶養に入っている方にとって、社会保険への加入は「扶養から外れる」ことを意味します。
扶養内であれば、健康保険料・年金保険料の自己負担はゼロです。
しかし、社会保険に加入すると扶養から外れ、自分で保険料を支払う必要があります。
さらに、社会保険に加入できない場合でも、年収130万円を超えると扶養外に。
その場合は国民健康保険・国民年金に加入することになり、年間約30万円程度の保険料負担が発生します。
「今のまま扶養内で働き続けたい」という理由から、社会保険への加入を避けたいと考える方は非常に多いです。
【理由③】会社にダブルワークがバレたくない
本業の会社が副業禁止または届出制の場合、社会保険の二重加入によってダブルワークがバレることを恐れる方も多いです。
二重加入になると「二以上事業所勤務届」を提出する必要があり、両方の会社にダブルワークの事実が通知されます。
届出書類が両方の会社に共有されるため、隠し通すことは不可能です。
副業がバレた場合、就業規則違反として減給や解雇などの処分を受ける可能性もあります。
そのため、「バレたくないから社会保険には入りたくない」という理由は切実な問題です。
社会保険に入りたくない場合の対処法5つ
社会保険に入りたくない理由は様々ですが、合法的に加入を回避する方法はあります。
ポイントは、社会保険の加入条件を満たさないように働き方を調整することです。
ここでは、具体的な対処法を5つ紹介します。
【具体策①】週の労働時間を20時間未満に抑える
社会保険の加入条件の一つに「週の所定労働時間が20時間以上」というものがあります。
つまり、週の労働時間を20時間未満に抑えれば、社会保険に加入する必要はありません。
各職場で週19時間以下になるようにシフトを調整しましょう。
例えば、1日4時間×週4日=16時間、または1日5時間×週3日=15時間といった働き方であれば、20時間未満となります。
「所定労働時間」とは、雇用契約で定められた労働時間のことです。
残業で20時間を超えた場合でも、契約上の所定労働時間が20時間未満であれば、原則として加入対象にはなりません。
ただし、常態的に20時間以上働いている場合は、実態に基づいて判断される可能性があるため注意しましょう。
勤務先に「社会保険に入りたくないので、週20時間未満でシフトを組んでほしい」と相談してみるのも一つの方法です。
人手不足の職場では難しいかもしれませんが、希望を伝えることで調整してもらえるケースもあります。
【具体策②】月収を88,000円未満に抑える
社会保険の加入条件には「月額賃金が88,000円以上」というものもあります。
月収を88,000円未満(年収約106万円未満)に抑えれば、社会保険への加入を回避できます。
時給1,000円の場合、月88時間未満の勤務であれば条件を満たしません。
週に換算すると約22時間未満。
時給1,200円の場合は、月73時間未満(週約18時間未満)が目安です。
ここで注意したいのは、月収88,000円には交通費は含まれないという点。
通勤手当を除いた基本給や各種手当の合計が88,000円未満であれば、条件を満たしません。
ただし、賞与や残業代は含まれる場合があるため、毎月の収入が安定しない場合は注意が必要です。
【具体策③】従業員50人以下の企業を選ぶ
2024年10月から、従業員51人以上の企業で働くパート・アルバイトが社会保険の加入対象になりました。
逆に言えば、従業員50人以下の企業で働けば、他の条件を満たしていても社会保険に加入する必要はありません。
従業員数は「厚生年金の被保険者数」でカウントされます。
正社員だけでなく、社会保険に加入しているパート・アルバイトも対象です。
社会保険に加入していないパート・アルバイトはカウントされません。
ダブルワーク先を探す際は、個人経営の店舗や小規模な会社を選びましょう。
社会保険への加入を避けられる可能性が高まります。
求人情報で従業員数を確認するか、面接時に確認すると良いですよ。
ただし、今後さらに適用範囲が拡大される可能性があります。
将来的には従業員数の要件が撤廃される議論も進んでいるため、永続的な対策とは言えない点には留意してください。
【具体策④】単発バイト・タイミーを活用する
社会保険の加入条件には「2ヶ月を超える雇用見込みがある」というものがあります。
雇用期間が2ヶ月以内の短期・単発の仕事であれば、社会保険に加入する必要はありません。
イベントスタッフや引越しの手伝い、試験監督、工場の短期派遣などが該当します。
近年人気のタイミーやシェアフルなどのスキマバイトアプリも単発仕事が多いため、社会保険の対象外となるケースが多いです。
ただし、同じ事業所で繰り返し働く場合、実態として「継続的な雇用関係」と判断される可能性には注意しましょう。
例えば、タイミーで繰り返し同じ店舗に場合、「2ヶ月を超える雇用見込みがある」と判断されるリスクがあります。
単発バイトを活用する場合は、同じ事業所に継続して入りすぎないように注意してください。
【具体策⑤】業務委託(フリーランス)として働く
社会保険は「雇用されている労働者」が対象です。
業務委託契約やフリーランスとして働く場合、雇用関係がないため社会保険の対象外となります。
- フードデリバリー(Uber Eatsなど)
- クラウドソーシング(ライティング、デザイン、プログラミングなど)
- 個人事業主としての業務請負など
これらは雇用契約ではなく業務委託契約となるため、社会保険に加入する必要はありません。
業務委託であれば、収入が増えても社会保険に加入する必要がなく、会社にバレるリスクも低くなります。
副業禁止の会社で働いている人にとっては、有力な選択肢と言えるでしょう。
ただし、業務委託でも「実態が雇用と同じ」と判断された場合は、社会保険の対象となる可能性があります。
- 指揮命令を受けて働いている
- 勤務時間が固定されている
- 他の仕事を断れない
などの場合、雇用関係とみなされるリスクがあるため注意が必要です。
扶養内でダブルワークするための条件【130万円・106万円の壁】
ダブルワークをする方の多くが気にするのが「扶養」の問題です。
「ダブルワークしても扶養内でいられる?」
「106万円の壁と130万円の壁って何が違うの?」
「扶養を外れたらどれくらい損するの?」
特にパート主婦の方にとって、扶養から外れるかどうかは手取り額に大きく影響する重要なポイント。
ここでは、扶養の仕組みと「年収の壁」について詳しく解説します。
扶養には「税金の扶養」と「社会保険の扶養」がある
「扶養」と一口に言っても、実は2種類の扶養があります。
この違いを理解していないと、思わぬ損をしてしまう可能性があります。
| 種類 | 内容 | 基準となる年収 |
|---|---|---|
| 税金の扶養 | 配偶者控除・配偶者特別控除の対象になる | 103万円〜201万円 |
| 社会保険の扶養 | 配偶者の健康保険・年金の被扶養者になる | 130万円未満 |
税金の扶養は、配偶者の所得税・住民税を軽減する制度です。
妻の年収が103万円以下なら配偶者控除(38万円)が適用。
103万円を超えても201万円以下なら配偶者特別控除が段階的に適用されます。
社会保険の扶養は、配偶者の健康保険・厚生年金の被扶養者になる制度です。
被扶養者であれば、健康保険料・年金保険料の自己負担はありません。
年収130万円未満が条件です。
ダブルワークで特に注意すべきなのは社会保険の扶養。
年収130万円を超えると扶養から外れ、自分で保険料を支払うため、手取りが大きく減ってしまいます。
【106万円の壁】パート先の社会保険に加入する基準
「106万円の壁」とは、パート先の社会保険に加入するかどうかの基準です。
年収106万円(月収約8.8万円)以上かつ他の加入条件を満たす場合、パート先の社会保険に加入することになります。
【106万円の壁のポイント】
106万円壁は「各職場ごと」に判断されます。
ダブルワークで2社から収入を得ていても、A社とB社の収入を合算して判断するわけではありません。
例えばA社で年収80万円、B社で年収70万円の場合、合計は150万円です。
しかし、各職場では106万円未満のため、どちらの職場でも社会保険に加入する必要はありません。
つまり、収入を2社に分散させることで、106万円の壁を回避できる可能性があります。
ただし、106万円の壁を超えて社会保険に加入する場合、保険料の半分は会社負担です。
将来の年金も増えるため、必ずしも損とは言えません。
【130万円の壁】夫の扶養から外れる基準
「130万円の壁」とは、配偶者の社会保険の扶養から外れるかどうかの基準です。
年収130万円以上になると、配偶者の扶養から外れ、自分で健康保険・年金に加入する必要があります。
【130万円の壁のポイント】
130万円の壁は「2社の収入を合算」して判断されます。
106万円の壁とは異なり、ダブルワークの場合は全ての収入を合計した金額で判定されます。
例えばA社で年収80万円、B社で年収60万円の場合、合計140万円。
130万円を超えるため扶養から外れます。
130万円の壁を超えると、以下のいずれかの対応が必要です。
①パート先の社会保険に加入する
各職場で社会保険の加入条件を満たしていれば、パート先の社会保険に加入します。
保険料は会社と折半です。
②国民健康保険・国民年金に加入する
どちらの職場でも社会保険の加入条件を満たさない場合、国民健康保険・国民年金に自分で加入します。
保険料は全額自己負担となり、年間約30万円程度かかります。
②のパターンが最も損をするケースです。
社会保険のような会社負担がなく、保険料が全額自己負担になります。
ダブルワークで社会保険に加入するメリット・デメリット
ここまで社会保険の加入条件や回避方法について解説してきました。
ここからは、「社会保険に加入すること自体は損なのか?」という点についても考えてみましょう。
実は、社会保険への加入にはデメリットだけでなくメリットも多くあります。
短期的な手取りだけでなく、長期的な視点で判断することが大切です。
社会保険に加入するメリット
社会保険に加入することで得られるメリットは、主に4つあります。
【メリット①】将来の年金受給額が増える
厚生年金に加入すると、国民年金(基礎年金)に加えて「厚生年金」を受け取れるようになります。
いわゆる「2階建ての年金」です。
例えば、月収10万円で10年間厚生年金に加入した場合、65歳からの年金受給額は年間約6.5万円増えると言われています。
20年間加入すれば約13万円、30年間なら約19.5万円の上乗せです。
老後の生活を考えると、厚生年金に加入しておくことは大きなメリットと言えます。
【メリット②】保険料の半分を会社が負担してくれる
社会保険の保険料は、会社と従業員が折半で負担します。
つまり、保険料の半分は会社が払ってくれるのです。
国民健康保険・国民年金の場合は全額自己負担ですから、同じ保障を得るためのコストは、社会保険の方が安くなります。
例えば、月収10万円の場合の保険料を比較すると、社会保険の本人負担は約1.5万円です。
一方、国民健康保険・国民年金では約2.5万円程度かかります(地域や所得によって異なります)。
【メリット③】傷病手当金・出産手当金がもらえる
社会保険(健康保険)には、国民健康保険にはない手厚い保障があります。
傷病手当金は、病気やケガで働けなくなった場合に、給与の約3分の2が最長1年6ヶ月支給される制度。
出産手当金は、出産前後に給与の約3分の2が支給される制度です。
これらの保障は国民健康保険にはありません。
万が一の時の備えとして、社会保険の保障は非常に心強いものです。
【メリット④】手続きが簡単
社会保険に加入していれば、保険料は給与から天引きされるため、自分で支払いの手続きをする必要がありません。
国民健康保険・国民年金の場合は、自分で市区町村や年金事務所に届出をし、保険料を支払います。
払い忘れによる延滞金や督促のリスクにも注意が必要です。
手続きの手間を考えると、社会保険の方が楽だと言えるでしょう。
社会保険に加入するデメリット
一方で、社会保険に加入することのデメリットもあります。
【デメリット①】毎月の手取りが減る
社会保険に加入すると、給与から保険料が天引きされます。
月収10万円の場合、約1.5万円が天引きされ、手取りは約8.5万円に。
今すぐ使えるお金を増やしたい人にとっては、毎月の手取りが減ることは大きなデメリットです。
特に生活費を補うためにダブルワークをしている場合、目先の手取り減少は痛手となります。
【デメリット②】扶養から外れる
配偶者の扶養に入っていた人が社会保険に加入すると、扶養から外れることになります。
扶養内であれば保険料負担はゼロです。
しかし、社会保険の加入後は自分で保険料を負担することになります。
また、配偶者の会社から支給されていた「扶養手当」がなくなるケースもあります。
【デメリット③】二重加入の場合は手続きが面倒
2社で社会保険に加入する場合(二重加入)は、「二以上事業所勤務届」を自分で届出する必要があります。
届け出を怠ると、後から保険料を追加徴収されることも。
最悪の場合、事業主と従業員双方に法的な罰則が科せられる可能性もあるため注意しましょう。
また、二重加入すると両方の会社にダブルワークの事実が通知されます。
副業を隠したい人にとっては大きなデメリットです。
【結論】長期的には加入した方が得なケースが多い
メリットとデメリットを比較すると、長期的に見れば社会保険に加入した方が得になるケースが多いと言えます。
短期的には手取りが減る点はデメリットです。
しかし、将来の年金増額や会社の保険料負担、手厚い保障などを考慮するとトータルではプラスになることが多いと言えます。
ただし、以下のような場合は加入を避けた方がよいでしょう。
- あと数年で退職予定の場合(厚生年金の上乗せ効果が小さい)
- 配偶者の扶養手当が高額な場合(扶養を外れると世帯収入が減る可能性)
- 年収130万円〜160万円のゾーンに入る場合(手取りが最も減るゾーン)
自分の状況に合わせて、加入するかどうかを判断してください。
迷った場合は、年金事務所や社会保険労務士に相談することをおすすめします。
ダブルワークの社会保険に関するよくある質問6選
ダブルワークと社会保険に関して、よく寄せられる質問にお答えします。
月収88,000円(年収約106万円)は、社会保険の加入条件の一つです。
ただし、88,000円を超えただけで即座に加入となるわけではありません。
社会保険に加入するには、以下の5つの条件をすべて満たす必要があります。
・週の所定労働時間が20時間以上
・月額賃金が88,000円以上
・2ヶ月を超える雇用見込みがある
・学生ではない
・従業員51人以上の企業で働いている
月収が88,000円を超えていても、週の労働時間が20時間未満であったり、従業員50人以下の企業であれば社会保険には加入しません。
| パターン | 状況 |
|---|---|
| 両方で加入(二重加入) | A社・B社どちらも加入条件を満たす |
| 片方だけ加入 | どちらか一方だけ加入条件を満たす |
| どちらも加入しない | A社・B社どちらも加入条件を満たさない |
ポイントは各職場ごとに条件を満たしているかどうかで決まるという点です。
社会保険の扶養に入り続けるためには、年収130万円未満である必要があります。
月収に換算すると約10.8万円です。
社会保険に加入したくない場合は、それぞれの職場で月収88,000円未満、週20時間未満に抑える必要があります。
扶養を気にしない場合は、稼ぐ金額に上限はありません。
ただし、各職場で加入条件を満たせば社会保険に加入することになります。
社会保険に入らなくてもいいのは、以下のいずれかに該当する場合です。
・各職場での週の労働時間が20時間未満
・各職場での月収が88,000円未満
・雇用期間が2ヶ月以内
・学生である
・従業員50人以下の企業で働いている
これらの条件のうち1つでも満たしていれば、その職場では社会保険に加入する必要はありません。
片方の職場だけで条件を満たす場合は、その職場でのみ加入します。
両方で条件を満たす場合は、両方の職場で社会保険に加入し、「二以上事業所勤務届」の届出が必要です。
二重加入の場合、どちらの健康保険証を使うかは自分で選択できます。
一般的には、収入が多い方(メインの勤務先)を選ぶことが多いです。
例えばA社で週15時間、B社で週12時間働いている場合、合計は週27時間です。
しかし、各職場では20時間未満のため、どちらでも社会保険に加入する必要はありません。
一方、A社で週22時間、B社で週18時間の場合。
A社では20時間以上なので加入条件を満たす可能性があります(他の条件も満たす場合)。
B社は20時間未満なので加入対象外です。
まとめ:ダブルワーク社会保険の重要ポイントをおさらい
ダブルワークの社会保険について、加入条件から対処法まで詳しく解説してきました。
最後に、この記事の重要なポイントを振り返りましょう。
この記事でお伝えした内容を5つのポイントにまとめます。
- 社会保険の加入は「各職場ごと」に判断される:2社の労働時間や収入を合算するのではなく、それぞれの職場で条件を満たすかどうかで決まります。
- 加入条件は5つ:週20時間以上、月収8.8万円以上、2ヶ月超の雇用見込み、学生でない、従業員51人以上の企業。すべてを満たすと加入対象です。
- 扶養の判定は「2社合計」:社会保険の加入条件とは異なり、扶養に入れるかどうかは2社の収入を合算して判断されます。年収130万円を超えると扶養から外れます。
- 入りたくない場合は働き方を調整:週20時間未満、月収8.8万円未満、従業員50人以下の企業を選ぶ、単発バイトや業務委託を活用するなどの方法があります。
- 長期的には加入した方が得なケースが多い:将来の年金増額、会社の保険料負担、手厚い保障を考えると、社会保険への加入はメリットも大きいです。
ダブルワークの社会保険は、個人の状況によって最適な選択が異なります。
「自分のケースはどうなるの?」「扶養内で働くべきか、思い切って稼ぐべきか」など、
判断に迷った場合は、専門家に相談することをおすすめします。
| 相談先 | 相談内容 |
|---|---|
| 年金事務所 | 社会保険の加入条件、届出手続き、年金の見込み額など |
| 市区町村の窓口 | 国民健康保険、国民年金の手続きなど |
| 税務署・税理士 | 確定申告、住民税に関することなど |
| 社会保険労務士 | 社会保険全般、働き方の相談など |
| ファイナンシャルプランナー | 扶養を外れた場合の家計シミュレーションなど |
特に、年収130万円前後で働いている方や二重加入になりそうな方は、事前に専門家に相談しておくと安心です。
