COLUMN
お役立ちコラム
2020.03.12
リードブレーン株式会社
テーマ:
【コラム】友人仲間数名で共同事業を行う中小企業に適した機関設計は?
友人仲間数名で共同事業を行う中小企業に適した機関設計は?
事例
私を含め友人と5人程で会社を設立し、新たな事業を行うことを計画中です。
新たな会社を設立する際、このような会社に適した機関設計としてどのようなものが考えられるのでしょうか。
ポイント
実務解説
非公開の取締役会設置会社が適しているといえるでしょう。
友人仲間相互の役割
友人仲間の関係、経営に当たる者、出資(資金提供)だけ行う者がいるなど種々の事情を考慮して適切な機関設計を考える必要があります。また、友人同士という関係から、株主の譲渡を制限し、会社経営にとって好ましくない者が株主となることを防ぐことも必要でしょうから、非公開会社で当初は出発することが考えられます。
取締役となる者の人数
非公開会社は、最低限の機関として株主総会と取締役1名を置けば足ります(会社326①)。取締役会を置くときは取締役が3名以上必要となります(会社331⑤)。取締役が3名以上であっても取締役会を置かなければならないということではありません。取締役会を置かない場合、取締役が業務執行権を有し(会社348①)、取締役が2名以上ある場合には、原則として取締役の過半数をもって決定することになり(会社348②)、一定の事項については、その決定を各取締役に委任できないとされています(会社348③)。取締役が2名では意見が分かれたときには業務執行に支障が生ずるおそれがありますし、3名以上では、取締役会を設置し、その合議によって決した方が情報の共有化、相互の監視という意味でも便宜であるといえるでしょう。もっとも、取締役会を設置したときは、監査役ないし会計参与を置かなくてはなりません(会社327②)。出資はしても経営にはタッチしたくない者にとっては、経営の監視という点から、監査役を置く意義はあるでしょう。
経営の中心となる特定の者がいるのか
友人仲間のうちで、資金力のある者・ない者、経営手腕のある者・ない者、新事業に参加はしたいが役員となって責任を負うことは回避したいと考えている者がいることも考えられます。経営手腕のある者が複数いるときは、先々会社経営をめぐる主導権争いが生ずるおそれがあることも考慮しなければならないでしょう。このような点を考慮すると、取締役会を設置して、取締役会の決議により、代表取締役の選定・解職ができるようにしておいた方がよいと思われます。
友人同士といえども会社の経営に関しては、シビアな面を持ち合わせていなければなりません。また、その関係性からなれ合いや不正が起こらないよう、互いに監視の目を持つ、更には外部からの第三者の目線を入れることも健全な経営管理を保つうえで大切になってくるかもしれません。