COLUMN

お役立ちコラム

2019.09.13

リードブレーン株式会社

テーマ:

【コラム】合弁会社の設立は?

合弁会社の設立は?

事例

A社とB社は合弁会社を設立し共同生産工場を造ろうとしています。会社を設立するに当たって、どのようなことを取り決めておいたらよいでしょうか。また設立方法としてどのような方法が効率的でしょうか。

ポイント

実務解説

合弁会社は、利害が対立する可能性のある複数株主の意向が強く反映されることになるので、設立時のみならず、その後の運営、特に役員の選任方法、解消の方法等についてまで株主間契約で定めておく必要があります。

基本合意

合弁会社を作る場合、株主間で事業性について検討し基本的なコンセプトを定めることになります。大きなプロジェクトではこの段階で守秘義務契約、基本合意覚書等契約書が交わされることになります。

この段階で事業の概要・出資金額・持ち株比率・経営権等基本事項に関する取決めがなされます。

 株主間契約

両社が合弁会社設立で合意すると、さらに詳細について定めることになります。株式会社を設立する場合、株主は原則として役員船員という形で合弁会社をコントロールすることになるので、役員選任方法についての定めは重要になります。具体的にはA社推薦役員何名、B社推薦役員何名、というようなことです。

また、合弁の解消方法も決めておかなければなりません。A社又はB社の合弁会社に対する考え方が変更された場合合弁を解消する必要が生じます。

通常譲渡制限を付した上で、会社の運営継続を希望する相手方に先買い権を与えるという方法がとられます。

種類株式の活用

株主間契約では、万が一契約に反して会社法上の権利行使を一方の株主が強行した場合、例えば自派で役員を固めてしまうなど、損害賠償の問題を生ずるにしても、会社法上の効力は基本的に有効です。

そこでこうした事態にも対応できるよう、役員選任権付き種類株式(会社108①九)その他の種類株式の活用も考えられます。

設立手続

募集手続の手間を考えると発起設立が妥当であり、詳細な合意がなされているのであれば発起人の役割は形式的なものになるので信頼の置けるもの1名を発起人に選任すれば足りる場合が多いでしょう。

 


国内の合弁会社は、一度は名前を聞いたことのある会社が多数存在します。合弁会社は複数の会社の考え方や価値観が反映されるため、トラブルに発展する可能性を秘めてはいますが、色々な考えが合わさってよりいいものを作れるという長所があり、そこが最大の魅力といえます。

ピックアップ