COLUMN
お役立ちコラム
2020.07.31
リードブレーン行政書士法人
テーマ:
新たな外国人材の受入れに向けた取り組み:在留資格 「特定技能」
在留資格「特定技能」の創設
中小・小規模事業者をはじめとした深刻化する人手不足に対応するため、生産性向上や国内人材の確保のための取組を行っても、なお人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野において、一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人を受け入れていく仕組みを構築するため、第197回国会(臨時会)において、在留資格「特定技能1号」及び「特定技能2号」の創設、出入国在留管理庁の設置等を目的とした「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案」が提出され、同法律(平成30年法律第102号)は2018年12月8日に成立、同月14日に公布され、2019年4月1日から施行されました。
在留資格「特定技能」について
特定技能1号のポイント
- 在留期間:1年、6か月又は4か月ごとの更新、通算で上限5年まで
- 技能水準:試験等で確認(技能実習2号を修了した外国人は試験等免除)
- 日本語能力水準:生活や業務に必要な日本語能力を試験等で確認(技能実習2号を修了した外国人は試験等免除)
- 家族の帯同:基本的に認めない
- 受入れ機関又は登録支援機関による支援の対象
特定技能2号のポイント
- 在留期間:3年、1年又は6か月ごとの更新
- 技能水準:試験等で確認
- 日本語能力水準:試験等での確認は不要
- 家族の帯同:要件を満たせば可能(配偶者、子)
- 受入れ機関又は登録支援機関による支援の対象外
受入れ機関と登録支援機関について
受入れ機関
1.受入れ機関が外国人を受け入れるための基準
①外国人と結ぶ雇用契約が適切(例:報酬額が日本人と同等以上)
②機関自体が適切(例:5年以内に出入国・労働法令違反がない)
③外国人を支援する体制あり(例:外国人が理解できる言語で支援できる)
④外国人を支援する計画が適切(例:生活オリエンテーション等を含む)
2.受入れ機関の義務
①外国人と結んだ雇用契約を確実に履行(例:報酬を適切に支払う)
②外国人への支援を適切に実施
→支援については、登録支援機関に委託も可。全部委託すれば1③も満たす。
③出入国在留管理庁への各種届出
(注)①~③を怠ると外国人を受け入れられなくなるほか、出入国在留管理庁から指導、改善命令を受けることがある。
登録支援機関について
1.登録を受けるための基準
①機関自体が適切(例:5年以内に出入国・労働法令違反がない)
②外国人を支援する体制あり(例:外国人が理解できる言語で支援できる)
2.登録支援機関の義務
①外国人への支援を適切に実施
②出入国在留管理庁への各種届出
(注)①②を怠ると登録を取り消されることがある。
登録支援機の登録は、非営利法人、営利法人(株式会社など)、法人格のない団体も登録支援機関になることができます。
支援内容としては、生活に必要な契約の支援、住宅確保の支援、日本人との交流促進、労働関連法令違反の通報など多岐にわたります。即戦力として向かい入れるのですから、安心して仕事に取り掛かれるよう、手厚い支援が求められるのですね。