COLUMN
お役立ちコラム
2026.02.04
リードブレーングループ
テーマ:
特定扶養控除とは?大学生の年収はいくらまで?150万円の壁を徹底解説

「子供がバイトで稼ぎすぎると、親の税金が増えるって本当?」
「150万円まで大丈夫って聞いたけど、本当にそうなの?」
大学生の子供を持つ親御さんや、アルバイトで収入を得ている学生の皆さんにとって、「扶養控除」と「年収の壁」は避けて通れないテーマです。
2025年の税制改正により、大学生の扶養に関するルールが大きく変わりました。
これまでの「103万円の壁」は実質的に緩和され、年収150万円までなら親の控除額63万円が維持されるようになっています。
しかし、「特定扶養控除」と「特定親族特別控除」の違いや、税金と社会保険の扶養の違いなど…
複雑なポイントも多く、正しく理解していないと損をしてしまうケースもあります。
この記事では、特定扶養控除について解説します。
- 2025年の改正内容
- 親の税金シミュレーション
- 学生が知っておくべき年収の壁
- 年末調整の書き方
【結論】大学生は年収150万円まで稼いでも親の控除は維持される
「結局、子供はいくらまで稼いで大丈夫なの?」
多くの方が気になるこの疑問に、まず結論からお答えします。
2025年からの新ルールをひと目で理解
2025年の税制改正により、19歳〜22歳の大学生年代は年収150万円まで稼いでも、親は63万円の控除を受けられるようになりました。
これまでは「103万円の壁」と呼ばれ、子供のアルバイト年収が103万円を1円でも超えると、親の特定扶養控除(63万円)がゼロになっていました。
そのため、多くの学生が年末に働く時間を減らして調整していたのです。
2025年からは以下のように変わりました。
| 項目 | 改正前(〜2024年) | 改正後(2025年〜) |
|---|---|---|
| 親が63万円控除を受けられる子の年収上限 | 103万円 | 150万円 |
| 控除がゼロになる子の年収 | 103万円超 | 188万円超 |
| 適用される控除の種類 | 特定扶養控除のみ | 特定扶養控除 + 特定親族特別控除 |
大学生が年収150万円まで稼いでも、親の税金は従来どおり63万円分の控除が受けることが可能です。
さらに、150万円を超えても188万円までは段階的に控除が減る仕組みになっています。
そのため「ちょっと超えただけで大損」という事態を避けられるようになりました。
-
- ◎ 年収123万円まで:従来の「特定扶養控除」が適用(控除額63万円)
- ◎ 年収123万円超〜150万円:新設の「特定親族特別控除」が適用(控除額63万円)
- ◎ 年収150万円超〜188万円:控除額が段階的に減少
- ◎ 年収188万円超:控除なし
【早見表】大学生の年収と親の控除額一覧(2025年〜)
「具体的にいくら稼いだら、親の控除額はどうなるの?」と気になるところですよね。
以下の早見表で、大学生(19歳〜22歳)の年収と親が受けられる控除額の関係を確認しましょう。
【2025年〜】大学生の年収別・親の控除額一覧(所得税)
| 大学生の年収(給与収入) | 親の控除額(所得税) | 適用される控除 |
|---|---|---|
| 〜123万円 | 63万円 | 特定扶養控除 |
| 123万円超〜150万円 | 63万円 | 特定扶養控除 |
| 150万円超〜155万円 | 51万円 | 特定親族特別控除 |
| 155万円超〜160万円 | 41万円 | 特定親族特別控除 |
| 160万円超〜165万円 | 31万円 | 特定親族特別控除 |
| 165万円超〜170万円 | 21万円 | 特定親族特別控除 |
| 170万円超〜175万円 | 11万円 | 特定親族特別控除 |
| 175万円超〜180万円 | 6万円 | 特定親族特別控除 |
| 180万円超〜185万円 | 4万円 | 特定親族特別控除 |
| 185万円超〜188万円 | 2万円 | 特定親族特別控除 |
| 188万円超 | 0円 | 控除なし |
※住民税の控除額は上記と異なります(最大45万円)
-
- ◎ 年収150万円までは満額63万円控除
子供が123万円を超えて稼いでも、150万円までなら親の控除額は変わりません。 - ◎150万円を超えても段階的に減少
「150万円を1円超えたら控除ゼロ」ではなく、188万円まで段階的に控除が減る仕組みです。 - ◎188万円を超えると控除ゼロ
子供の年収が188万円を超えると、親は控除を受けられなくなります。
- ◎ 年収150万円までは満額63万円控除
そもそも特定扶養控除とは?基本をわかりやすく解説
「特定扶養控除って、普通の扶養控除と何が違うの?」
特定扶養控除は、大学生年代の子供を持つ親の税負担を軽減するための制度です。
ここでは、制度の基本をわかりやすく解説します。
特定扶養控除の定義と対象者
特定扶養控除とは、19歳以上23歳未満の扶養親族がいる場合に受けられる所得控除です。
通常の扶養控除よりも控除額が大きく設定されており、大学生や専門学校生を持つ家庭の税負担を軽くする目的で設けられています。
特定扶養親族の要件(すべて満たす必要あり)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 年齢 | その年の12月31日時点で19歳以上23歳未満 |
| 所得 | 合計所得金額が58万円以下(給与収入のみなら年収123万円以下) |
| 続柄 | 納税者の親族(6親等内の血族、3親等内の姻族) |
| 生計 | 納税者と生計を一にしていること |
| 他の扶養 | 他の人の扶養親族になっていないこと |
| 事業専従者 | 青色・白色事業専従者でないこと |
よくある誤解:「大学生」である必要はない
「特定扶養控除=大学生の控除」と思われがちですが、実際には大学生かどうかは関係ありません。
判定基準はあくまで「年齢」と「所得」です。
そのため、以下のような方も対象になります。
- 専門学校生
- 浪人生
- フリーター(19〜22歳で所得要件を満たす場合)
- 休学中の学生
23歳以上の大学院生や、22歳を超えて在学中の学生は特定扶養親族には該当しません。
控除額は所得税63万円・住民税45万円
特定扶養控除の控除額は、通常の扶養控除よりも大きく設定されています。
扶養控除の種類と控除額比較
| 扶養親族の区分 | 年齢 | 所得税の控除額 | 住民税の控除額 |
|---|---|---|---|
| 年少扶養親族 | 16歳未満 | 0円(控除なし) | 0円 |
| 一般の控除対象扶養親族 | 16歳以上19歳未満 | 38万円 | 33万円 |
| 特定扶養親族 | 19歳以上23歳未満 | 63万円 | 45万円 |
| 一般の控除対象扶養親族 | 23歳以上70歳未満 | 38万円 | 33万円 |
| 老人扶養親族(同居) | 70歳以上 | 58万円 |
45万円 |
| 老人扶養親族(同居以外) | 70歳以上 | 48万円 | 38万円 |
なぜ特定扶養親族の控除額は大きいのか?
19歳〜22歳は、多くの場合、大学や専門学校に通う時期です。
この時期は以下のような経済的負担が重なります。
- 大学の授業料(国公立で年間約54万円、私立で年間約100万円以上)
- 一人暮らしの場合の仕送り
- 教科書代・教材費
- 通学費用
教育費の負担が大きい時期に、親の税負担を軽減する目的。
したがって、通常より25万円多い63万円の控除が設定されているのです。
- 親の所得税率が10%の場合:
特定扶養控除63万円 × 10% = 6.3万円の節税 - 親の所得税率が20%の場合:
特定扶養控除63万円 × 20% = 12.6万円の節税 - さらに住民税(税率10%)でも:
45万円 × 10% = 4.5万円の節税
所得税と住民税を合わせると、年間で約10万〜17万円の節税効果が期待できます。
「控除を受けるのは親」という基本を押さえる
特定扶養控除で最も誤解されやすいポイントがあります。
「特定扶養控除で税金が安くなるのは、大学生本人ではなく『親』です」
基本を理解していないと、「子供が103万円超えたから損した」という話がなぜ起きるのかがわかりません。
特定扶養控除がどこで適用されるのか、親の所得税計算の流れで確認しましょう。
①収入を確認する
親の1年間の給与収入(額面)を確認します。
②給与所得控除を差し引く
給与収入から給与所得控除を差し引き、「給与所得」を算出します。
③各種所得控除を差し引く
給与所得から、基礎控除・社会保険料控除・生命保険料控除などの各種所得控除を差し引きます。
※ここで「特定扶養控除63万円」が差し引かれます。
④税率をかけて所得税を計算
➂で算出した「課税所得金額」に税率をかけて、所得税額が決まります。
特定扶養控除は親の課税所得を減らすことで、親の所得税・住民税を軽減する制度です。
大学生本人の税金とは別の話
大学生本人がアルバイトで稼いだお金にかかる税金は、「基礎控除」や「給与所得控除」「勤労学生控除」など、別の控除で計算されます。
親の特定扶養控除と子供本人の税金は、それぞれ独立した話であることを押さえておきましょう。
「扶養から外れる」とはどういうこと?
「子供が扶養から外れた」という表現は、正確には以下の状態を指します。
- 子供の所得が一定額を超えた
- その結果、親が「特定扶養控除」を受けられなくなった
- 親の課税所得が増え、親の税金が高くなった
子供本人が何か罰則を受けるわけではありません。
しかし、世帯全体で見ると手取りが減る可能性があるため「損をした」と言われるのです。
【2025年改正】特定親族特別控除とは?従来の制度との違い
「特定扶養控除と特定親族特別控除って、何が違うの?」
2025年の税制改正で新設された「特定親族特別控除」は、大学生を持つ家庭にとって大きなメリットがある制度です。
改正の背景から具体的な仕組みまで詳しく解説します。
なぜ改正された?背景にある「103万円の壁」問題
今回の税制改正が行われた背景には、長年問題視されてきた「103万円の壁」があります。
従来の「103万円の壁」とは
これまで、大学生のアルバイト収入が年間103万円を超えると、親は特定扶養控除(63万円)を受けられなくなっていました。
- 子供の年収が103万円 → 親の控除額63万円
- 子供の年収が104万円 → 親の控除額0円
わずか1万円収入が増えただけで、親の控除が一気にゼロになる。
この「崖」のような仕組みが、学生の働き控えを引き起こしていたのです。
深刻化する人手不足
特に影響を受けていたのが、学生アルバイトに頼るサービス業や飲食業です。
- 時給上昇により、少ない労働時間で103万円に到達しやすくなった
- 年末になると「103万円を超えそう」という理由でシフトを減らす学生が続出
- 繁忙期に人手が足りない事態が頻発
こうした問題を解消するため、国民民主党が「年収の壁」の引き上げを強く主張。
2024年12月に与党と合意し、2025年度税制改正大綱に盛り込まれました。
- 学生がより多く働けるようにする
- 親の税負担増加を気にせず就労できる環境を整備
- 企業の人手不足を緩和
- 世帯の手取り収入を増やす
新設「特定親族特別控除」の仕組み
2025年から新設された「特定親族特別控除」は、従来の特定扶養控除を補完する制度です。
特定親族特別控除の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 19歳以上23歳未満の親族を扶養している納税者 |
| 対象となる親族の所得 |
合計所得金額58万円超〜123万円以下(給与年収123万円超〜188万円以下) |
| 控除額 |
最大63万円(親族の所得に応じて段階的に減少) |
| 適用開始 | 2025年分の所得税から |
従来の特定扶養控除との違い
簡単に言えば、2つの控除は「子供の所得」によって使い分けられます。
| 子供の年収 | 適用される控 | 親の控除額(所得税) |
|---|---|---|
| 123万円以下 | 特定扶養控除 | 63万円 |
| 123万円超〜188万円以下 | 特定親族特別控除 | 最大63万円〜2万円 |
| 188万円超 | なし | 0円 |
「配偶者特別控除」と同じ発想
特定親族特別控除は、配偶者特別控除と同じ「なだらかに減る」設計になっています。
配偶者特別控除では、配偶者の年収が一定額を超えても、いきなり控除がゼロにならず段階的に減少します。
同じ仕組みを、大学生年代の子供を持つ親にも適用したのが特定親族特別控除です。
これにより「103万円を1円超えただけで大損」という事態がなくなりました。
改正前後で何が変わった?
改正前と改正後で子供の年収と親の控除額がどう変わったのか、比較してみましょう。
改正前(〜2024年):「崖」型
| 子供の年収 | 親の控除額 |
|---|---|
| 〜103万円 | 63万円 |
| 103万円超 | 0円(一気にゼロ) |
→ 103万円を超えた瞬間に控除がなくなる「崖」があった
改正後(2025年〜):「なだらか」型
| 子供の年収 | 親の控除額 |
|---|---|
| 〜123万円 | 63万円(特定扶養控除) |
| 123万円超〜150万円 | 63万円(特定親族特別控除) |
| 150万円超〜188万円 | 段階的に減少(63万円→2万円) |
| 188万円超 | 0円 |
→ 150万円までは満額控除、その後もなだらかに減少
子供の年収が130万円の場合:
- 改正前:親の控除額 0円(103万円超のため控除なし)
- 改正後:親の控除額 63万円(150万円以下のため満額控除)
この差は非常に大きく、親の所得税率が20%の場合、年間約12.6万円の節税差が生まれます。
【大学生向け】いくらまで稼いで大丈夫?年収の壁を完全整理
「結局、自分はいくらまで稼いでいいの?」
大学生にとって、「年収の壁」は複雑でわかりにくいもの。
103万円、123万円、130万円、150万円…と様々な数字が飛び交い、混乱している方も多いのではないでしょうか。
大学生に関係する年収の壁を整理し、「いくらまで稼いで大丈夫か」を解説します。
大学生に関係する「年収の壁」は4つある
大学生のアルバイト収入に関係する「壁」は、主に4つあります。
それぞれ意味が異なるため、混同しないよう整理しておきましょう。
【2025年〜】大学生の年収の壁一覧
| 年収の壁 | 何が起きる? | 誰に影響? |
|---|---|---|
| 約100〜110万円 | 学生本人に住民税がかかり始める | 学生本人 |
| 123万円 | 親の「特定扶養控除」から「特定親族特別控除」に切り替わる(控除額は同じ63万円) | 親 |
| 150万円 | 親の控除額が減り始める/社会保険の扶養から外れる(2025年10月〜) | 親・学生本人 |
| 160万円 | 学生本人に所得税がかかり始める(勤労学生控除適用時) | 学生本人 |
それぞれの壁を詳しく解説
①約100〜110万円の壁:住民税がかかる
学生本人の年収が約100万円(自治体により93万〜100万円)を超えると、住民税がかかり始めます。
金額は年間数千円〜1万円程度ですが「稼いでいるのに手取りが思ったより少ない」と感じる原因になります。
②123万円の壁:親の控除の種類が変わる
子供の年収が123万円を超えると、親が受けられる控除が「特定扶養控除」から「特定親族特別控除」に切り替わります。
ただし、150万円までは控除額63万円で変わらないため、実質的な影響はありません。
③150万円の壁:親の控除が減る+社会保険の扶養から外れる
150万円は2025年の最重要ラインです。
この金額を超えると、親の控除額が段階的に減少します。
2025年10月からは社会保険の扶養基準も150万円になるため、超えると学生本人が国民健康保険に加入が必要です する必要が出てきます。
④160万円の壁:所得税がかかる
2025年の税制改正により、学生本人に所得税がかかり始めるラインは103万円から160万円に引き上げられました(勤労学生控除を使った場合)。
【重要】税金の扶養と社会保険の扶養は別物!
「扶養」という言葉には、実は2つの意味があります。
混同すると、思わぬ落とし穴にはまることがありますよ。
2種類の「扶養」の違い
| 項目 | 税金の扶養 | 社会保険の扶養 |
|---|---|---|
| 何のこと? | 親の所得税・住民税が安くなる | 親の健康保険に入れる |
| 管轄 | 税務署(国税庁) | 健康保険組合・協会けんぽ |
| 2025年のボーダー | 年収150万円(控除満額) | 学生本人が国民健康保険に加入 |
| 超えるとどうなる? | 親の税金が増える | 学生本人 |
| 年収に含まれるもの | 給与収入(交通費は含まない) | 交通費を含む全収入 |
- ①年収に含まれる範囲が違う 税金の計算では、通勤手当(交通費)は非課税のため年収に含まれません。
しかし、社会保険の扶養判定では交通費も年収に含まれます。
例:月給10万円+交通費1万円の場合
- 税金上の年収:10万円×12ヶ月=120万円
- 社会保険上の年収:11万円×12ヶ月=132万円
同じ働き方でも、社会保険では年収が高くカウントされることがあるので注意しましょう。
②適用開始時期が違う
- 税金の扶養(特定親族特別控除):2025年1月から
- 社会保険の扶養(150万円基準):2025年10月から
2025年の1月〜9月は、社会保険の扶養基準がまだ130万円のままです。
この期間に年収ペースで130万円を超えると、社会保険の扶養から外れる可能性があります。
学生本人に税金がかかるのはいくらから?
「自分の税金はいくらからかかるの?」
学生本人にかかる税金は、「所得税」と「住民税」の2種類があります。
それぞれ非課税となるラインが異なります。
学生本人の税金まとめ(2025年〜)
| 税金の種類 | 非課税ライン | 内容勤労学生控除適用時 |
|---|---|---|
| 所得税 | 年収123万円以下所 | 年収160万円以下 |
| 住民税(所得割) | 年収約100万円以下 | 年収約134万円以下 |
| 住民税(均等割) | 年収約93〜100万円以下 | 自治体による |
所得税のしくみ
2025年から、基礎控除と給与所得控除の合計が123万円に引き上げられました。
- 基礎控除:58万円(2025年〜。改正前は48万円)
- 給与所得控除:65万円(2025年〜。改正前は55万円)
- 合計:123万円
つまり、年収123万円以下なら課税所得がゼロになり、所得税はかかりません。
さらに勤労学生控除(27万円)を使えば、年収160万円まで所得税がゼロになります。
住民税のしくみ
住民税は「所得割」と「均等割」の2つから構成されます。
- 所得割:所得に応じてかかる(税率10%)
- 均等割:所得に関係なく定額でかかる(年間約5,000円)
住民税の非課税ラインは自治体によって異なりますが、おおむね年収100万円前後が目安です。
- △ 年収150万円でも住民税はかかる
「150万円まで稼いでも親の控除は満額」ですが、学生本人の住民税は発生します。
年収120万円を超えたあたりから、住民税として数千円〜1万円程度の負担が生じることを覚えておきましょう。
勤労学生控除を使えばもっと稼げる?3つの注意点も解説
「勤労学生控除って何?使った方がいいの?」
勤労学生控除は、働きながら学校に通う学生のための税制優遇措置です。
ただし、使う際には注意点もあります。
勤労学生控除とは
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 控除額 | 所得税27万円・住民税26万円 |
| 対象者 | 働きながら学校に通う学生 |
| 効果 | 所得税の非課税ラインが123万円→160万円に |
勤労学生控除の適用条件
以下の3つをすべて満たす必要があります。
-
- 勤労による所得があること アルバイトなど、自分で働いて得た収入があること
- 合計所得金額が85万円以下であること 給与収入のみの場合、年収160万円以下(2025年〜)
- 特定の学校の学生であること 大学、短大、専門学校、高等学校など。各種学校の場合は要確認
-
①親の扶養控除には影響しない
勤労学生控除を使っても、親が受けられる特定扶養控除・特定親族特別控除の金額には影響しません。
あくまで「学生本人の税金」を減らすための控除です。②年収150万円を超えると親の控除が減る
勤労学生控除で自分の所得税がゼロになっても、年収150万円を超えると親の控除額は減少します。③申告が必要
勤労学生控除を受けるには、年末調整または確定申告で申告が必要です。
在学証明書などの書類が必要になる場合もあります。
結論:勤労学生控除は「自分の税金対策」
勤労学生控除は、年収123万円〜160万円の間で働く学生にとって有効な節税手段。
ただし、親の控除や社会保険の扶養には影響しないため、世帯全体で考えると150万円を意識した働き方が重要です。
【落とし穴】知らないと損する5つの注意点
「150万円まで大丈夫って聞いたけど、本当に落とし穴はないの?」
2025年の税制改正で年収の壁が緩和されたのは事実ですが、見落としがちな注意点も。
ここでは、知らないと損する5つの落とし穴を解説します。
①社会保険の扶養は150万円が新ボーダー(2025年10月〜)
「税金は150万円まで大丈夫って聞いたけど、社会保険は?」
2025年10月から、19歳〜22歳の子供に対する社会保険の扶養基準も130万円から150万円に引き上げられました。
社会保険の扶養基準の変更
| 時期 | 扶養に入れる年収基準 |
|---|---|
| 〜2025年9月 | 年収130万円未満 |
| 2025年10月〜 | 年収150万円未満 |
※19歳〜22歳の子供が対象。配偶者は対象外。
社会保険の扶養から外れるとどうなる?
年収150万円以上になると、親の健康保険の扶養から外れ、学生本人が国民健康保険に加入する必要があります。
- 国民健康保険料:年間約10万円以上(自治体により異なる)
- 国民年金保険料:学生納付特例を申請すれば猶予可能
社会保険の扶養から外れると、税金とは別に大きな負担が発生します。
150万円をわずかに超える年収は、最も損をしやすいゾーンです。
注意:年収の計算方法が税金と異なる
社会保険の扶養判定では、交通費も年収に含まれます。
また、給付型奨学金を受け取っている場合、健康保険組合によっては収入に含める場合も があります。
不安な場合は、親が加入している健康保険組合に確認しましょう。
②子供本人に住民税がかかる年収ラインは低い
「150万円まで稼いでも自分の税金はゼロなんでしょ?」
これは誤解です。
所得税は年収160万円まで非課税(勤労学生控除適用時)ですが、住民税はもっと低い年収からかかります。
住民税がかかり始める年収ライン
| 住民税の種類 | 課税される年収の目安 |
|---|---|
| 均等割(定額約5,000円) | 年収約93万〜100万円超 |
| 所得割(所得×10%) | 年収約100万円超 |
※金額は自治体により異なります
- 所得税:0円(勤労学生控除で160万円まで非課税)
- 住民税:約1〜2万円
「親の扶養には入っているのに、自分の住民税は発生する」というケースは珍しくありません。
年収100万円を超えたら、住民税の負担があることを覚えておきましょう。
③早生まれ(1〜3月生まれ)は対象外になることも
「うちの子は大学1年生だから、特定扶養控除の対象だよね?」
特定扶養親族の判定は「大学生かどうか」ではなく、その年の12月31日時点の年齢で決まります。
早生まれの方は注意が必要です。
特定扶養親族の年齢要件
対象:その年の12月31日時点で19歳以上23歳未満
早生まれで対象外になるケース
| ケース | 12月31日時点の年齢 | 特定扶養親族 |
|---|---|---|
| 大学1年生(4月生まれ) | 19歳 | 対象 |
| 大学1年生(2月生まれ) | 18歳 | 対象外 |
| 大学4年生で就職内定(4月生まれ) | 22歳 | 対象 |
| 大学4年生で就職内定(2月生まれ) | 23歳 | 対象外 |
-
2007年2月生まれの大学1年生(2025年時点)
- 2025年12月31日時点:18歳
- 特定扶養親族:該当しない(一般の扶養親族として38万円控除)
-
2007年4月生まれの大学1年生(2025年時点)
- 2025年12月31日時点:19歳(2026年4月で19歳になる前に年末を迎える場合は18歳)
- ※誕生日によって判定が変わるため、個別に確認が必要
早生まれの子供がいる場合は、年齢要件を満たしているか必ず確認しましょう。
④大学院生(23歳以上)は対象外
「大学院に進学したら、特定扶養控除は続くの?」
残念ながら、23歳以上になると特定扶養親族には該当しません。
たとえ大学院に在学中でも、23歳になった年からは対象外です。
23歳以上の扶養控除
| 年齢 | 扶養控除の種類 | 控除額(所得税) |
|---|---|---|
| 19歳〜22歳 | 特定扶養控除 | 63万円 |
| 23歳以上 | 一般の扶養控除 | 38万円 |
23歳になると、控除額が63万円から38万円に25万円減少します。
親の税金への影響
親の所得税率が20%の場合:
- 控除額25万円の減少 × 20% = 5万円の増税
- 住民税も含めると、年間約7〜8万円の負担増
大学院進学を予定している場合は、23歳以降の家計への影響も考慮しておきましょう。
- 2025年に新設された特定親族特別控除も、対象は19歳以上23歳未満です。
大学院生で23歳以上の場合、年収123万円を超えると扶養控除の対象から完全に外れ、親の控除はゼロになります。
⑤「大学生」かどうかは関係ない
「フリーターの子供でも特定扶養控除は使えるの?」
特定扶養控除・特定親族特別控除は、「大学生かどうか」ではなく「年齢」と「所得」で判定されます。
対象になる人
- 19歳〜22歳で所得要件を満たしていれば、誰でも対象
- 専門学校生、浪人生、フリーター、ニートでもOK
対象にならない人
- 年齢が18歳以下、または23歳以上
- 大学生でも年齢が23歳以上(留年・休学などで)
- 所得が基準を超えている
よくある誤解と正解
| 誤解 | 正解 |
|---|---|
| 大学生でないと対象にならない | 年齢要件を満たせばフリーターでも対象 |
| 大学生なら何歳でも対象 | 23歳以上の大学生は対象外 |
| 休学したら対象外になる | 年齢と所得を満たせば対象 |
| 留年したら対象外になる | 年齢と所得を満たせば対象 |
- 20歳のフリーター(年収120万円)→ 対象
- 24歳の大学院生(年収100万円)→ 対象外(年齢要件を満たさない)
- 21歳の休学中の大学生(年収0円)→ 対象
「うちの子は大学生じゃないから…」と諦めている方も、年齢が19歳〜22歳であれば特定扶養控除を受けられる可能性があります。
逆に、大学生でも23歳以上なら対象外となるため、年齢での判定を忘れないようにしましょう。
【Q&A】特定扶養控除に関するよくある質問5選
特定扶養控除や特定親族特別控除について、よく寄せられる質問にお答えします。
「生計を一にする」とは、同じ財布で生活していることを意味します。
一人暮らしの大学生でも、以下の条件を満たせば親の扶養親族として認められるのです。
- 親から定期的に仕送りを受けている
- 学費を親が負担している
- 生活費の大部分を親に頼っている
仕送りの金額に明確な基準はありませんが、学生の生活費として妥当な金額(月数万円以上)であれば問題ありません。
念のため、銀行振込の記録など、仕送りの証拠を残しておくと安心です。
掛け持ちしている場合でも、年収の計算は「すべてのバイト先の収入の合計」で行います。
例:3つのバイトを掛け持ち
- バイトA:年間50万円
- バイトB:年間40万円
- バイトC:年間30万円
- 合計年収:120万円
この場合、年収120万円として扶養控除の判定を行います。
- △子供本人は、メインのバイト先で年末調整を受け、サブのバイト先の収入は確定申告で申告する必要があります
- △親は、子供の年収合計を正確に把握して年末調整で申告しましょう
| 奨学金の種類 | 税金上の年収 | 社会保険の扶養判定 |
|---|---|---|
| 給付型奨学金(返済不要) | 含まれない | 健保組合による |
| 貸与型奨学金(返済必要) | 含まれない | 含まれない |
給付型奨学金は所得税法上「非課税所得」とされているため、税金の計算では年収に含まれません。
ただし、社会保険の扶養判定では、健康保険組合によって給付型奨学金を収入に含める場合があります。
不安な場合は、親が加入している健康保険組合に確認してください。
特定扶養控除・特定親族特別控除は、「大学に在籍しているか」ではなく「年齢」と「所得」で判定されます。
- 休学中でも19歳〜22歳で所得要件を満たせば → 対象
- 留年して23歳になった場合 → 対象外(一般の扶養控除38万円に)
休学して収入がない場合は、引き続き特定扶養控除(63万円)の対象となります。
ただし、23歳以上になると年齢要件を満たさなくなるため、留年や休学で卒業が延びる場合は注意が必要です。
扶養控除は、夫婦のどちらか一方しか申請できません。
同じ子供に対して、夫婦両方が控除を受けることはできないため、どちらが申請するか決める必要があります。
節税効果の比較例
特定扶養控除63万円を申請した場合
| 申請者 | 所得税率 | 所得税の節税額 |
|---|---|---|
| 年収500万円の夫 | 10% | 6.3万円 |
| 年収700万円の妻 | 20% | 12.6万円 |
この例では、年収が高い妻が申請した方が、所得税だけで6.3万円多く節税できます。
結論 一般的には、年収(課税所得)が高い方が申請した方が有利です。
ただし、所得税率の境目にいる場合など、個別の状況によって異なることも。
迷う場合は税理士や税務署に相談しましょう。
まとめ:2025年からの特定扶養控除のポイント
最後に、この記事の重要ポイントを整理します。
- ◎大学生(19歳〜22歳)は年収150万円まで、親の控除63万円が維持される
- ◎年収150万円超〜188万円は、控除額が段階的に減少する
- ◎年収188万円を超えると、親の控除はゼロになる
- ◎社会保険の扶養は2025年10月から年収150万円に引き上げ
- ◎税金の扶養と社会保険の扶養は別物なので注意
- ◎判定基準は「大学生かどうか」ではなく「年齢」と「所得」
- ◎早生まれや23歳以上の大学院生は対象外になることがある
- ◎年末調整では子供の年収を正確に把握することが重要
- 子供のアルバイト収入を定期的に確認しましょう
- 年末調整前に、子供の年収見込みを把握しておきましょう
- 150万円を少し超える程度なら、社会保険の扶養も外れるため要注意です
- 年収150万円が2025年の重要なボーダーラインです
- 150万円を超えるなら、188万円以上しっかり稼ぐ方が世帯全体では有利
- 複数バイトの掛け持ちは、合計年収を把握しておきましょう
- 源泉徴収票は必ず保管し、親に年収を正確に伝えましょう
税制は毎年変更される可能性があるため、最新情報をチェックすることをおすすめします。
