｢キャリアアップ助成金」は、非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを促進することを目的とした助成金です。キャリアアップ助成金は全７コースありますが、今回は原則令和３年１２月２１日以降に取り組みを実施した場合に適用される「正社員化コース」「賃金規定等改定コース」の改正内容を含めご紹介します。

キャリアアップ助成金「正社員化コース」

「有期雇用労働者等」を「正規雇用労働者等」に転換または直接雇用した場合

支給額（中小企業・生産性要件がない場合）

【支給額（１人あたり】

①　有期⇒正規：570,000円

②　有期⇒無期：285,000円

③　無期⇒有期：285,000円

※①～③合わせて、１年度１事業所当たりの支給申請上限人数は２０人まで

さらに要件を満たした場合

【加算措置（１人あたり】

● 派遣労働者を派遣先で正規雇用労働者として直接雇用した場合：285,000円

● 母子家庭の母等または父子家庭の父を転換等した場合：①95,000円、②③47,500円

● 勤務地限定・職務限定・短時間正社員制度を新たに規定し、有期雇用労働者等を当該雇用区分に転換等した場合：⇒95,000円（1事業所あたり）

☆【新設】

●人材開発支援助成金の特定訓練修了後に正社員化した場合：⇒①95,000円、③47,500円

手続きの流れ

ステップ１： キャリアアップ計画の作成・提出

　⇒転換・直接雇用を実施する前日までに提出、労働局長の認定を受ける必要があります。

ステップ２：就業規則、労働協約その他これに準ずるものに転換制度を規定

　⇒「試験等の手続き」「対象者の要件」「転換実施時期」の規定必須。改訂後の就業規則を労基署へ提出

ステップ３：転換・直接雇用に際し、就業規則等の転換制度に規定した試験等を実施

ステップ４：正規雇用等への転換・直接雇用の実施

　⇒転換後６か月間の賃金を転換前６か月間の賃金と比較して３％以上増額している必要があります。

ステップ５：転換・直接雇用後６か月分の賃金を支給・支給申請

　⇒ 転換・直接雇用後６か月分の賃金を支給した日の翌日から起算して2か月以内に支給申請

審査⇒支給決定

キャリアアップ助成金「賃金規定等改定コース」

「有期雇用労働者等」の基本給の賃金規定等を２％以上増額改定し、昇給した場合

増額の対象者が全ての非正規雇用労働者の場合でも、一部（雇用形態別・職種別等）の非正規雇用労働者の場合でも、賃金増額を行った労働者１人当たりの助成額が同額となります。

労働者単位で助成することで、現行よりも助成額が高くなる場合があります。

☆パートタイム・有期雇用に関するさまざまな情報は、

厚生労働省：「パート・有期労働ポータルサイト」

・法対応チェックツール

・職務分析・職務評価サイト

・短時間正社員ナビ　　など

支給額（中小企業・生産性要件がない場合）

【支給額（2％以上増額改定）】

【加算措置（一人あたり）】

手続きの流れ

ステップ１：キャリアアップ計画の作成・提出

　⇒賃金規定等を増額改定する前日までに提出、労働局長の認定を受ける必要があります。

ステップ２：賃金規定等の増額改定（２％以上）の実施

　⇒賃金規定等を作成・規定し、増額改定実施までに3か月以上運用（新たに整備する場合は除く）

ステップ３：増額改定後の賃金に基づき６か月分の賃金を支給・支給申請

　⇒増額改定後６か月分の賃金を支給した日の翌日から起算して2か月以内に支給申請

審査⇒支給決定

 

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キャリアアップ助成金を活用することで、雇用の安定による労働者のモチベーションの向上や、優秀な人材の確保につながります！これをきっかけにキャリアアップ助成金の活用を検討してみてはいかがでしょうか。