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2021.01.13

リードブレーン社会保険労務士法人

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【新型コロナ資金繰り最新情報】特別措置延長!雇用調整助成金特別措置に関して!

新型コロナウイルスの感染が拡大した2020年1月以降、事業を営む人のほとんどは雇用維持に不安を抱えているのではないでしょうか。

こうした窮状への支援策として、厚生労働省では「雇用調整助成金」に特例を設け、従業員に支払う手当の積極的な給付を開始しています。助成金制度について初めて知る人でも特例申請を検討できるよう、申請要件と支援内容について分かりやすく解説します。

※従来、2020年12月末が期限となっていた特例措置が、令和2年4月1日から緊急事態宣言が解除された月の翌月末までに延長されました!

(注)令和3年2月15日現在の情報となります。

そもそも「雇用調整助成金」とは

そもそも「雇用調整助成金」とは、経営事情により稼働人数を減らす必要に迫られた事業所へ、申請に応じて休業・シフト短縮・教育訓練の際に支払う従業員手当を給付する制度です。

従来からある通常の制度は、申請要件が厳しく手続きも複雑であり、手当に対する給付の割合(=助成率)も限られていました。

今回の感染症拡大の危機を受けて、より申請しやすく充実した支援内容とするべきとの考えから、一時的に制度内容の拡充を図った「新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例」(以下“特例措置”または“感染症特例”)が設けられています。

 

雇用調整助成金の特例措置とは(緊急対応期間中)

雇用調整助成金は、事業主が労働者に休業手当を支払う場合、その一部を助成する制度です。

新型コロナウイルス感染症にかかる特例措置として、令和2年4月1日から緊急事態宣言が解除されるまでが緊急対応期間と位置付けられ、感染拡大防止のため、この期間中は全国において、特例措置が実施されています。

具体的には、特例措置により助成率及び上限額の引き上げが行われており、1人1日15,000円を上限額として、労働者へ支払う休業手当等のうち最大10/10が助成されます。(教育訓練を実施した場合は更に、教育訓練を受けた労働者一人につき日額最大2,400円が加算されます)。

 

感染症特例の助成率:最大100%に拡充

成率は、企業の規模や、事業主が雇用を維持したか否かによって、以下のように分かれます。

・大企業  解雇等を行わず雇用を維持した場合…3/4

      それ以外の場合…2/3

・中小企業 解雇等を行わず雇用を維持した場合…10/10

      それ以外の場合…4/5

上記のように、解雇等せずに雇用の維持に努めた中小企業への助成率が100%に拡充されました。拡充前までは助成率が中小企業の場合ですと従業員に支払った手当の5分の4(解雇なしの場合は10分の9)でしたが、それが10/10、100%に拡充されたのです。

ちなみに”解雇等をせず雇用維持に努める”とは、この制度が適応される令和2年4月1日から緊急事態宣言が解除されるまでの間に、解雇などを行わずに雇用し続けた場合ということになります。

この特例措置は、令和2年4月1日から緊急事態宣言が解除されるまでの期間を1日でも含む賃金締切期間(判定基礎期間)が対象です。

※学生アルバイトなど、雇用保険被保険者以外の方に対する休業手当も助成対象となります。その場合、緊急雇用安定助成金によって助成されますが、助成の内容や申請先等は雇用調整助成金と同様です。緊急雇用安定助成金は、北海道を除き、令和2年4月1日から緊急事態宣言が解除されるまでの期間内の休業が対象です。

 

感染症特例の助成額:上限が15,000円に

感染症特例の助成額は、原則として労働者1人あたり1日8,330円が限度ですが、特例措置として労働者1人あたり1日15,000円まで引き上げられました。

その上で、解雇しなかった事業者のほうが多く給付を受けられるよう助成率が定められています。

令和2年4月1日から緊急事態宣言が解除されるまでの期間が対象となり、1日からでも申請が可能です。またこの上限額は企業規模に関わらず、全ての事業主に適用されます。

以降は申請を検討する事業主の参考となるよう、感染症特例の詳しい申請要件や手続きを解説します。

 

感染症特例の申請要件

雇用調整助成金の感染症特例では、申請要件として以下4点すべてを満たすことが挙げられています。

【雇用調整助成金】事業者の要件(感染症特例)

  • ①感染症の影響で経営環境が悪化し、事業活動が縮小している
  • ②一斉休業もしくはシフト調整をしている(短期一斉休業の要件)
  • ③労使間の協定に基づき休業などを実施し、休業手当を支払っている(生産指標の要件)
  • ④生産指標が前年同月比で5%以上減少している ※比較する月についても柔軟な取り扱いとする特例措置あり

 

感染症特例の手続きの簡素化

雇用調整助成金の感染症特例では、申請手続きや算定方法が簡素化・簡略化されています。

【雇用調整助成金】申請手続きの簡素化(感染症特例)

・小規模事業主(概ね従業員20人以下)については、「実際に支払った休業手当額」から簡易に助成額(※)を算定できるようになりました。
 また、休業についての申請様式を簡略化するとともに、支給申請をスムーズに行うことができるよう、申請マニュアルを作成しました。

※助成額=「実際に支払った休業手当額」×「助成率」

・初回を含む休業等計画届の提出を不要とし、支給申請のみの手続きとすることとしました。(すべての事業主の方が適用されます)

【雇用調整助成金】算定方法の簡略化(感染症特例)

・支給申請の際に用いる「平均賃金額」や「所定労働日数」の算定方法を大幅に簡略化し、次のように算出できるようになりました。(すべての事業主の方が適用されます)
 詳しくは、雇用調整助成金のガイドブック(簡易版)の記載例などをご覧ください。

(1)「労働保険確定保険料申告書」だけでなく、「源泉所得税」の納付書を用いて、1人当たりの平均賃金額を算定できるようになりました。

(2)「所定労働日数」の算定方法を簡略化しました。

 

雇用調整助成金の申請方法

雇用調整助成金の申請先は、事業所所在地を管轄する都道府県労働局またはハローワークです。

支給申請に必要な書類は以下となっています(休業の場合)。 ※5/19から、計画届は提出不要となりました。

  書類名 備考
様式新特第4号
雇用調整事業所の事業活動の状況に関する申出書
【添付書類】
月ごとの売上などがわかる書類
※ 売上簿や収入簿、レジの月次集計など
(既存書類の写しで可)

様式新特第6号
支給要件確認申立書・役員等一覧

役員名簿を添付した場合は役員等一覧の記入は不要

様式新特第9号
休業・教育訓練実績一覧表

自動計算機能付き様式

様式新特第8号
助成額算定書

自動計算機能付き様式
※ 所得税徴収高計算書を用いる場合は、当該計算書を添付

様式新特第7号
(休業等)支給申請書

自動計算機能付き様式
休業協定書 【添付書類】
(労働組合がある場合)組合員名簿
(労働組合がない場合)労働者代表選任書
※ 実績一覧表に署名または記名・押印があれば省略可
事業所の規模を確認する書類

事業所の従業員数や資本額がわかる書類
※ 既存の労働者名簿及び役員名簿で可
※ 中小企業の人数要件を満たす場合、資本額がわかる書類は不要

労働・休日の実績に関する書類

休業させた日や時間がわかる書類
※ 出勤簿、タイムカード、の写しなど
(手書きのシフト表などでも可)

休業手当・賃金の実績に関する書類

休業手当や賃金の額がわかる書類
※ 賃金台帳や給与明細の写しなど

※ ①、⑥、⑦は2回目以降の提出は不要(ただし、⑥は失効した場合、改めて提出が必要)
※ 小規模事業主(従業員がおおむね20人以下)の方は、「小規模事業主向け 雇用調整助成金支給申請マニュアル」で申請に必要な書類をご確認ください。
このほか、審査に必要な書類の提出をお願いされる場合があります。

従業員がおおむね20人以下の中小企業は、より支給申請が簡易な様式があります。

 

「雇用調整助成金」感染症特例のまとめ

「雇用調整助成金」の新型コロナウイルス感染流行による特例措置は、申請要件・必要書類の両方がシンプルに整理された上で、通常制度に比べて手厚い給付を受けられるのが特徴です。

雇用維持を図りつつも営業自粛に協力した中小企業にとっては、支給した従業員手当のうち限りなく100%に近い額を回収できるのがメリットと評せます。

現在、各地の労働局に助成金の申請が集中しています。手続きが簡素とはいえ、申請時に不備を指摘され、助成開始が遅れる可能性は否めません。

弊社では、事業主の皆様が一刻も早く助成を受けて再起の糧に出来るよう、個別の丁寧なアドバイスと申請のスピード化を図っています。まずはご相談ください。

 

※この記事内容は令和3年2月15日現在のものとなっています。

 

■この記事の参考

『雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症の影響に伴う特例)』/厚生労働省

 

 

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