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2019.11.21

リードブレーン社会保険労務士法人

テーマ:

【コラム】身近な労働法の解説②

身近な労働法の解説➁

 賃金計算時の賃金額の端数処理

3.その他の賃金額の端数処理

通貨の単位および貨幣の発行等に関する法律3条において、債務の弁済を現金の支払により行う場合の支払金の端数計算について、円未満を四捨五入することが定められています。

また、同条ただし書きにおいて、特約があるときは特約にしたがうとされていますので、就業規則や労働契約により取扱いを定めることもできます。

例えば、上記2の平均賃金を基にして休業手当等を計算する場合は、就業規則等に端数処理の特約があればその方法で、特約がなければ円未満を四捨五入します。

雇用保険料や社会保険料を源泉控除する場合、控除後の賃金を支払う時点で同条による四捨五入を行うため、結果として控除額の端数処理は50銭以下の場合は切り捨て、50銭1厘以上の場合は切り上げとなります(五捨五超入)。被保険者から現金徴収する場合は、弁済がその時点であるため、同条により四捨五入できます。※特約があればその方法によることができます。

4.1カ月の賃金支払額における端数処理

就業規則に定めることにより、次の取り扱いが認められています(昭63.3.14基発第150号)。

・1カ月の賃金額(賃金の一部を控除して支払う場合には控除した額)に100円未満の端数が生じた場合は50円未満の端数を切り捨て、50円以上の端数を100円に切り上げて支払うこと

・1カ月の賃金額に1,000円未満の端数がある場合は、その端数を翌月の賃金支払日に繰り越して支払うこと

賃金計算の実務においては、法令や就業規則等に基づき労基法24条の全額払いの原則に反しない端数処理を給与ソフトに設定しておきますが、イレギュラーな計算の際には、留意が必要です。

また、行政通達(昭63.3.14基発第150号)では、賃金計算時における労働時間の端数の取扱いについても解釈がされていますので、確認しておくとよいでしょう。

 


割増賃金の端数がどのように処理されているかご存知でしょうか。勤め先がどのような規定になっているか確認し、一度自身の給与を見直してみてはいかがでしょうか。

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