COLUMN

お役立ちコラム

2019.12.02

リードブレーン社会保険労務士法人

テーマ:

【コラム】監督指導動向・送検

◇監督指導動向

労働時間把握で是正勧告 PCの使用記録とかい離 千葉・船橋労基署

千葉・船橋労働基準監督署は、千葉県水道事務所本所と水道局本局、船橋水道事務所本所に対する立入調査を実施しました。その結果、パソコンのログと労働時間のかい離が発見されたため、千葉県に対して、実態調査と割増賃金の支払いを求める是正勧告を行いました。

同県が職員本人に確認する等の調査を実施したところ、職員(管理職除く)903人のうち、500人に割増賃金の不払いが認められました。不払い額は定例議会に補正予算案として計上し、議決後速やかに支給するとしています。

現場では、「時間外・休日労働(36)協定の順守を徹底するあまり、時間外を申請しづらい雰囲気もあった」といいます。同県では再発防止策を講じるとともに、36協定の見直し(特別条項の締結)等も行っています。

送検

ヘルメット未着用で死亡 トレーラーの荷台から落下 八乙労基署

福岡・八乙労働基準監督署は、ヘルメットの着用義務違反で、産業廃棄物処理会社と同社取締役を福岡地検久留米支部に書類送検しました。

被災した労働者は、同社の敷地内に停車したトレーラー上で、廃タイヤの向きを均し、シートを掛ける作業に従事していたところ、「あおり」を超えて2.6m下の地面に墜落しました。緊急搬送されましたが、脳挫傷により死亡しています。

安衛則151条の74では、「最大積載量が5t以上の貸物自動車に荷を積む作業(ロープ掛け・シート掛け含む)、荷を卸す作業(ロープ解き・シート外し含む)を行うときは、保護帽を着用させなければならない」と規定しています。

トレーラーの中には保護帽が備え付けてありましたが、労働者は手を触れていませんでした。

 


36協定を締結しているにも関わらず割増賃金の未払いが発生するという事は、「残業を極力減らしましょう」と働きかけているけれど、形上だけで重要な業務内容の改善がされていないという事が読み取れます。まずは業務の効率性など中身を見直さなくては法的措置を導入しても成果は表れず逆にマイナスとなってしまうという事ですね。

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