雇用保険の加入条件を解説|パート・週20時間・65歳以上の判定ポイント

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2026.05.31

リードブレーン株式会社

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雇用保険の加入条件を解説|パート・週20時間・65歳以上の判定ポイント

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「パートで週20時間を超えそう。雇用保険に入ったら扶養から外れて損するんじゃ…?」 

「シフトで20時間を超える月と超えない月がある。私は加入対象なの?」

シフトが増えてきたパート主婦の方や、定年後も働き続けるシニアの方にとって、雇用保険の加入条件は気になるテーマです。

「入った方が得?それとも損?」と判断に迷っている人も多いはずです。

結論から言うと、雇用保険の加入条件は基本的に以下の3つとなります。

雇用保険の加入条件
  • 1週間の所定労働時間が20時間以上
  • 31日以上の雇用見込みがある
  • 学生ではない(昼間学生は対象外)

この記事では、社会保険労務士の監修のもと、以下の5つのポイントをわかりやすく解説します。

この記事でわかること
  • 自分が加入対象になるかが30秒で判定できる
  • シフト勤務で時間が変動する場合の正しい判定方法
  • 扶養(103万・130万の壁)との関係と影響額
  • 加入のメリット・デメリットと保険料の損得シミュレーション
  • 会社が加入してくれない時の対処法

「結局、自分は加入するの?しないの?」という疑問にすべてお答えします。
ぜひ最後までご覧ください。

【結論】雇用保険の加入条件は3つ|まず基本要件をチェック

雇用保険の加入条件は、法律で明確に定められた 3つの要件 をすべて満たすかどうかで決まります。

本人の希望や会社の判断で「加入する/しない」を選べる制度ではありません。

  加入条件 判定の基準
1週間の所定労働時間が20時間以上 雇用契約書・就業規則に記載の労働時間
31日以上の雇用見込みがある 契約期間・更新の有無
学生ではない(昼間学生は対象外) 在学状況・卒業見込みの有無

厚生労働省の公式資料でも、次のように明記されています。

「雇用される労働者は、常用・パート・アルバイト・派遣等、名称や雇用形態にかかわらず、①1週間の所定労働時間が20時間以上であり、②31日以上の雇用見込みがある場合には、原則として被保険者となります」

3つの要件すべてを満たせば、雇用形態に関係なく加入義務が発生する点が重要なポイントです。

加入条件①|1週間の所定労働時間が20時間以上

最初の条件は、「1週間の所定労働時間が20時間以上」であることです。
ここで多くの方が誤解しがちなのが、「所定労働時間」と「実労働時間」は別物だという点。

  • 所定労働時間:雇用契約書や就業規則であらかじめ決められた労働時間
  • 実労働時間:実際に働いた時間(残業・休日出勤・欠勤を反映した時間)

雇用保険の加入判定は、所定労働時間ベースで行われます。

契約書に「週20時間勤務」と書かれていれば、欠勤や早退で実労働が下回った週があっても加入対象のままです。

逆に、忙しくて結果的に週20時間以上働いた週があったとしても、契約上の労働時間が20時間未満であれば加入対象にはなりません。

【例:所定労働時間の計算】

勤務パターン 1週間の所定労働時間 加入対象?
1日5時間 × 週4日 20時間 加入対象
1日4時間 × 週5日 20時間 加入対象
1日6時間 × 週3日 18時間 対象外
1日4時間 × 週4日 16時間 対象外

加入条件②|31日以上の雇用見込みがある

2つ目の条件は、「31日以上引き続き雇用される見込みがある」ことです。

次の3パターンで判断します。

判断基準
  • パターン①:契約期間に定めがない場合
    期間の定めなく雇用される場合は、自動的に「31日以上の雇用見込みあり」と判断されます。
  • パターン②:31日以上の期間を定めて雇用される場合
    「3か月契約」「半年契約」など、最初から31日以上の契約期間がある場合も該当します。
  • パターン③:契約更新の可能性がある場合
    初回契約が31日未満でも、契約書に「更新する場合がある」と明記されていれば加入対象です。
    契約書に更新規定がなくても、同じ職場で31日以上雇用された実績が他の労働者にある場合も、加入対象となります。

契約書に「契約更新なし」と明確に書かれていて、かつ31日未満で終了する場合のみ、雇用保険の対象外となります。

加入条件③|学生ではない(昼間学生は対象外)

3つ目の条件は、「学生ではないこと」です。
ただし、これは「昼間学生は原則対象外」というルールであり、すべての学生が加入できないわけではありません。

【加入対象外となる学生】
  • 全日制の大学生・大学院生・短大生
  • 全日制の専門学校生・高校生
【例外的に加入対象となる学生】
  • 卒業見込み証明書があり、卒業前から内定先で働き、卒業後も同じ会社で勤務予定の人
  • 休学中の人
  • 定時制・夜間部・通信制に通っている人

働き方や在学状況によっては加入対象になるケースもあります。
学生アルバイト向けの章で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。

正社員・パート・アルバイトも条件を満たせば加入義務がある

雇用保険は、雇用形態を問わず、上記3つの条件を満たすすべての労働者に加入義務があります。

雇用形態 3要件を満たせば加入義務
正社員・契約社員 加入義務あり
パート・アルバイト 加入義務あり
派遣社員 加入義務あり(派遣元で加入)

ここで重要なのは雇用保険への加入は「任意」ではなく「義務」だということです。
本人が「入りたくない」と希望しても、条件を満たす限り加入しなければなりません。

事業主側にも加入義務があり、手続きを怠った場合は罰則が科される可能性もあります。
雇用保険法第83条により 「6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金」 と定められています。

雇用保険に加入できない・対象外となる人【6パターン】

3つの条件を満たしていても、雇用形態や立場によっては対象外となるケースがあります。
代表的な6パターンを早見表で整理します。

# 対象外となる人 例外的に加入できるケース
1 経営者・代表取締役・役員 使用人兼務役員で労働者性が認められる場合
2 同居の親族・家族従業員 一定の要件を満たす場合
3 昼間学生 夜間・通信・卒業見込みなど
4 公務員(一部を除く) 原則なし(別制度で保護)
5 個人事業主・フリーランス・業務委託 原則なし(雇用関係なし)
6 短期・日雇いの一部 日雇労働被保険者として加入する場合あり

経営者・代表取締役・役員

会社の経営側にあたる代表取締役・社長・業務執行権を持つ取締役・監査役は、原則として雇用保険に加入できません。
雇用保険は、「雇用される労働者」のための制度であるため、経営側は対象外です。

ただし「使用人兼務役員」は、加入対象となる場合があります。
これは、取締役の肩書を持ちながら実態として一般の労働者と同様に働いている人(例:取締役兼工場長)のことです。

この場合は、ハローワークに「兼務役員雇用実態証明書」などを提出し、労働者性を認めてもらう必要があります。

同居の親族・家族従業員(家族経営の特例)

事業主と同居している親族は、原則として雇用保険の対象外です。
「家族として手伝っているのか、独立した労働者として働いているのか、判断が難しい」ためです。

ただし、次の3要件をすべて満たす場合は、例外的に加入対象となります。

加入対象要件
  • 事業主の指揮命令に従って働いていることが明確であること
  • 始業・終業時刻、休日、賃金などの就業実態が他の労働者と同様であること
  • 事業主と利益を一にする地位(取締役等)にないこと

この場合、ハローワークへの届け出時に「同居の親族雇用実態明書」の提出が必要です。

昼間学生・公務員・個人事業主・短期雇用

残る4パターンは次のとおりです。

  • 昼間学生:全日制の学校に通う学生は原則対象外(例外は後述)
  • 公務員(一部除く):国家公務員退職手当法など別の制度で保護されているため対象外
  • 個人事業主・フリーランス・業務委託:雇用契約ではないため対象外
  • 4か月以内の季節的事業に雇用される人・短期日雇い:通常の雇用保険対象外(日雇労働被保険者として別枠加入の場合あり)

タイミー・シェアフルなどの単発バイトも、原則として雇用保険の対象外です。
しかし、同一企業で継続的に働いて条件を満たせば加入対象に切り替わります。

労働時間と扶養から見る加入条件の判定ポイント

ここからが本記事のメイン章です。

パート主婦の方が最も気になる 労働時間の判定基準・扶養との関係・加入の損得 を詳しく解説します。
週20時間の判定方法|契約書の時間 vs 実際の労働時間

雇用保険の「週20時間」は、雇用契約書・就業規則に記載された所定労働時間で判定するのが原則です。
実労働時間ではありません。

判定の優先度 基準 具体例
第1基準 所定労働時間(契約書ベース) 契約書に「週20時間」と記載 → 加入対象
第2基準(例外) 実労働時間(実態ベース) 契約は週15時間でも、実態が常態的に超過

具体的なケースで見てみましょう。

具体的なケース
  • ケースA:契約書は週20時間。今月は子どもの行事で2日休んで実労働は16時間。
    加入対象のまま。実労働が下回っただけで資格は失われません。
  • ケースB:契約書は週15時間。今月だけ忙しくて実労働が25時間。
    対象外のまま。一時的な超過では加入義務は発生しません。
  • ケースC:契約書は週15時間だが、半年以上、毎月22〜25時間働き続けている。
    加入指導の対象。実態が契約と大きく乖離しているため、ハローワークから加入を求められる可能性があります。

シフトで20時間を超えたり超えなかったりする場合

「うちはシフト制で、月によって労働時間がバラバラ。雇用保険はどうなるの?」
というのは、パート主婦の方からもっとも多い質問のひとつです。

結論から言うと、契約上の所定労働時間が週20時間未満であれば、たまたま超えた月があっても直ちに加入義務は発生しません

ただし、次のような状態が続く場合は、加入対象に切り替わります。

状況 雇用保険の扱い
一時的に20時間を超えた月がある 対象外(加入義務なし)
恒常的に週20時間以上勤務+今後も継続見込み 加入対象
契約変更で「週20時間以上」に変わった 契約変更日から加入対象

たとえば、4月・5月の2か月とも実労働が週20時間を超え、6月以降もそれが続く見込みがある場合。
勤務実態によっては、雇用保険の加入対象になる可能性があります。

シフトが恒常的に増えてきた場合は、契約内容の見直しについて店長や人事担当に相談してみましょう。

月87時間・80時間との関係(社会保険との混同注意)

「雇用保険って、月87時間や月80時間が基準じゃないの?」と混乱する方も少なくありません。

実はこれは 社会保険(健康保険・厚生年金)の「週20時間以上」を月換算した目安」です。

【雇用保険と社会保険の判定基準の違い】

項目 雇用保険 社会保険(健康保険・厚生年金
労働時間の基準 週20時間以上 週20時間以上
賃金の基準 なし 月額88,000円以上
雇用期間 31日以上の見込み 2か月超の見込み
会社規模の制限 なし(全事業所が対象) 従業員51人以上の事業所など

ここで重要なのは、雇用保険には「月88,000円」という賃金基準はないという点です。

月収8万円のパート主婦であっても、週20時間以上 × 31日以上の雇用見込みを満たしていれば、雇用保険には加入義務があります。

「月収が8.8万円以下だから雇用保険も対象外」というのは誤解なので注意が必要です。

扶養内と雇用保険の関係|103万・130万の壁との違い

「雇用保険に入ると扶養から外れるんじゃ…?」と不安に思うパート主婦の方も多いでしょう。
結論から言うと、雇用保険に加入しただけでは扶養から外れません。

扶養に関係するのは「収入額」です。
「雇用保険に加入したかどうか」ではありません。

扶養の種類 判定基準 雇用保険加入との関係
税法上の扶養(配偶者控除) 年間給与収入123万円以下(2025年改正後) 加入しても影響なし
社会保険の扶養 年間収入130万円未満(60歳以上は180万円未満) 加入しても影響なし
失業手当受給時の扶養 基本手当日額3,612円未満(60歳以上は5,000円未満) 受給中のみ判定対象

つまり、雇用保険に加入していても、給与収入が123万円以下なら税法上の扶養から外れません。
また、130万円未満であれば、社会保険の扶養も維持できます。

注意したいのは、退職後に失業手当を受け取るときだけです。

基本手当日額が3,612円以上になると、その受給期間中は社会保険の扶養から一時的に外れることになります。

ただし、失業手当そのものは非課税のため、税法上の扶養には影響しません。

ポイント 雇用保険の加入で扶養が外れることはありません。
気にすべきは「給与収入の年間総額」と「退職後に失業手当を受け取るとき」の2点だけです。

雇用保険に加入するメリット

「保険料が引かれるのは嫌だけど、加入するメリットってあるの?」と気になる方も多いはず。

実は、雇用保険には4つの大きな給付制度があります。

給付の種類 受給できるケース 受給額の目安
失業手当(基本手当) 退職して再就職活動中 賃金日額の50〜80% × 給付日数
育児休業給付金 育児休業中(原則1歳まで) 休業前賃金の67%(181日目以降は50%)
介護休業給付金 家族の介護で休業中 休業前賃金の67%(最大93日)
教育訓練給付金 スキルアップのため講座受講 受講料の20〜80%を補助

特にパート主婦の方が見逃せないのが、育児休業給付金です。

雇用保険に加入していれば、パートであっても産休・育休後に給付金を受け取れる可能性があります。
教育訓練給付金も、簿記・医療事務・宅建などの講座受講料が一部戻ってくるため、再就職や転職を考える際に役立ちます。

雇用保険に加入するデメリット

一方、雇用保険のデメリットは「毎月の給与から保険料が引かれる」というシンプルな点に尽きます。
2026年度の雇用保険料率は、労働者負担0.5%(一般の事業)です。月収別の保険料は次のとおりです。

月収 月の保険料 年間の保険料
8万円 400円 4,800円
10万円 500円 6,000円
15万円 750円 9,000円
20万円 1,000円 12,000円

月収10万円のパート主婦の場合、毎月の負担は 500円、年間でも 6,000円 程度。
社会保険(健康保険・厚生年金)と比べると、雇用保険の負担比較的軽い水準です。

保険料1年分 vs 失業手当の受給額シミュレーション

「保険料を年間で払うのと、もらえる給付を比べたら、どっちが得?」というのは、多くの方が気になるポイントです。

月収別に 「1年間の保険料負担」「自己都合退職時の失業手当受給額(概算)」 を比較してみます。

【月収別 損得シミュレーション】
※自己都合退職/雇用保険被保険者期間1年以上10年未満/給付日数90日/40代パート主婦を想定

月収 年間保険料 失業手当の概算受給総額 差額(給付 − 保険料
8万円 約4,800円 約192,000円 約+187,000円
10万円 約6,000円 約240,000円 約+234,000円
15万円 約9,000円 約338,000円 約+329,000円

※基本手当日額は賃金日額×給付率(50〜80%、低賃金ほど高率)で算出。
実際の金額は離職理由・年齢・被保険者期間によって変動します。

たとえば月収10万円のパート主婦が1年間加入した場合、保険料負担は 約6,000円
失業手当を受け取れれば 約24万円の給付が受けられる計算です。

育児休業給付金や教育訓練給付金まで含めれば、多くのケースで給付額が保険料を大きく上回ることがわかります。

学生アルバイトの加入条件|加入できる人・できない人

学生の場合は「昼間学生かどうか」が大きな分かれ目になります。

【加入対象外となる学生】

雇用保険法施行規則により、昼間学生は原則として加入対象外です。
具体的には、全日制の大学・短大・大学院、全日制の高校、全日制の専門学校に通う学生が該当します。

週20時間以上働いていても、被保険者にはなれません。

【例外的に加入対象となる学生】

ただし、すべての学生が一律に対象外というわけではありません。
次のいずれかに該当する場合は加入対象となります。

加入対象となる学生
  • ✓ 卒業見込み証明書を持ち、卒業前に就職し、卒業後も同じ職場で働き続ける予定の人
  • 休学中の人
  • 夜間部・定時制・通信制の学生
  • 一定の出席日数を課程修了の要件としない学校に通う人

【学校区分別 加入可否一覧】

学校区分 通学形態 雇用保険の扱い
大学・短大・大学 昼間部 対象外(卒業見込み等の例外あり)
大学・大学院 夜間部・社会人大学院 加入対象
専門学校 昼間 対象外
専門学校 夜間・通信 加入対象
高校 全日制 対象外
高校 定時制・通信制 加入対象

外国人留学生(昼間学生)も日本の昼間学生と同様に対象外です。

60歳・65歳・70歳以上の加入条件|高年齢者の特例ルール

「定年退職後も働きたいけど、雇用保険はどうなるの?」というのは、定年前後の方が抱える大きな疑問です。

65歳の前後で雇用保険のルールが大きく変わるため、知らずに65歳を超えて退職すると、数十万円単位で損をする可能性があります。

60歳以上でも加入義務あり|「高年齢被保険者」とは

まず大前提として、60歳を過ぎても、雇用保険には加入義務があります
雇用保険の加入には年齢上限がないため、3つの基本要件を満たせば何歳でも加入対象です。

また、65歳以上の労働者は「高年齢被保険者」という区分に分類。
退職時には通常の失業手当ではなく 「高年齢求職者給付金」 という一時金が支給されます。

区分 年齢 退職時の給付
一般被保険者 65歳未満 基本手当(失業手当)90〜330日分
高年齢被保険者 65歳以上 高年齢求職者給付金(30日 or 50日分)

65歳の壁|64歳11ヶ月退職のほうがお得な理由

定年後の働き方を考えるうえで、「64歳11ヶ月で退職するか、65歳まで働いてから退職するか」は大きな分岐点です。

【64歳11ヶ月退職と65歳退職の比較】
※月収30万円・雇用保険被保険者期間20年以上のモデルケース

退職タイミング 給付の種類 給付日数 受給総額(概算)
64歳11ヶ月で退職 基本手当(失業手当) 150日 約75万円前後
65歳に到達後 退職 高年齢求職者給付金 50日 約25万円前後
差額 約50万円前後

わずか1か月の違いで 約50万円前後もの差 が出るケースがあります。

※実際の受給額は賃金日額・年齢・給付率・給付制限などによって異なります。

ただし、自己都合退職の場合は給付制限期間があり、注意が必要です。
また、退職タイミングによってはボーナスを受け取れないほか、会社の退職金規定によっては定年退職の方が退職金が多いケースもあります。

勤務先の規定とあわせて慎重に判断することをおすすめします。

年金と雇用保険の関係|70歳・75歳以上はどうなる?

「年金を受け取りながら、失業手当ももらえないか?」という疑問の答えは、給付の種類によって異なります。

給付の種類 老齢厚生年金との関係
基本手当(失業手当・65歳未満) 受給中は老齢厚生年金が支給停止
高年齢求職者給付金(65歳以上の一時金) 年金と併給可能

65歳未満で失業手当を受給する場合、その期間中は老齢厚生年金が止まります。

一方、65歳以上の高年齢求職者給付金は年金と同時に受け取れるため、年金生活者にとっては実質的なボーナス収入となります。

なお、70歳・75歳・80歳以上でも加入可能で、年齢の上限はありません。

また、65歳以上で複数の事業所を掛け持ちしている方は、「雇用保険マルチジョブホルダー制度」を利用できます。

それぞれの労働時間が週5時間以上20時間未満でも、合計が週20時間以上であれば対象です。
さらに、31日以上の雇用見込みがあり、本人が申し出ることで加入できます。

雇用保険の加入手続き|必要書類・期限・ハローワーク

加入手続きは会社(事業主)側が行うもので、従業員本人がハローワークに出向く必要はありません。

ただし、「手続きが正しく行われているか」を従業員側でも確認しておくことは大切です。

加入手続きの流れと必要書類

事業主が行う加入手続きの標準的な流れは次のとおりです。

ステップ 内容
従業員から「雇用保険被保険者証」を回収(前職がある場合のみ)
「雇用保険被保険者資格取得届」を作成
管轄のハローワークへ提出(窓口・郵送・電子申請のいずれか)
ハローワークから書類を受領し、従業員へ交付

必要書類は原則として 「雇用保険被保険者資格取得届」のみ
期限内に提出すれば、ほとんどのケースで添付書類は不要です。

ケース 必要書類
期限内(通常) 雇用保険被保険者資格取得届のみ
期限超過(6か月以内) 上記+出勤簿・賃金台帳
6か月以上の遅れ 上記+遅延理由書
兼務役員・同居親族 上記+実態証明書、登記事項証明書など

提出先と提出期限|翌月10日までにハローワークへ

提出期限は、雇用した日の属する月の翌月10日までです。

たとえば、4月15日に雇用を開始した場合、提出期限は 5月10日 となります。
郵送する場合はハローワークへの 到着日 が提出日扱いになるため、余裕を持って発送しましょう。

提出方法は次の3種類です。

提出方法
  • 窓口持参:その場で不明点を相談できる
  • 郵送:移動時間が不要(到着日が提出日)
  • 電子申請(GビズID):24時間提出可能・用紙不要

従業員側がやることはある?

従業員側でやるべきことは基本的にありません。
ただし、以下の2点は確認しておきましょう。

確認項目
  • 入社後に会社から「雇用保険被保険者証」を受け取ったか
  • 給与明細の「雇用保険料」欄に控除があるか

被保険者証は加入手続き後にハローワークから会社経由で交付されます。

万が一、入社から数か月経っても被保険者証が交付されない、給与明細に雇用保険料の記載がない場合は、会社の総務・人事に確認しましょう。

加入条件を満たさなくなった/会社が加入してくれない時の対処法

雇用保険の加入後、シフト変更で労働時間が減ったり、会社が手続きを怠っていたりするケースは少なくありません。

よくあるトラブルの対処法を解説します。

週20時間未満になった時・誤って加入されていた場合

週の所定労働時間が20時間未満に変更された場合は、雇用保険の資格喪失手続きが必要です。
会社は「雇用保険被保険者資格喪失届」を被保険者でなくなった日の翌日から10日以内に提出します。

資格喪失となっても 過去の加入期間は失業手当の受給要件としてカウントされ続けます

逆に、「週20時間未満なのに、いつの間にか雇用保険に加入されていた」というケースもあります。
この場合は、会社を通してハローワークで 資格取消し の手続きを行います。
誤って徴収された保険料は 会社側で訂正・清算対応が行われるのが一般的です。(労働保険の還付請求には原則2年の時効)。

会社が雇用保険に加入してくれない時の対処法

「条件を満たしているのに、会社が雇用保険に加入させてくれない」というのは、パート・アルバイトの方から多く聞かれる悩みです。

事業主には加入義務があり、加入を怠った場合は次の罰則があります。

雇用保険法第83条 事業主が加入手続きを怠った場合:6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金

会社が加入を渋った場合の対処法は、次の3ステップで進めます。

【ステップ①】会社に直接確認する
まずは穏便に、総務・人事担当に「雇用保険の加入手続きはどうなっていますか?」と確認します。
事務手続きの遅延が原因のケースも多く、ここで解決することも珍しくありません。

【ステップ②】ハローワークに相談する
会社が対応してくれない場合は、勤務先を管轄するハローワークに相談します。
ハローワークの「確認請求」という制度を使えば、ハローワーク側から会社に対して加入を指導してもらえます。

相談時には、雇用契約書・給与明細・タイムカードのコピーなどを持参するとスムーズです。

【ステップ③】労働基準監督署や労働局に相談する
ハローワーク経由でも改善しない場合は、労働基準監督署や都道府県の労働局に相談する選択肢もあります。

遡って加入できる?最大2年のさかのぼり加入手順

「過去に未加入のまま退職してしまった」「未加入期間がある」という場合も、最大2年まで遡って加入手続き が可能です。

パターン 遡及できる期間 必要な証拠書類
原則 最大2年 雇用契約書・出勤簿・賃金台帳など
例外(保険料天引きが確認できる場合) 2年を超えて 遡及可能 給与明細・源泉徴収票など

特に重要なのが例外パターンです。

給与明細で「雇用保険料」の天引きが確認できれば、2年の上限を超えて遡及加入が可能です(平成22年10月の制度改正による)。

遡及加入が認められれば、被保険者期間が長く算定され、失業手当の所定給付日数が増えるなどのメリットがあります。

雇用保険の加入条件に関するよくある質問(FAQ)

最後に、雇用保険の加入条件についてよく寄せられる5つの疑問にお答えします。

Q1.雇用保険は週20時間未満でも加入できますか?
A.  原則として加入できません。

現行制度では、1週間の所定労働時間が20時間以上であることが加入の必須条件です。
ただし、2028年10月からの法改正で 「週10時間以上」 に要件が緩和される予定です。

Q2.パートで1ヶ月だけ88,000円を超えたらどうなりますか?
A.  雇用保険には影響しません。

「月88,000円」は 社会保険(健康保険・厚生年金)の判定基準 であり、雇用保険には関係ありません。
雇用保険は「週20時間以上 × 31日以上の雇用見込み」のみで判定されます。

Q3.雇用保険に入れない働き方はありますか?
A.  あります。

経営者・役員、同居の親族、昼間学生、公務員、個人事業主・フリーランス、4か月以内の季節的事業に雇用される人などが対象外です。

Q4.パートでも何時間働いたら雇用保険が適用されますか?
A.  1週間の所定労働時間が20時間以上です。

「1日5時間×週4日」「1日4時間×週5日」のような働き方であれば、加入対象となります。
あくまで契約書に書かれた所定労働時間が判定基準です。

Q5.70歳を過ぎても失業保険はもらえますか?
A. もらえます。年齢に上限はありません。

70代・80代でも、要件を満たせば「高年齢求職者給付金」として一時金が支給されます。
雇用保険の被保険者であった期間と離職前1年間の勤務実績(通算6か月以上)の条件となります。
年金との併給も可能です。

まとめ|雇用保険の加入条件チェックリスト

ここまで解説した内容を、最後にチェックリスト形式で整理します。

雇用保険 加入条件チェックリスト
  • 1週間の所定労働時間が20時間以上ある
  • 31日以上の雇用見込みがある
  • 学生ではない(昼間学生に該当しない)
  • 経営者・役員ではない
  • 同居の親族として家族経営の会社で働いていない

3つの基本要件をすべて満たし、かつ 加入対象外の6パターンに該当しない 場合、雇用保険に加入できます。

【パターン別の早見表】

あなたの状況 加入対象?
扶養内パート(週20時間以上) 加入対象(扶養も維持できる)
シフト変動で月により増減 契約上の所定労働時間で判定
65歳以上で再雇用 加入対象(高年齢被保険者)
昼間学生のアルバイト 原則対象外
個人事業主・フリーランス 対象外

雇用保険は、失業時の生活保障・育児休業給付・教育訓練給付など、働く人を多角的に支えるセーフティネットです。

「保険料を払うのはもったいない」と思われがちですが、給付額は保険料を大きく上回るケースがほとんどです。

ご自身が加入対象に該当する場合は、勤務先で適切な手続きが行われているかを確認しましょう。

未加入期間がある場合や会社が手続きしてくれない時は、管轄のハローワークへ相談してみてください。。
遡及加入や是正手続きが可能です。

不安な点が残る方は、社会保険労務士やハローワークの相談窓口を積極的に活用しましょう。

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