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2026.03.31

リードブレーン株式会社

テーマ:

人手不足の実態|業界ランキング・辞めたい人の対処法や解決策を解説

日本における人材不足の原因とは?業界ごとの傾向も解説 | 株式会社スタッフ満足

「毎日残業なのに人が増えない」
「また同僚が辞めた…」
実は今、日本企業の半数以上が深刻な人手不足です。
2025年10月時点で正社員が不足している企業は51.6%、人手不足による倒産は過去最多を更新。

人手不足は少子高齢化や労働条件の悪化など複合的な要因で起きています
個人の努力では解決できない構造的な問題です。

人手不足の職場で疲弊しているなら、退職は正当な選択肢。
この記事では、人手不足の原因や辞めたいときの判断基準や対処法まで詳しく解説します。

この記事でわかること
  • 人手不足の定義と「人材不足」との違い
  • 人手不足の現状データと業界ランキング
  • 人手不足が深刻化している4つの原因
  • 「辞めたい」と感じたときの判断基準と対処法

人手不足とは?

日本の現状を最新データで解説 まずは「人手不足」の正確な意味と、日本企業が置かれている現状を把握しましょう。
最新の調査データをもとに、どれほど深刻な状況なのかを解説します。

人手不足の定義と「人材不足」との違い

人手不足とは、企業が業務を遂行するために必要な労働者の「数」が足りていない状態を指します。
一方で人材不足は、必要な技術を持った人が足りないことを指します。

つまり、人手不足は「誰でもいいから人が欲しい」状態、人材不足は「スキルを持った人が欲しい」状態といえます。

2026年現在では、どちらの問題も同時に起きているのが大きな問題です。

【2025年最新】人手不足の現状データ

では、実際にどれほどの企業が人手不足に陥っているのでしょうか。
帝国データバンクの調査データを見てみましょう。

人手不足割合の推移(2025年)

時期 正社員不足 非正社員不足
2025年1月 53.4%(コロナ禍以降最高) 30.6%
2025年4月 51.4%(4月として過去最高) 30.0%
2025年7月 50.8% 28.7%
2025年10月 51.6%(4年連続で半数超) 28.3%

出典:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査」

注目すべきポイントは以下の3点です。

① 正社員不足が「高止まり」状態

2025年を通じて、正社員が不足している企業は常に50%以上を維持しています。
つまり、日本企業の2社に1社以上が「人が足りない」と感じている状況です。

② 景気が良いから人手不足…ではない

過去に人手不足割合が最も高かったのは2018年11月(53.9%)。
当時は景気が上向いていたため、事業拡大に伴う人材需要の増加が原因でした。
しかし、現在の景気は上昇局面ではありません。

③ 就業者数は増えているのに人手不足

女性やシニア層の社会進出により、日本の就業者数は年々増加しています。
にもかかわらず、企業の人手不足感は改善していません。

これは、働く人の総数が増えても、企業が求める人材とのミスマッチが解消されていないことを示しています。

人手不足倒産が過去最多を更新

人手不足は、企業の存続そのものを脅かすレベルにまで深刻化しています。
帝国データバンクの調査によると、従業員の退職や採用難、人件費高騰を原因とする「人手不足倒産」は2025年に427件発生しました。

前年(342件)から約25%増加し、3年連続で過去最多を更新しています。

人手不足倒産の推移

件数 前年比
2023年 260件
2024年 342件 +31.5%
2025年 427件 +24.9%

出典:帝国データバンク「人手不足倒産の動向調査」

業種別では、建設業が113件で初めて100件を超え、物流業が52件と続きました。
いずれも2024年4月から時間外労働の上限規制が適用された「2024年問題」の対象業種。

人手不足と働き方改革の板挟みに苦しんでいる実態がうかがえます。

また、全体の77%が「従業員10人未満」の小規模企業でした。

こうした企業では従業員1人の退職でも事業継続が困難になるケースが多く、人手不足がダイレクトに倒産につながっています。

人手不足は「採用できない」という問題にとどまりません。
会社の存続そのものを左右する経営課題であることを、このデータは示しています。

人手不足の原因4つ|なぜ今こんなに深刻なのか?

なぜ、これほどまでに人手不足が深刻化しているのでしょうか。
その原因は一つではなく、複数の要因が複雑に絡み合っています。

ここでは、主な4つの原因を解説します。

少子高齢化による労働力人口の減少

人手不足の最大の原因は、日本全体で「働ける人」が減り続けていること

です。 日本の生産年齢人口(15〜64歳)は1995年の8,716万人をピークに減少。
2025年には約7,170万人まで落ち込んでいます。
約30年間で1,500万人以上が減った計算です。

さらに、2025年は「団塊の世代」約800万人が後期高齢者になる「2025年問題」の年でもあります。
働く人が減る一方で、支えなければならない高齢者は増えるという構造的な問題が、人手不足の根底にあります。

女性やシニア層の就業率向上によって一時的にカバーされてきました。
その効果も限界に近づいています。 少子化が続く限り、労働力人口の減少は今後も止まりません。

賃金が上がらない・労働条件が悪い

「人手不足なのに、なぜ賃金が上がらないのか?」 この矛盾は、人手不足問題を語る上で避けて通れません。
本来、労働市場の需給バランスでは、人手が足りなければ賃金は上がるはず。

しかし現実には、多くの企業特に中小企業は賃上げの余力がありません。

賃金が上がらない主な理由
  • 価格転嫁ができない:原材料費や人件費が上がっても、取引先や消費者に価格転嫁できない
  • 利益率が低い:特に飲食・小売・介護などは利益率が低く、賃上げ原資を確保しにくい
  • 大企業との格差:大企業は「初任給30万円時代」に突入する一方、中小企業は追随できない

人手不足倒産が急増している道路貨物運送業の価格転嫁率はわずか28.6%(全業種平均39.4%)。
人件費が上がっても運賃に反映できず、経営を圧迫している実態があります。

結果として、賃金が低い→人が集まらない→残った人に負担が集中→さらに離職→さらに人手不足という悪循環に陥っています。

また、賃金以外にも労働条件の問題が、人材確保を難しくしています。
「人が来ない」のではなく、「来たくない会社になっている」この視点が欠けている企業は少なくありません。

価値観・働き方の変化

人手不足の原因として見落とされがちなのが、仕事に対する価値観の変化です。
リーマンショックやコロナ禍など不安定な社会情勢の中で、人々の仕事観に変化が出てきました。

全世代がワークライフバランス重視へのシフトをしています。
そのため「会社に尽くせば報われる」という価値観を持たず、自分の人生を守るために働くというスタンスが強いのです。

企業に対してもシビアになり、条件が合わなければ躊躇なく環境を変える人が増えてきました。

「人手不足なのに雇わない」企業側の問題

人手不足は、「人手不足なのに雇わない」という企業側の問題もあります。
会社側が適切な対策(採用や投資)を怠っているというのが最大の原因です。

特に問題なのは、「今いる社員で何とかしよう」という判断。
経営者や管理職が「まだ大丈夫」「みんなで頑張れば乗り切れる」と考えている間に、現場の負担は限界に達します。

その結果、優秀な人から順に辞めていき、さらに人手不足が悪化するという悪循環に陥ります。

本当に「雇えない」企業も存在します。
しかし一方で、「雇えるのに雇わない」企業も少なくありません。

人手不足は会社側の責任です。
「人が足りないのは分かっているが、何もしない」という姿勢は、残された社員への裏切りとも言えます。

人手不足の業界ランキング【2025年最新】

ここからは、具体的にどの業界で人手不足が深刻なのかを見ていきましょう。
帝国データバンクの最新調査データをもとに、ランキング形式で紹介します。

正社員が不足している業界ランキングTOP10

2025年10月時点の調査結果をもとに、正社員の人手不足が深刻な業界をランキングにまとめました。

正社員不足 業界ランキング(2025年10月)

順位 業界 不足割合
1位 建設 70.2%
2位 情報サービス 69.9%
3位 メンテナンス・警備・検査 66.7%
4位 運輸・倉庫 63.9%
5位 人材派遣・紹介
6位 医療・福祉
7位 飲食料品小売 54.5%
8位 各種商品小売 54.2%
9位 飲食店
10位 旅館・ホテル

出典:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査(2025年10月)」

建設業が70.2%で1位に。
 2024年問題(時間外労働の上限規制)の影響で、「仕事はあるのに人が足りず受注できない」という声が多く聞かれます。

情報サービス業は69.9%で2位。
システムエンジニア不足が深刻で、2024年度のソフトウェア業者の倒産は過去10年で最多を記録しました。

運輸・倉庫は63.9%で4位。
ドライバー不足に加え、2024年問題で労働時間が制限されたことで、さらに人手が必要な状況に追い込まれています。

非正社員(パート・アルバイト)が不足している業界ランキング

正社員だけでなく、非正社員(パート・アルバイト)の人手不足も深刻です。
特に飲食・小売・サービス業など、非正社員が多くの業務を担っている業界で顕著になっています。

非正社員不足 業界ランキング(2025年)

順位 業界 不足割合
1位 人材派遣・紹介 65.3%
2位 飲食店 60.7%
3位 各種商品小売(百貨店・コンビニ等) 56.8%
4位 飲食料品小売(スーパー等) 54.5%
5位 メンテナンス・警備・検査
6位 旅館・ホテル 50.0%
7位 娯楽サービス

出典:帝国データバンク「人手不足に対する企業の動向調査」

人材派遣・紹介業が1位というのは象徴的です。
人手不足を解消するために派遣人材を求める企業が増えた結果、派遣会社自体が人材を確保できなくなっています。

飲食店は改善傾向にあるが依然高水準。
2023年4月には85.2%だった不足割合が、DXやスポットワークの活用が進み2025年4月には65.3%まで低下。
緩和の兆しが見え始めています。
DXやスポットワーク(単発バイト)の普及が背景にあります。

旅館・ホテルも同様に改善傾向。
コロナ禍で離れた非正社員が徐々に戻りつつあり、インバウンド需要の回復に対応できるようになってきています。

業界別の人手不足の原因と特徴

人手不足の原因は業界によって異なります。
主要な業界ごとに、その特徴と背景を整理しました。

業界別 人手不足の原因

業界ごとに人手不足の主な原因をまとめました。

業界 主な原因
建設業 職人の高齢化(55歳以上が35.9%)、若者離れ、2024年問題による労働時間制限
情報サービス業 ITエンジニアの需要急増、スキルマッチする人材の絶対数が不足
運輸・物流業 ドライバーの高齢化、長時間労働のイメージ、2024年問題
介護・福祉業 重労働・低賃金、精神的負担、離職率の高さ
飲食・宿泊業 シフト制の不規則さ、土日祝勤務、コロナ禍での人材流出
小売業 立ち仕事の体力的負担、時給水準の低さ、接客ストレス

出典:国土交通省「最近の建設業を巡る状況について」

人手不足の原因に共通する特徴

人手不足が深刻な業界には、いくつかの共通点があります。

  • 「きつい・汚い・危険」のイメージが残っている
  • 賃金水準が他業界に比べて低い
  • 労働環境の改善が進んでいない
  • 若者から「選ばれない業界」になっている

逆に言えば、これらの課題を解決できた企業は、人手不足の中でも人材を確保できています。
「人手不足だから仕方ない」ではなく、企業努力で改善できる余地は大きいのです。

同じ業界内でもDX化や賃上げに成功し、活気ある職場へと生まれ変わっている企業も増えています。
『業界全体がダメ』なのではなく、『時代に合わせて変化できている会社か』を冷静に見極めることが大切です。

人手不足の職場を辞めたい!退職の判断基準と対処法

ここからは、労働者の視点で人手不足問題を考えていきます。
「人手不足で毎日キツい」「でも辞めたら迷惑をかける…」そんな葛藤を抱えている方に向けて、退職の判断基準と具体的な対処法を解説します。

人手不足は会社の責任|あなたが罪悪感を感じる必要はない

最初に断言します。 人手不足は、100%会社の責任です。
あなたが罪悪感を感じたり、「自分が辞めたら迷惑がかかる」と思い詰めたりする必要はまったくありません。

人手不足が発生するのは、会社側の問題が原因です。

適切な人員配置を行うのは経営者の仕事であり、それができていないのは会社のマネジメントの問題。
一人の従業員が「自分が頑張ればなんとかなる」と無理を続けても、根本的な解決にはなりません。

むしろ、あなたが体を壊したり、メンタルを病んだりするリスクのほうがはるかに大きいのです。

「辞めたら迷惑」は本当?

よく「自分が辞めたら残った人に迷惑がかかる」と考える人がいます。

しかし、冷静に考えてみてください。
今、あなたが過重労働を強いられているのは誰のせいですか?
人を補充しないのは誰の判断ですか?

迷惑をかけているのは、会社であって、あなたではありません。

会社は人手不足になったら採用すればいいだけです。
あなたが辞めた後の対応も、会社が考えるべきことです。

退職は労働者の権利

日本国憲法は「職業選択の自由」を保障しています。
また、民法627条により、正社員(無期雇用)の場合、退職の意思を伝えてから2週間で退職できることが法律で定められています。

退職届を提出すれば、会社の承諾がなくても2週間後には辞められるのです。

「人手不足だから」「今は困る」という会社の都合は、あなたの権利を制限する理由にはなりません。
会社が

「人手不足だから辞めさせない」と言っても、法的には無効

です。

民法627条(退職の自由)

「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。」

人手不足の職場から転職を成功させる4つのポイント

人手不足の職場から転職する際に押さえておきたいポイントを紹介します。

ポイント①:在職中に転職活動を始める

可能であれば、退職前に転職活動を始めましょう。
収入が途切れる不安がなくなり、焦らずに良い条件の企業を探せます。

人手不足の業界から離れたい場合は、未経験でも採用されやすい業界を狙うのも手です。

ポイント②:転職エージェントを活用する

忙しい中で転職活動を進めるなら、転職エージェントの活用がおすすめです。

求人の紹介や履歴書などの添削、面接対策や年収の交渉まで細かくサポートしてもらえます。
サポートは無料で、効率良く転職活動を進められます。

ポイント③:「人手不足」を退職理由にしない

面接で前職の退職理由を聞かれた際、「人手不足でキツかったから」とストレートに伝えるのは避けましょう。
「キツかった」というのはネガティブな印象を与えてしまいます。

「より専門性を高められる環境で働きたい」「ワークライフバランスを整えて長く働きたい」などポジティブな言い換えをするのがコツです。

ポイント④:次の職場選びでは「人が定着しているか」をチェック

転職先を選ぶ際は、「人手不足の職場」を避けることが重要です。

人手不足ではないか?は以下のポイントをチェックしましょう。

  • 離職率:高すぎないか(業界平均と比較)
  • 平均勤続年数:短すぎないか
  • 口コミサイトの評判:退職理由に「人手不足」が多くないか
  • 常に求人を出していないか:年中募集している会社は要注意

まとめ|人手不足は構造的な問題、あなたのせいではない

この記事では、日本の人手不足について解説してきました。

この記事のまとめ
  • 正社員が不足している企業は51.6%(2025年10月時点)
  • 2025年の人手不足倒産は427件で3年連続過去最多
  • 人手不足の原因は少子高齢化による労働力人口の減少
  • 賃金が上がらない・労働条件が悪い企業には人が集まらない
  • 価値観の変化(ワークライフバランス重視、転職ハードル低下)
  • 「人手不足なのに雇わない」企業側の問題
  • 人手不足ランキング上位でも企業側の努力で活気づいた会社もある
  • 転職は労働者の権利

人手不足は、会社の責任です。
あなたが罪悪感を感じる必要はありません。

必要な人員を確保し、適切な労働環境を整えるのは経営者の仕事。

一人の従業員が無理を続けても、構造的な問題は解決しません。

もし今の職場で以下のような状況にあるなら、転職を真剣に検討してください。

  • 慢性的な長時間労働が続いている
  • 体調不良やメンタルの不調が出ている
  • 退職者が続出している
  • 会社が人手不足を放置している
  • 成長の機会がなく、将来が見えない

退職は労働者の権利です。
民法627条により、退職届を提出すれば2週間後には退職できます。

「人手不足だから辞められない」ということはありません。
あなたの健康とキャリアを最優先に考えてください。

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