令和4年11月8日に中小企業庁より「中小企業・小規模事業者等関連　令和4年度補正予算のポイント」が公表されました！今回はその概要と予算案の中から『事業再構築補助金』をピックアップしてその詳細を見ていきます。

令和4年度補正予算案(中小企業・小規模事業者等関連)は1兆1,190億円！

概要　　　

1．資金繰り支援＜2,981億円＞ ※財務省計上分212億円を含む

　▶新たな借換え保証制度の創設

　▶経営者保証を徴求しない創業時の信用保証制度の創設

2．価格転嫁対策の更なる強化＜4.8億円＞

　▶下請Gメンの体制を強化　等

3．事業再構築補助金＜5,800億円＞

　後述にて詳しく解説いたします！

4．生産性革命推進事業＜2,000億円＞※国庫債務負担含め総額4,000億円

　▶ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金、事業継承・引継ぎ補助金での一部補助率や上限額を引上げ

5．円安環境への対応、相談体制強化＜196億円+α＞

　▶輸出促進、インバウンドでの円安環境への支援策

　▶インボイス・物価高対応、再生・事業承継等の相談体制の強化

6．災害からの復旧・復興【209億円】

『事業再構築補助金』主な制度内容について

2021年3月からスタートした新分野展開や業態転換等を支援する「事業再構築補助金」には5800億円が計上されています。その詳しい支援内容の4つのポイントについてご説明いたします！

①成長分野への転換の支援

新たに市場規模が10%以上拡大する業種・業態への転換を支援する「成長枠」が創設され、「グリーン成長 枠」についても研究開発等の要件を２→１年に短縮等した「エントリークラス」を新設し、裾野拡大されます。また事業終了後3~5年で中小・中堅企業から中堅・大企業へ卒業した場合に上限が2倍となる「卒業促進 枠」も新たに創設されます。

②賃上げに対する支援

以前より設けられていた賃上げに対する支援、今回はグリーン成長枠・成長枠において、補助事業期間内に事業場内最低賃金を年45円以上引上げた場合等 に補助率を1/2→2/3に引上げ、また事業終了後3~5年で同水準等を達成すれば上限3,000万円が増額されます。

③産業構造転換等の促進

新たに市場規模が10%以上縮小する業種・業態からの転換を支援する最大7000万「産業構造転換枠」が創設されます。さらに廃業費 がある場合、上限を2,000万円上乗せし、海外から国内への回帰等を促進する「サプライチェーン強靱化 枠」(上限5億円、補助率1/2)も新設されます。

④引続き業況の厳しい事業者への支援

第7回から創設された新型コロナや物価高高騰等により業況が厳しい事業者や、最低賃金引上げの影響を大きく受ける事業者を引き続き手厚く支援する「物価高騰対策・ 回復再生応援枠」が継続されます。(補助率:2/3～3/4、売上10%減少等が要件)。

補正予算額としては前年度より縮小（令和3年度補正予算額 6,123億円）していますが、大胆な賃上げに取り組む事業者や成長分野への前向き投資を行う事業者への補助率や上限額の引き上げがみられます。新たな事業への展開と同時に賃上げ等の取組を検討されている方は、お気軽に弊社へお問い合わせください！