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2019.09.21

リードブレーン株式会社

テーマ:

【コラム】会社設立時、資本金とする額の全額を現物出資で行う場合の手続きは?

会社設立時、資本金とする額の全額を現物出資で行う場合の手続は?

事例

出資総額を700万円として株式会社を設立するのに、発起人Aは400万円相当の上場有価証券を、発起人Bは300万円相当の販売用商品を、それぞれ現物出資したいと思います。どのような手続を踏めばよいのでしょうか。

ポイント

実務解説

現物出資では、定款への記載、検査役による調査、設立時取締役の調査という手続を踏む必要があります。

定款への記載

金銭以外の財産(動産、不動産、債権、有価証券、知的財産権、事業の全部又は一部など)を出資(現物出資)する場合には、出資者の氏名・名称、出資する財産とその価格、出資者に割り当てる設立時発行株式の数を定款に記載しなければなりません(会社28一)。その趣旨は、出資する財産が過大評価されて、他の株主や債権者が害されることを防ぐことにあります。なお、現物出資は発起人しかすることができません。

検査役の調査

現物出資について定款に記載したときは、発起人は、公証人による定款の認証後遅滞なく、裁判所に検査役の選任を申し立てなければなりません(会社33①)。

裁判所が選任した公正中立な立場の検査役は、必要な調査を行い、結果を裁判所に報告します(会社33④)。

裁判所は、現物出資の定款記載事項を不当と認めたときは、これを変更する決定をします(会社33⑦)。この決定により定款は強制的に変更されます。

検査役の調査が免除される場合

①現物出資する財産の定款に定めた価格の総額が500万円を超えない場合、②現物出資する財産が市場価格のある有価証券であって、定款に定めた価格が市場価格を超えない場合、③現物出資する財産の定款に定めた価格が相当であることにつき弁護士・公認会計士・税理士の証明(不動産の場合には不動産鑑定士の鑑定評価)を受けた場合には、検査役の検査は不要になります(会社33⑩)。

本事例では、現物出資の総額が700万円なので上記①は適用されません。発起人Aの上場有価証券については上記②が適用され、検査役の調査は不要になります。発起人Bの販売用商品については、上記③の弁護士等の証明を受けるか、検査役の調査を受けることになります。

設立時取締役等の調査

設立時取締役(監査役設置会社である場合には設立時監査役も)は、検査役の調査が免除された現物出資について、相当であることを調査しなければなりません(会社46①)。

 


現物出資は不足額があった場合支払義務がありますので注意しましょう。

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