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2020.02.25
リードブレーン行政書士法人
テーマ:
【コラム】監理団体の許可制
監理団体の許可制
2.職業安定法の特例等
監理団体が技能実習生と実習実施期間の間に雇用関係をあっせんする場合、職業安定法に規定する「職業紹介事業」に該当します。
本来であれば職業紹介に関する許可等(職業安定法30条、33条)が必要ですが、技能実習法では「雇用関係成立のあっせんから技能実習に関する監理を一貫して行う事業」を監理事業と定義し、許可制を採っています。
このため、監理団体は、職業安定法による許可を必要としないという特例を設けています(技能実習法27条1項)。
監理団体は、団体監理型実習実施者・技能実習生から、原則としていかなる名義でも手数料・報酬を受け取ってはなりません。ただし、通常必要な経費を勘案して適正な監理非については、あらかじめ用途・金額を明示したうえで徴収することができます。
3.監理団体に対する指導監督
主務大臣は、次のような権限を行使します。
①実習実施者・監理団体等に対し、報告・出頭を求め、立入検査等を行う(技能実習法35条)
➁監理団体に対して、改善命令を発する(同36条)
③監理許可の基準に違反するなど一定事由該当するときは、許可を取り消す(同37条)
4.監理団体の遵守事項
(1)帳簿の備付け
監理団体は、監理事業に関する帳簿書類を作成し、技能実習の終了から1年間保存する義務を負います。
①実習実施者の監理簿
➁技能実習生の監理簿
③管理費に係る管理簿
④雇用関係のあっせんに係る管理簿
⑤技能実習の実施状況の監理に係る書類
⑥入国前・入国後講習の実施状況を記録した書類
⑦訪問指導の内容を記録した書類
⑧外部監査の結果を記録した書類等
などが対象となります。
(2)監査報告
監理団体は、技能実習の実施状況の監査を行ったときは、遅滞なく監査報告書を作成し、機構に提出しますが、期限は4月1日から5月31日までとされています。
そもそも、第3号技能実習の実習監理(5年間)まで行うことができる一般管理事業許可を得るためには、「優良な管理団体」であることが求められます。許可を受けた後も、許可の基準を満たさなくなった時には、管理事業の全部または一部の停止や、許可の取り消しの可能性もあります。管理と受入れにはランニングコストが掛かってくるので、実習制度の本来の意味を考えて適正な運用をしていきたいですね。