COLUMN
お役立ちコラム
2023.09.25
リードブレーン社会保険労務士法人
テーマ:
「多様な正社員」の現状
無期転換ルールによって無期雇用となった社員の重要な受け皿の1つとして期待されている「多様な正社員」。
労働政策研究・研修機構が、企業側、労働者側それぞれについて調査を行った結果(2021年実施)が公表されています。
企業調査として従業員規模30人以上の全国の民間企業等が5,700社あまり、労働者調査として20歳以上の正社員、契約社員・嘱託、パート・アルバイト、派遣社員が2万人回答しています。
【労働政策研究・研修機構「多様化する労働契約の在り方に関する調査」】https://www.jil.go.jp/institute/research/2022/224.html
「多様な正社員」とは?
「多様な正社員」とは普通の正社員とは異なり、勤務地、労働時間、職務などが限定されている正社員を指します。「限定正社員」とも呼ばれます。
多様な正社員の制度を取り入れることで以下のようなメリット・デメリットがあります。
【企業側のメリット】 ・優秀な人材の確保、定着 ・多様な人材の活用 ・技能の蓄積、承継 ・地域に根ざした事業展開 |
【労働側のメリット】 ・ワークライフバランスの実現 ・キャリア形成、キャリアアップ ・雇用の安定、処遇の改善 |
【デメリット】 ・待遇のバランスが難しい ・人事管理が複雑になる |
多様な正社員がいる企業
多様な正社員(勤務地限定・職務限定・労働時間限定)がいる企業は、全体の18.3%となっています。
採用方法
企業が多様な正社員を採る方法は、「中途・通年採用」の割合が最も高くなっています。
「有期契約労働者からの転換」や「無期転換社員からの転換」によっている企業の割合も約2割あります(複数回答)。
トラブル
限定された労働条件の変更について、限定内容に反することや限定区分の変更による配慮などに関してトラブルが生じているようです。
内容は、企業側からの区分変更の申入れが拒否された、労働者側からは会社都合で限定内容が変更された、という原因がそれぞれ最も高くなっています。
調査では、限定内容の説明をしていなかったり、限定内容について規定していなかったりした企業で、よりトラブルが多く発生していると報告されています。
最後に
「多様な正社員」は企業側にも従業員側にもメリットがあり、注目が高まっている働き方ですが、円滑に運用するには細かい制度決めなど入念な準備が必要となります。こちらの雇用制度に関する疑問や、導入にあたっての不明点などございましたら、お問い合わせください。
またリードブレーンでは労務相談や社会保険の手続きなど、労働環境を整えるためのサポートをしております!少しでもご興味ありましたらお気軽にお問い合わせください。