COLUMN
お役立ちコラム
2019.05.27
リードブレーン社会保険労務士法人
テーマ:
【コラム】職場でありがちなトラブル事例に関して
◆職場でありがちなトラブル事例
正社員をパートに降格したい。ミス連発で引受け部署なし
今回は、珍しく事業主サイドが申請人となったケースです。
従業員Aさんは製造業B社に正社員として採用され、部品組立て作業に従事していましたが、
作業ミスが多いため、作業長も最後にはサジを投げる状態に至りました。
B社では製造部門で配転を繰り返しましたが、いずれも上司が音を上げて、他部署への配転を上申してきます。
その後、事務部門に異動させましたが、発注・コピーミス等が多いうえに、作業スピードも極端に遅く、
用品の紛失等も続きます。
最終的に、パートに身分変更し、清掃業務に従事させるという案が出されましたが、
Aさんは頑として拒否します。万策尽きた事業主が、あっせんを申請したものです。
指導・助言の内容
事業主に対しては、正社員からパートへの身分変更を強制する権限が会社側にない点を説明しました。
しかし、事業主は「労働条件の変更を受け入れなければ解雇する(変更解約告知)」という姿勢を崩しません。
従業員側もプライドが高く、両者の歩み寄りは困難に思えましたが、あっせんの途中で、Aさんの方から
「半年後に結婚するので、その時点で自己都合退職という形にしたい」という申し出があったので、
その方向で会社と合意点を探りました。
結果
会社とAさんの間で、「今後も正社員の身分は変更せず、半年後の平成〇年〇月〇日に自己都合退職する」
という内容の和解契約が結ばれました。
上記の事例では無事和解することができましたが、業務遂行能力が理由の解雇は不当解雇と判断されてしまうこともあり、トラブルになりやすいです。労働者と話し合い配置転換や業務内容を見直し、トラブルに気を付けましょう。