COLUMN
お役立ちコラム
2019.02.19
リードブレーン社会保険労務士法人
テーマ:
【コラム】送検事例・実務に役立つ Q&A
◆送検
年少者に高所作業させ送検 塗装中に墜落して入院 西宮労基署
兵庫・西宮労働基準監督署は、17歳の労働者の墜落災害に関連して、元請会社と同社の現場責任者、下請けの個人事業主を神戸地検に書類送検しました。
塗装作業が行われていた木造家屋の屋根の端は、地上から6メートルの高さに位置していました。
「18歳未満の年少者」については「高さ5メートル以上の墜落のおそれのある場所」での作業が禁じられています(労基法62条、年少則8条24号)。
個人事業主は、さらに高所作業を行わせる際の墜落防止措置も怠っていました。
元請会社は、建設物・設備等を提供する「注文者」として講ずべき措置を行っていなかった容疑です(安衛法62条)
◆実務に役立つQ&A
自宅に戻り通災か 会議用資料忘れて帰宅
従業員が、会議用に作成した資料を自宅に置き忘れ、出勤してきました。上司に一喝され、自宅に戻りましたが、慌てていたため、
路上で自転車と接触しそうになったといいます。ケガをした場合、通勤災害の申請ができるのでしょうか。
通勤の定義は労災法7条にありますが、その基本パターンは「住居と就業の場所との間の往復」です。
ちなみに、「通勤は1日について1回しか認められないものではないので、昼休み等に帰宅する場合も、その往復行為は就業行為との関連性を認められる」
と解されています(平18・3・31基発0331042号)。
お尋ねのケースも自宅にいったん戻る形になりますが、個人の都合で帰宅したわけではありません。
上司の命令により、業務と関連のある書類を取りに行ったのですから、業務上の行為とみなされます。
例えば、顧客の会社等に書類を置き忘れたのと同様です。
業務上災害に該当しますが、交通災害ですから、通常の労災給付請求に合わせ、第三者行為災害届等も提出することになります。
通勤災害とは労働と関係のある移動中のことを指します。そのため、帰宅途中に友人と食事へ行きその帰り道に
怪我をした場合は、通勤中の中に業務とは関係のない行動が含まれているため適応とはなりません。
また通勤の経路に関しても『合理的な経路』でないといけません。起こり得る状況は様々なのでよく調べておく必要があります。