COLUMN
お役立ちコラム
2026.03.31
リードブレーン株式会社
テーマ:
病欠で有給を使いたくない!勝手に消化されるのは違法?対処法を解説

病欠時に有給休暇を勝手に使われて、モヤモヤした経験はありませんか?
給与明細を見て初めて有給残日数が減っていることに気づき、疑問を感じる方は少なくありません。
実際、SNSなどでも同じ悩みを抱える人の声が多数投稿されています。
結論からお伝えすると、会社が本人の同意なく有給休暇を強制的に消化させることは、労働基準法違反となる可能性があります。
有給休暇は労働者の権利であり、使用するかを決めるのはあなた自身です。
病欠時に有給を使いたくない場合は、「欠勤扱いにしてほしい」と会社に伝えれば、有給を温存することができます。
この記事では、以下の内容を詳しく解説します。
- 病欠で有給を勝手に使われるのは違法かどうか
- 病欠・欠勤・有給休暇の違いと基本的な仕組み
- 有給を使いたくない場合の具体的な対処法と伝え方
- 有給と欠勤、どちらを選ぶべきかの判断基準
- 会社への連絡方法(電話・メールの例文付き)
- よくある質問(パート・派遣・当日申請など)
「次からは有給を勝手に使われたくない」「自分の権利を正しく理解したい」という方は、ぜひ最後までお読みください。
病欠で有給を勝手に使われるのは違法?【結論から解説】
知らないうちに勝手に有休が減っていた、という経験をした方も多いのではないでしょうか。
会社が勝手に有給を使うことの違法性について、労働基準法の観点から詳しく解説します。
結論:本人の同意なく有給を消化させるのは労働基準法違反
結論として、会社が労働者本人の同意なく有給休暇を消化させることは、労働基準法第39条に違反する可能性が高いです。
労働基準法第39条では、有給休暇について以下のように定められています。
「使用者は、有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない」
つまり、有給休暇は労働者自身が「いつ使うか」を決める権利を持っているのです。
会社側には「時季変更権」という権利があります。
これは、業務に大きな支障が出る場合に限り、有給取得の時期を変更できるというものです。
しかし、これはあくまで「時期の変更」に関する権利であり、「有給を強制的に取得させる権利」ではありません。
したがって、以下のような会社の対応は違法となる可能性があります。
- 病欠した日を本人の同意なく自動的に有給扱いにする
- 「有給にしておいたから」と事後報告で処理する
- 就業規則で「病欠=有給消化」と一方的に定めている
もし会社がこのような運用をしている場合、労働基準監督署に相談することで改善を求めることができます。
なぜ会社は勝手に有給を使うのか?よくある3つのケース
違法の可能性があるのに、どうして会社は勝手に有休を使うのでしょうか。
会社が本人に確認せず有給処理をしてしまう背景には、主に以下の3つの理由があります。
- 親切心・好意のつもり
最も多いのが、「給料を減らしたくないから」という親切心からの対応です。
欠勤扱いにすると、その日の給料が差し引かれます。
「従業員のために有給を使っておいてあげよう」という好意から、確認なしに処理してしまうケースがあります。
しかし、有給を使うかどうかは本人が決めること。
たとえ好意であっても勝手に処理するのは問題です。
- 欠勤者を出したくない(管理上の都合)
会社の勤怠管理上、「欠勤」が記録されると管理職の評価に影響したり、部署の出勤率が下がったりすることがあります。
そのため、欠勤を表面上なくすために有給処理をするケースもあります。
これは会社側の都合であり、労働者の権利を侵害する行為です。
- 就業規則で「病欠=自動的に有給」と定めている
一部の会社では、就業規則に「病気で休んだ場合は有給休暇を優先的に消化する」と定めているケースがあります。
ただし、このような規定があっても労働者本人の請求や同意がない限り、無効となる可能性が高いです。
会社が一方的に有給を消化させることは原則として認められません。
有給休暇は原則として、勝手に振替強制は不可能です。
労働者が自由に使い道や時期を決める権利(時季指定権)があるからです。
【知恵袋の声】同じ悩みを持つ人は多い
「勝手に有給を使われた」という悩みは、決してあなただけではありません。
Yahoo!知恵袋や相談サイトには、同じような経験をした方からの投稿が数多く寄せられています。
「体調不良で休んだら、確認もなく有給処理されていました。有給は別の用途で使いたかったのに…」
引用:Yahoo知恵袋「有給を残しておきたいから欠勤でいいと伝えたのに、『有給があるんだから使いなさい』と言われました」
引用:Yahoo知恵袋「給与明細を見て初めて有給が減っていることに気づきました。事前に一言あってもいいのでは?」
引用:Yahoo知恵袋
このように、多くの人が同じ不満やモヤモヤを感じています。
あなたが「おかしい」と感じるのは、決して間違いではありません。
有給休暇を使うかどうかは、本来あなた自身が決めるべきことなのです。
次の章からは、病欠・欠勤・有給休暇の違いや、有給を使いたくない場合の具体的な対処法について解説していきます。
病欠で有給を使いたくない場合の対処法3選
「有給は別の用途に使いたい」「勝手に消化されるのは嫌だ」という方のために、病欠時に有給を使わずに休むための具体的な対処法を紹介します。
方法①:「欠勤扱いにしてください」と明確に伝える
最もシンプルで確実な方法は、会社に対して「有給ではなく欠勤扱いにしてほしい」と明確に伝えることです。
有給休暇を使うかどうかは労働者本人が決める権利を持っています。
そのため、あなたが「欠勤でいい」と意思表示すれば、会社は勝手に有給処理することはできません。
伝えるタイミングは、できれば休む連絡をする時点がベストです。
以下のように伝えましょう。
【伝え方の例】
「本日は体調不良のためお休みをいただきたいのですが、有給休暇ではなく欠勤扱いでお願いいたします」
口頭で伝えた後は、メールやチャットでも同じ内容を送っておくことをおすすめします。
書面で記録を残すことで、トラブルを防ぐためです。意思を明確に伝えること。
曖昧な表現だと、会社側が「好意で」有給処理してしまう可能性があります。
方法②:就業規則を確認する
会社によっては、有給休暇とは別に「病気休暇」「傷病休暇」などの特別休暇制度を設けている場合があります。
特別休暇があれば、有給を消化せずに休むことができます。
会社によっては給料が支払われるケースもあるので、以下のポイントを確認してみましょう。
- ✓ 病気休暇・傷病休暇などの特別休暇制度があるか
- ✓特別休暇は有給か無給か
- ✓ 取得の条件(診断書の提出が必要かなど
- ✓年間で取得できる日数の上限
就業規則は、社内イントラネットや人事部門で確認できます。
分からない場合は、人事担当者に問い合わせてみましょう。
特別休暇制度がある会社であれば、有給を温存しつつ、欠勤扱いにもならないという選択肢が生まれます。
方法③:振替出勤を提案する(該当する場合)
フレックスタイム制を導入している会社や、シフト制の職場であれば、別の日に出勤して埋め合わせる「振替出勤」を提案できる場合があります。
たとえば、月曜日に体調不良で休んだ場合、本来休みだった土曜日に出勤することで、欠勤扱いを回避できる可能性があります。
ただし、振替出勤が認められるかどうかは会社の判断によります。
以下の点に注意しましょう。
- 就業規則で振替出勤の規定があるか確認する
- 上司や人事に事前に相談し、許可を得る
- 振替出勤日が決まったら、書面やメールで記録を残す
振替出勤が認められれば、有給も減らさず、給料も減らさずに済む可能性があります。
該当する方は、一度会社に相談してみてください。
【注意】欠勤を選ぶデメリットも理解しておこう
有給を使わずに欠勤を選ぶ場合、いくつかのデメリットがあることも理解しておきましょう。
- 給料が減る(欠勤控除)
欠勤した日は「ノーワーク・ノーペイ(働かなければ給料なし)」の原則により、その日の給料が差し引かれます。
欠勤控除の計算方法は会社によって異なりますが、一般的には以下のような計算式が使われます。
欠勤控除額 = 月給 ÷ 所定労働日数 × 欠勤日数
たとえば月給25万円、月の所定労働日数が20日の場合、1日欠勤すると約12,500円が控除される計算になります。
- 人事評価・ボーナスに影響する可能性
会社によっては、欠勤日数が人事評価や賞与の査定に影響することがあります。
「皆勤手当」がある会社では、1日でも欠勤すると手当がなくなるケースもあります。
自社の評価制度を確認しておくことをおすすめします。
- 次回の有給付与に影響する可能性
有給休暇の付与条件には「全労働日の8割以上出勤」という要件があります。
欠勤日数が多くなると出勤率が8割を下回り、翌年の有給休暇が付与されなくなる可能性があります。
長期の病欠が見込まれる場合は、この点も考慮して判断しましょう。
これらのデメリットを踏まえたうえで、「それでも有給を残しておきたい」という場合は、欠勤を選ぶという判断も十分にありえます。
次の章では、有給と欠勤のどちらを選ぶべきか、ケース別の判断基準を解説します。
【ケース別】有給がない・足りない場合はどうする?
「有給がまだ付与されていない」「有給を使い切ってしまった」という状況で体調を崩した場合、どうすればよいのでしょうか。
この章では、有給がない・足りない場合の対応方法と、活用できる制度について解説します。
新入社員など有給がまだ付与されていない場合
入社して6ヶ月未満の新入社員や、転職したばかりの方は、まだ有給休暇が付与されていない可能性があります。
有給休暇は、労働基準法により「入社から6ヶ月以上継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した場合」に初めて付与されます。
つまり、入社直後は有給がゼロの状態です。
この期間に病気で休む場合、基本的には以下の扱いとなります。
- 欠勤扱いとなり、休んだ日の給料は支払われない
- 欠勤控除により、その分が給与から差し引かれる
ただし、会社によっては以下のような対応をしてくれる場合もあります。
- 有給の前借りを認めている
一部の会社では、入社6ヶ月未満でも「有給の前借り」を認めているケースがあります。
就業規則を確認するか、人事担当者に相談してみましょう。
- 特別休暇制度がある
病気休暇や傷病休暇などの特別休暇を設けている会社であれば、有給がなくても利用できる可能性があります。
- 振替出勤で対応できる
フレックスタイム制やシフト制の職場であれば、別の日に出勤することで欠勤扱いを回避できる場合もあります。
いずれにしても、まずは上司や人事に状況を説明し、どのような対応が可能か相談することが大切です。
有給を使い切ってしまった場合
有給休暇をすべて消化した後に体調を崩した場合も、基本的には「欠勤」として処理されます。
欠勤となると、以下のような影響があります。
- 休んだ日数分の給料が欠勤控除される
- 人事評価やボーナスに影響する可能性がある
- 出勤率が下がり、翌年の有給付与に影響する可能性がある
ただし、4日以上連続で休む場合は「傷病手当金」を申請できる可能性があります。
次の項目で詳しく解説します。
また、長期の療養が必要な場合は「休職制度」を利用できる会社もあります。
休職中は無給となるケースが多いですが、傷病手当金と組み合わせることで収入をある程度カバーできます。
有給を使い切った状態で体調不良が続く場合は、早めに人事担当者に相談し、利用できる制度を確認しましょう。
傷病手当金とは?申請条件と金額
傷病手当金は、病気やケガで仕事を休んだときに、健康保険から支給される給付金です。有給がない場合や使い切った場合の強い味方となります。
【傷病手当金の概要】
| 項目 | 内容 |
|---|---|
|
支給額 |
給与(標準報酬日額)の約3分の2 |
|
支給期間 |
最長1年6ヶ月 |
|
対象者 |
健康保険に加入している会社員など |
|
申請先 |
加入している健康保険組合または協会けんぽ |
【申請の条件】
傷病手当金を受け取るには、以下の4つの条件をすべて満たす必要があります。
- 業務外の病気やケガであること(仕事中のケガは労災保険の対象)
- 療養のために仕事を休んでいること
- 連続して3日間休み、4日目以降も休んでいること(最初の3日間は「待期期間」として支給対象外
- 休んでいる期間に給与が支払われていないこと
【注意点】有給を使うと対象外になる
傷病手当金は「給与が支払われていない日」が対象です。
そのため、有給休暇を使って給料が出ている日は、傷病手当金の支給対象外となります。
長期療養が見込まれる場合は、あえて有給を使わずに欠勤扱いにして、傷病手当金を申請した方が有利になるケースがあります。
たとえば、2週間の入院が必要な場合を考えてみましょう。
- 有給を使う場合:有給が14日消化され、給料は満額支給
- 欠勤+傷病手当金の場合:有給は温存でき、給料の約3分の2が傷病手当金として支給
どちらが良いかは、有給の残日数や今後の予定によって判断が分かれます。
長期間休む可能性がある場合は、会社の人事担当者や健康保険組合に相談してみてください。
病欠時の会社への連絡方法【例文・テンプレート付き】
体調不良で急に休むことになったとき、会社への連絡方法に悩む方も多いのではないでしょうか。
この章では、電話・メール・チャットでの伝え方を例文付きで紹介します。
特に「有給を使いたくない」場合の伝え方も解説します。
電話での伝え方【例文】
電話で連絡する場合は、以下のポイントを押さえましょう。
- ◎ 始業時間前に連絡する(遅くとも始業30分前まで)
- ◎ 簡潔に症状と休む旨を伝える
- ◎ 有給を使わない場合は明確に伝える
- ◎業務の引き継ぎが必要な場合は簡単に触れる
-
おはようございます。○○部の△△です。
申し訳ありませんが、今朝から38度の熱があり、
本日はお休みをいただきたいと思います。
なお、有給休暇ではなく欠勤扱いでお願いいたします。
本日予定していた□□の件は、◇◇さんにご対応いただけると助かります。
明日以降の出勤については、回復の状況を見てご連絡いたします。
ご迷惑をおかけして申し訳ありません。よろしくお願いいたします。
ポイントは「有給休暇ではなく欠勤扱いでお願いします」と明確に伝えることです。
この一言がないと、会社が親切心で有給処理してしまう可能性があります。
メール・チャットでの伝え方【例文】
電話が難しい場合や、電話連絡後に記録を残したい場合は、メールやチャットを活用しましょう。
-
件名:本日の欠勤について(○○部 △△)
○○課長
おはようございます。○○部の△△です。
今朝から発熱と体調不良のため、本日はお休みさせていただきます。
有給休暇ではなく、欠勤扱いでお願いいたします。
本日予定していた業務については、以下の通りです。
・□□の件:◇◇さんに引き継ぎ済み
・△△の会議:欠席させていただきます
明日以降の出勤については、回復の状況を見てご連絡いたします。
ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
△△
ポイントは「有給休暇ではなく欠勤扱いでお願いします」と明確に伝えることです。
-
おはようございます。
今朝から発熱のため、本日お休みさせてください。
有給ではなく欠勤扱いでお願いします。
□□の件は◇◇さんに引き継ぎ済みです。
明日以降については回復次第ご連絡します。
ご迷惑おかけしますがよろしくお願いします。
【Q&A】病欠と有給に関するよくある質問
病欠と有給に関しては、雇用形態や状況によってさまざまな疑問が生じます。
この章では、よくある質問にQ&A形式でお答えします。
有給休暇は、正社員だけの制度ではありません。
パートやアルバイトであっても、以下の条件を満たせば有給休暇が付与されます。
- 入社から6ヶ月以上継続して勤務していること
- 全労働日の8割以上出勤していること
ただし、週の所定労働日数が少ない場合は、正社員よりも付与日数が少なくなる「比例付与」となります。
【パート・アルバイトの有給付与日数(6ヶ月勤務時点)】
| 週の所定労働日数 |
付与日数 |
|---|---|
|
5日以上 |
10日 |
|
4日 |
7日 |
|
3日 |
5日 |
|
2日 |
3日 |
|
1日 |
1日 |
「パートだから有給はない」と言われた場合、それは誤りです。
有給休暇は労働基準法で保障された権利であり、会社は付与する義務があります。
もし有給がもらえない場合は、労働基準監督署に相談しましょう。
派遣社員として働いている場合、雇用契約を結んでいるのは派遣元の派遣会社です。
そのため、有給休暇の付与や管理は派遣元が行います。
病欠時に有給を使うかどうかも、派遣元のルールに従うことになります。
ただし、有給を使うかどうかを決める権利は、正社員と同様に派遣社員本人にあります。
派遣元が勝手に有給を消化することは認められていませんので、「欠勤扱いにしてほしい」という希望があれば、派遣元の担当者に伝えましょう。
なお、病欠の連絡については、派遣先と派遣元の両方に連絡が必要なケースが多いです。
契約時に確認しておくとスムーズです。
労働基準法では、有給休暇は「労働者の請求する時季に与えなければならない」と定められています。
これは基本的に「事前に申請する」こと>を前提としており、当日の朝に申請することは原則として認められていません。
ただし、急な体調不良など予期せぬ事態の場合、多くの会社では柔軟に対応しています。
【当日申請が認められやすいケース】
- 始業時間前に連絡している
- 急な体調不良など、やむを得ない理由がある
- 会社の就業規則で当日申請を認めている
一方で、始業時間を過ぎてから連絡した場合は、その時点で「欠勤」として扱われる可能性が高くなります。
当日に有給を使いたい場合は、できるだけ早く(始業30分〜1時間前まで)連絡し、「可能であれば有給休暇として処理していただけますか」と相談してみましょう。
認められるかどうかは会社の判断次第です。
「体調不良で欠勤したけど、やっぱり給料を減らしたくないから有給に振り替えたい」というケースは珍しくありません。
このような有給の事後申請(後からの振り替え)について、法律上は以下のように考えられています。
- 有給休暇は原則として「事前申請」が基本
- 事後申請を認めるかどうかは会社の裁量に委ねられている
- 会社は事後申請を認める義務はない
つまり、会社が「いいですよ」と言えば有給に振り替えられますが、「ダメです」と言われたら欠勤のままということになります。
多くの会社では、病欠の場合に限り事後の有給振り替えを認めていますが、これは会社の好意による対応であり、当然の権利ではありません。
就業規則に「病欠の場合は○日以内の申請で有給振り替え可」などと定められている会社もあります。自社のルールを確認しておくとよいでしょう。
インフルエンザや新型コロナウイルスに感染した場合の休みの扱いは、「誰の判断で休むか」によって異なります。
【本人の判断で休む場合】
自分で「体調が悪いから休みたい」と申し出た場合は、通常の病欠と同じ扱いになります。
- 有給休暇を使う → 給料は支払われる
- 有給を使わない → 欠勤扱いで給料は支払われない
【会社から出勤停止を命じられた場合】
会社が「感染拡大防止のため出勤しないでください」と命じた場合は、会社都合の休業となります。この場合、**休業手当(平均賃金の60%以上)**を支払う義務が会社に生じます。
ただし、以下のようなケースでは休業手当の対象外となることがあります。
- 医師から「労務不能」と診断されている場合
- 法律で就業が禁止されている感染症の場合
インフルエンザやコロナで休む場合は、「自分から休みたいと言ったのか」「会社から休むよう言われたのか」を明確にしておくことが重要です。
なお、4日以上連続で休む場合は、傷病手当金の申請も検討しましょう。
会社の対応がおかしいと感じたときの相談先
有給の使用について会社の対応に納得がいかない場合は、外部の相談窓口を利用することができます。
労働基準監督署
労働基準監督署は、労働基準法などの法律に基づいて、会社を監督する国の機関です。
- 有給休暇を取得させてもらえない
- 有給を勝手に消化された
- 欠勤を理由に不当な扱いを受けた
- 就業規則に違法な内容がある
相談は無料で、匿名での相談も可能です。
明らかな法律違反がある場合は、労働基準監督署から会社に対して指導や是正勧告が行われます。
全国の労働基準監督署は、厚生労働省のWebサイトで検索できます。
電話での相談も受け付けているので、まずは気軽に問い合わせてみましょう。
総合労働相談コーナー
総合労働相談コーナーは、各都道府県の労働局に設置されている相談窓口です。
- 労働問題全般について相談できる
- 法律違反かどうか分からない場合でも相談OK
- 解決方法のアドバイスを受けられる
- 必要に応じて適切な機関を紹介してもらえる
「これって違法なの?」「どうすればいいか分からない」という段階でも相談できるので、労働基準監督署よりも気軽に利用できます。
相談は無料で、予約不要で利用できる窓口がほとんどです。
電話相談も可能なので、まずは話を聞いてもらいたいという方におすすめします。
弁護士・社労士
より具体的な対応策や、会社との交渉サポートが必要な場合は、弁護士や社会保険労務士(社労士)に相談するという選択肢もあります。
- 会社との交渉がうまくいかない
- 未払い賃金の請求をしたい
- 不当解雇や懲戒処分を受けた
- 法的手段(労働審判・訴訟など)を検討している
- 就業規則や労働条件について詳しく知りたい
- 傷病手当金などの手続きについて相談したい
- 会社の対応が適切かどうか確認したい
弁護士や社労士への相談は有料のケースが多いですが、初回無料相談を実施している事務所も増えています。
また、法テラス(日本司法支援センター)を利用すれば、収入要件を満たす場合に無料で弁護士に相談できます。
一人で悩まず、専門家の力を借りることも検討してみてください。
まとめ:病欠で有給を使うかどうかは「あなたが決める」
ここまで、病欠時の有給休暇の扱いについて詳しく解説してきました。
最後に、この記事のポイントを振り返り、大切なことをお伝えします。
この記事のポイント
この記事でお伝えした内容を、改めて整理します。
- 会社が本人の同意なく有給を消化させるのは労働基準法違反の可能性がある
- 有給休暇を「使う・使わない」を決めるのは労働者本人の権利
- 病欠=自動的に有給消化ではなく、本人が選択できる
【有給を使いたくない場合の対処法】
- 「欠勤扱いにしてください」と明確に意思表示する
- 口頭だけでなく、メールやチャットで記録を残す
- 就業規則を確認し、特別休暇(病気休暇)があれば活用する
【有給と欠勤の選び方】
- 給料を減らしたくない、評価が気になる → 有給を使う
- 有給を温存したい、傷病手当金を申請予定 → 欠勤を選ぶ
- どちらが得かは自分の状況に応じて判断する
【困ったときの相談先】
- 労働基準監督署:法律違反の相談、会社への指導依頼
- 総合労働相談コーナー:労働問題全般の相談
- 弁護士・社労士:具体的な対応策、交渉サポート
【最後に】自分の権利を正しく理解しよう
有給休暇は、労働基準法で保障された労働者の大切な権利です。
有給を使うかどうかは、あなた自身が決めることができます。
もちろん、有給を使うことにもメリットはあります。
給料が減らない、評価に影響しないなど、状況によっては有給を使った方が良いケースもあるでしょう。
大切なのは、「自分で選んだ」という納得感です。
会社に言われるがままではなく、自分の状況を把握し、メリット・デメリットを比較したうえで判断する。
そうすることで、「勝手に使われた」というモヤモヤを感じることなく、有給休暇を有効に活用できます。
この記事が、あなたの権利を守り、より良い働き方を実現するための参考になれば幸いです。
