COLUMN
お役立ちコラム
2021.12.17
リードブレーン株式会社
テーマ:
インボイス制度と業務委託契約
インボイス制度とは
インボイス制度(適格請求書等保存方法)とは、2023年10月1日から導入される消費税の申告制度で、消費税を申告する際に用いるインボイス=請求書ルールについて定められています。主なポイント2つをご説明いたします。
1.請求書の記載内容についての変更
売り手から買い手に対し発行する請求書について、「適用税率」や「消費税額」等を明確にしなければならなくなります。これは、2019年10月から消費税が複数税率になったことが影響しており、今後消費税の表記を8%と10%に区分し、税率ごとの消費税額および適用税率について記載が義務化されます。
2.適格請求書発行事業者の登録番号取得・記載
2023年10月1日からのインボイス(適格請求書)には「適格請求書発行事業者の登録番号」の記載が求められることになります。ただし、適格請求書発行事業者の登録番号を付番されるために、業者は消費税課税事業者として税務署に申請をしなければなりません。
そしてこの登録番号のない請求書について、法改正後買い手は段階的に「仕入税額控除」を受けることができなくなります(免税事業者との取引にかかる仕入税額控除について、課税仕入一定割合が控除できるという経過措置が設けられています)。
買い手が「仕入税額控除」を受けられないということは、その分買い手側が納税すべき消費税が高くなることを意味します。そのため、売り手からの税抜き報酬額が同額でも、適格請求書発行事業と免税事業者では買い手側の消費税負担が異なることになります。(表1参照)
表1
業務委託とインボイス制度の関係
年間の課税売上が1,000万円以下の業者は消費税免税事業者となります。この仕組みにより、今まで免税事業者は取引先から預かった消費税分を自分のものにすることができました。しかしインボイス制度開始後は免税事業者と取引をすると「買い手側の消費税増税」になるため、買い手側からの値下げ交渉や取引の解消といった影響が想定されます。フリーランスなど個人の業務委託契約者については、今後「適格請求書発行事業者」か「免税事業者」のどちらかを選択しなければなりません。
企業が行うべき準備
免税事業者(特にフリーランスなど個人の業務委託契約者)に対するインボイス制度開始後の取引条件を検討しましょう。必要に応じて取引先と事前の話し合いも必要でしょう。