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2020.10.01

リードブレーン株式会社

テーマ:

令和2年分年末調整の変更ポイント ①給与所得控除の引き下げ ②基礎控除の見直し

 

今年も10月に入り、年末調整の計画準備をする時期になりました。

令和2年分から年末調整の内容が大幅に変更され、扶養控除等(異動)申告書も様式が一部変更となります。それに伴い、令和2年度の年末調整は例年以上の煩雑さになることが予想されます。今回から数回にわたり、令和2年度の年末調整の主な変更部分についてご紹介していきたいと思います。

 

制度上の改変

令和2年度より変更となる主な項目は、大きく以下の6つになります。

1. 給与所得控除の引き下げ

2. 基礎控除の見直し

3. 所得金額調整控除の創設

4. ひとり親に対する税制上の措置及び寡婦(寡夫)控除の見直し

5. 配偶者、扶養親族などの合計所得金額要件の見直し

6. 申告書様式の変更

 

1. 給与所得控除の引き下げ

給与所得控除とは、所得税などを計算する際に年収から差し引かれる控除額のことです。

この控除額が、令和2年分より一律で10万円引き下げられることになりました。

また、給与所得控除の上限額が220万円から195万円に引き下げられるため、

年収が850万円を超える場合は10万円以上の引き下げとなります。

給与などの収入金額(年収) 給与所得控除額
平成29年度〜令和元年度分まで 令和2年度分以降
162.5万円以下 65万円 55万円
162.5万円超 180万円以下 収支金額×40% 収支金額×40% -10万円
180万円超 360万円以下 収支金額×30% +18万円 収支金額×30% +8万円
360万円超 660万円以下 収支金額×20% +54万円 収支金額×20% +44万円
660万円超 850万円以下 収支金額×10% +120万円 収支金額×10% 110万円
850万円超 1000万円以下 195万円(上限額)
1000万円超 220万円(上限額)

 

2. 基礎控除の見直し

基礎控除は、全ての納税者に対して適用されるもので、これまでは収入に関係なく、一律38万円が控除されていました。今回の改正に伴い、最大48万円に引き上げられますが、合計所得金額が2,400万円を超えると所得に応じて減っていきます。2,500万円超では控除額がゼロとなり、基礎控除は適用されません。

合計所得金額 基礎控除の額
平成31年(2019年)度分 令和2年度分以降
2400万円以下 38万円 48万円
2400万円超 2450万円以下 32万円
2450万円超 2500万円以下 16万円
2500万円超

「給与所得控除の引き下げ」と合わせると、年収850万円まではプラスマイナス0となり、「増税でも減税でもない」のですが、年収850万円を超えると「所得税の増税」になります。

給与等の収入金額(年収) ~850万円以下 850万円超~2595万円以下 2595万円超
給与所得控除の増減
平成31年(2019年)分対比
-10万円 -10万円以上~-25万円 -25万円
基礎控除の増減
平成31年(2019年)分対比
+10万円 +10万円 -6万円、-22万円、-38万円のいずれか
所得税への影響 0(所得税に影響なし) 給与所得控除の減額分だけ差が生じ増税 さらに増税

 

 

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