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2018.12.13

リードブレーン株式会社

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【コラム】美容院⑩ -財務諸表の見方-

3 財務諸表の見方

 美容院の多くは施業的な個人経営が多く、経営管理面においては家計との分離が十分でないケースも少なくない。個々の企業を理解するうえでは、その経営状態を計数的に把握することが不可欠であり、一般的な同業者のデータと比較・検討することが必要である。

 (1) 売上高

 美容院の売上げは、美容師が提供するサービスそのものであり、その点から従業員1人当りの売上高は他産業と比べて高くはない。立地条件や店構え・美容設備、美容師の技術水準などのよしあしが売上高に端的に表れる。

 「TKC経営指標」によれば、1店舗当りの年間売上高の平均は(図表11)のとおりである。美容院は古典的な労働集約型で、人的サービス部分に重点が置かれるので、従業員1人当りの売上高の水準は美容院の総合的な営業力を示す有力な判断材料となる。

 

図11 美容業の原価および構成比(全企業平均)

 

 (2) 営業経費

 美容院の支出は人件費の占める割合が高く役員報酬も含めると売上げの約半分の比率を占める。「TKC経営指標」によれば、1店舗当りの原価および経費の平均は7,273万円である。営業費用を売上高構成比率でみると、人件費38.7%、販売費29.7%、材料費16.2%、役員報酬11.2%、減価償却費3.1%となっている。1企業当りの平均営業益は(図表11)のとおりである。利益を確保するため、効率的な経営が求められている。

 (3) 経営指標

 「TKC経営指標」によると、従業員1人当たり売上高および加工高(粗利益)比率は(図表12)のようになっている。

 

図12 美容業の経営指標(全企業平均)


明日は経営についてです。

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