COLUMN
お役立ちコラム
2024.11.06
今月の代表あいさつ
テーマ:
【今月のご挨拶】デジタルから逃げるな
皆様、こんにちは。早いもので本年も年末に差し掛かり、あと2か月ほどで2025年を迎えようとしております。2024年は皆様にとってどんな年となりそうでしょうか?この数年のビジネス環境は大きく変わりつつあります。その中で私が考える一つとして【デジタル活用】というテーマのお話を。2024年は生成AIが爆発的に進化し本格的活用がスタートしました。それに加えて本格的な人材不足社会の到来とともに、IT活用,DX活用といろいろな言い方はありますが、要はデジタルの活用をしていかなければ、立ち行かなくなる時代になってきたと感じます。AI・DX・デジタル活用というものは一部の先進企業・IT企業のもので、地方の中小企業には関係がない、ということが通用しない時代になってきたのです。とはいえ、いままでアナログ中心で経営を行ってきた中小企業はどういう風にデジタル(AI・DX)を受け入れたらいいのでしょうか?それを考える上で、参考になる一冊を紹介したいと思います。「情報経済の鉄則」という、カール・シャピロ氏とハル・ヴァリアン氏による共著で、ネットワーク型経済を生き抜くための戦略ガイドとして知られる非常に重要な書籍です。この本は、1998年に出版されたもので、情報経済という新たな世界が到来した際に、どのような戦略が有効なのかを、具体的な事例を交えながら経済学的に分析しています。驚くべきは、この本が書かれたのは、インターネットがまだ普及し始めた頃であり、現在のGAFAのようなプラットフォーマーが登場する以前です。しかし、この本ではすでに、ネットワーク効果やプラットフォームビジネスの重要性を見抜き、今後の経済のあり方を予見していました。その本の主要な内容をまとめながら皆様のビジネスにどうつながるかを3つのポイントに分けて説明します。
1. ネットワーク効果を活かす
まず1つ目は「ネットワーク効果」です。簡単に言えば、たくさんの人に使ってもらうことで、どんどんその価値が進んでいく現象のことです。これを現代に置き換えると、SNSの集客効果です。SNSや口コミサイトの影響力が近年かなり大きくなっており、ネット上での評判が実際の集客に直結するケースが増えています。例えば、お客様がInstagramで料理やヘアスタイルの写真をシェアし、それが新たな顧客を呼び込む、そうした流れが自然と生まれる仕組みを作ることが、今後の成功の鍵となります。
2. スケーラビリティの追求
「スケーラビリティ」、つまり「拡張性」です。デジタルの力を使えば、少ない資源で大きくビジネスを伸ばすことが可能です。例えば、限られた座席数や営業時間の中で、どのようにして売上を増やすか?その答えの一つがデジタル化です。例えば、デリバリーやテイクアウトサービスをオンラインで展開する、もしくは予約システムを活用して効率的に集客を図るなど、デジタルの力を活用することで、物理的な制約を超えてお店の売上を拡大することが可能です。デジタルを駆使して、限られた資源で大きな成果を出すチャンスが、今の時代には豊富にあります。
3. データを活用した経営
データは「21世紀の石油」とも言われるほど価値のある資源です。顧客の来店データや売上データ、さらには顧客のレビューやフィードバックを収集し、それを分析することで、お店の改善点や新しいニーズを見つけ出すことができます。例えば、リピーターが増える特定のサービスや時間帯をデータから把握し、そこに力を入れることで効率よく売上を伸ばすことができます。今やクラウドサービスや簡単なアプリでこれらのデータを管理できる時代ですので、ぜひデータを活用した経営を取り入れてみてください。
いかがでしょうか?飲食店や美容室のような店舗型ビジネスは、デジタルだけでは完結しない、リアルでの体験が重要な業態です。しかし、このように情報経済の流れを上手に取り入れることで、リアルなサービスをさらに強化することができるのです。店舗のスピード感や柔軟な対応力を活かし、デジタルとの融合を図っていくことが、これからの経営の大きなポイントになるでしょう。最後に、言うまでもなくビジネスを成功させるために欠かせないのは「信頼」です。お客様との信頼関係、スタッフとの信頼、そして地域とのつながりを大切にすることが、長く繁栄するビジネスを築く土台となります。この信頼を基盤に、デジタル(情報)を活用することで、さらにビジネスを発展させることができるということを付け加えておきます。