COLUMN
お役立ちコラム
2024.10.01
リードブレーン株式会社
テーマ:
【今月のご挨拶】小が大に勝つ!②
今月は次回に引き続き小が大に勝つシリーズ第2弾として「ファイブウェイポジショニング戦略」についてお伝えしていきます。我々中小企業がこれからの時代どうやって生き延びていくかの一つの方法論として前回はランチェスター戦略をお伝えしました。
今回はファイブウェイポジショニング戦略です。そもそも世の中にサービス・商品があふれ、世界全体が成熟市場に向かい、SNSの普及により、コモディティ化のスピードが加速する中、我々中小企業はどうやって戦っていくのかを数年前から真剣に考えていました。コモディティ化とは【商品やサービスが、品質や機能、ブランド力などに大きな差がなくなり、消費者の目から見て「どれも同じようなもの」と認識される状態のことです。】この状況下では圧倒的な資金力や組織を有する大企業が有利になることは誰でも理解できると思います。
では、どうすればそういう世の中で中小企業は生き延びていくべきなのか?
それの一つの解がファイブウェイポジショニング戦略なのです。
ファイブウェイポジショニング戦略とは、価格・商品・アクセス・サービス・経験価値という5つの要素を軸に、自社の製品やサービスを競合と差別化し、独自のポジションを確立する戦略です。
もう少しかみ砕いて説明すると、そもそも我々中小企業は多くのケースで、使用可能な経営資源は限られているという現実があり、本理論は〝選択と集中〟しなさいという理論です。
具体的にはその5つの要素をレベルI(業界水準)レベルⅡ(差別化)レベルⅢ(市場支配)と区分し、5つの要素全てでレベルを高めようとはせず、5つのうち1つでレベルⅢを、別の1つでレベルⅡを、残り3つで業界水準であるレベルⅠを維持することが最適と説いています。要は「5つのうち3つは業界水準でいい」というメッセージはとても取り組みしやすいと思います。では、どのように、この5つの要素で、顧客に選ばれる独自の価値を提供するのかの具体例を飲食店の例で挙げます。
【価格設定】
多様な価格帯のメニュー: ランチセット、アラカルト、コース料理など、様々な価格帯のメニューを用意
プレミアムメニュー: 特選食材を使った高価格帯のメニューを用意し、特別な日の利用や、特別な体験を求める顧客を取り込む
セットメニューの工夫: メイン料理だけでなく、ドリンクやデザートなどをセットにしたお得なメニューを提供することで、顧客の満足度を高める。
【商品(料理)】
地元食材の活用: 地元の新鮮な食材を使用することで、他店との差別化を図り、地域に根ざしたお店というイメージを醸成
季節のメニュー: 季節ごとの旬の食材を使ったメニューを提供することで、何度訪れても新しい発見があるようにする
健康志向メニュー: ヘルシー志向の顧客向けに、低カロリーやグルテンフリーなどのメニューを用意
【アクセス】
デリバリーサービス: 外食の機会が少ない人や、自宅でゆっくり食事を楽しみたい人に向けて、デリバリーサービスを提供
テイクアウト: オフィスランチやパーティーなど、様々なシーンで利用できるテイクアウトメニューを用意
オンライン予約: 事前の予約を受け付けることで、顧客の待ち時間を短縮し、スムーズな来店を促す
【サービス】
きめ細やかな接客: 顧客一人ひとりのニーズに合わせたきめ細やかな接客を行うことで、顧客満足度を高める
アレルギー対応: 食アレルギーを持つ顧客にも安心して食事を楽しめるよう、アレルギー対応メニューを用意
SNSを活用した情報発信: 新メニューの告知やイベント情報などをSNSで発信することで、顧客とのコミュニケーションを深める
【経験価値】
テーマのあるイベント: 定期的にテーマを決めたイベントを開催し、顧客に特別な体験を提供
音楽や照明: BGMや照明を工夫することで、お店の雰囲気を演出
記念日のサプライズ: 誕生日のサプライズや記念日のサプライズなど、顧客に感動を与えるようなサービスを提供
いかがでしょうか?繰り返しますが、一番重要なことは5つの要素のバランスです。 すべての要素を最高レベルにする必要はなく、自社の強みを最大限に活かせる組み合わせを見つけることが重要です。是非一つでも取り組んでみてください。