COLUMN
お役立ちコラム
2020.05.28
リードブレーン株式会社
テーマ:
[新型コロナ資金繰り] 「経営セーフティ共済の特例措置」での貸付条件・掛金納付の柔軟な対応とは
取引先破たんの備えとして運営されている「経営セーフティ共済」では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、貸付金の返済期限・掛金納付について特例措置を設けています。
本記事では、経営改善の一手段として活用できる本措置の内容を分かりやすく紹介します。
そもそも「経営セーフティ共済」とは
経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)とは、取引先が破たんした際に無担保・無保証での借入を可能とする制度です。借入は契約者から支払われる積立金を原資としており、掛金の最高10倍(上限8,000万円)を限度としています。
感染症拡大に伴う特例措置の内容
2020年の新型肺炎の感染拡大を受け、現時点ですでに経営破たんに陥る企業が急増しています。そこで本共済制度では、借入残高の有無に応じ、該当の契約者に対して下記の特例措置を実施しています。
- 借入残高がある企業・一時貸付を予定する企業
…返済期日の繰り下げ(最大6か月間)
- 掛金の納付に苦慮している企業
…掛金月額の減額(下限5,000円/月)・納付期限の延長(令和2年11月まで)・掛止めのいずれかもしくは複数選択可
なお、いずれも申請条件(売上減少要件など)は指定されていません。
下記ではさらに、返済期日・掛金納付の各措置について詳しく解説します。
措置①:返済期日の繰り下げ
本共済制度には事由ごとに貸付種類があり、特例措置の対象となるのは「取引先破たんを自由とする貸付」「事業資金確保を事由とする一時貸付金」の各借入残高です。
また、これから各事由で貸付を利用しようとする場合でも、措置により返済開始が猶予されます。
【措置の内容】取引先破たんを事由とする貸付の場合
返済期日の繰り下げ期間:6か月(初回返済の場合は+6か月で計1年の繰り下げが可能)
繰り下げ中の遅延損害金:なし
【措置の内容】事業融資金確保を事由とする「一時貸付金」の場合
返済期日の繰り下げ期間:6か月(2020年4月7日以降に感染症の影響で貸付を受ける場合も対象)
繰り下げ中の遅延損害金:なし
措置②:掛金納付に対する柔軟な対応
掛金納付に関しては、①減額・②納付期限延長・③掛止めのいずれかを契約者の任意で選択できます。
【掛金納付への措置内容】
- 減額する場合
事業規模縮小・著しい経営悪化・契約者の傷病・危急の支出などがあった場合、下限5,000円まで5,000円単位で減額できます。
- 納付期限延長
2020年11月分までの納付分を対象に、掛金請求を延長できます。
ただし免除されるわけではなく、同年12月からは毎月2か月分ずつ支払って本来の納付計画に戻す必要があるため、注意を要します。
- 掛止め
払込済の掛金が月額の40倍相当額に達している場合、納付の掛止めができます。
上記①の減額後の掛止めも申請可能です。
申請方法
本特例措置はいずれも郵送申請に対応しています。
申請の際は共済契約書番号を用意し、措置内容の紹介ページ(リンク)からダウンロードした所定の申請書を記入して係に送付しましょう(下記参照)。
【特例措置の申請先】
- 返済期日の繰り下げ(取引先破たんを事由とする貸付の場合)
…倒産防止共済貸付管理課
- 返済期日の繰り下げ(一時貸付金の場合)
…倒産防止共済貸付課
- 掛金納付に対する柔軟な対応
…倒産防止共済契約課
まとめ
「経営セーフティ共済」の特例措置は、資金繰り改善のための貸付対応こそ含まれていないものの、支出削減の一助となるよう柔軟な内容とされています。
他の特例を利用した融資と並行して申請することで、事業再起の地盤が整うでしょう。
弊社では本特例を含め、資金繰りや支出にお困りの企業・経営者の皆さんへ個別のアドバイスを実施しています。まずはご相談ください。
■この記事の参考
新型コロナウイルス感染症にかかる経営セーフティ共済の特例措置について/中小機構