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2019.10.03
リードブレーン株式会社
テーマ:
【コラム】募集設立において株主をどのように募集するか?
募集設立において株主をどのように募集するか?
事例
これから株式会社を設立しますが、発起人以外にも、株主になって出資してくれる人を何名か募集しようと思います(募集設立)。発起人以外の株主をどのように募集したらよいのでしょうか。
ポイント
実務解説
募集設立において発起人以外の株主を募集するには、設立時募集株式に関する事項を発起人が決定し、引受けの申込みをしようとする者に通知すべき事項を通知し、引受けの申込みを勧誘します。この際、金融商品取引法の募集規制にも注意しなければなりません。
設立時募集株式に関する事項の決定
発起人は、設立時募集株式について次の事項を発起人全員の同意で定めなければなりません(会社58①②)。
① 設立時募集株式の数
② 設立時募集株式の払込金額
③ 設立時募集株式と引換えにする金銭の払込みの期日又はその期間
④ 一定の日までに設立の登記がされない場合に設立時募集株式の引受けの取消しをすることができるときには、
その旨及びその一定の日
通知を要する事項の通知
発起人は、募集に応じて設立時募集株式の引受けの申込みをしようとする者に、次の事項を通知しなければなりません(会社59①)。
その趣旨は、会社の大綱や申込条件を開示することにあります。
① 定款の認証の年月日及び認証をした公証人の氏名
② 定款の絶対的記載事項・変態設立事項・発起人が引き受けた設立時発行株式に関する一定の事項・設立時募集
株式に関する一定の事項
③ 発起人が出資した財産の価額
④ 払込みの取扱いの場所
⑤ その他法務省令で定める事項(会社規8)
金融商品取引法上の募集規制
50名以上の者を相手方として設立時募集株式の取得の申込みの勧誘を行う場合は、原則として金融商品取引法上の「有価証券の募集」に該当します(適格機関投資家や特定投資家向けの例外があります。)(金商2③)。この場合、株式発行総額が1億円以上であれば有価証券届出書を財務局に提出し(金商4①)、目論見書を事前又は同時に交付して勧誘しなければならず(金商15①)、株式発行総額が1,000万円以上1億円未満であれば有価証券通知書を財務局に提出しなければなりません(金商4⑥)。その趣旨は、多数の投資者に販売圧力がかかるため、投資判断に先立って企業内容等を開示させることにあります。
発起人自身が全ての株式を保有するのとは違い、募集設立では発起人が1株以上保有、その他は株主を新たに募集し、創立総会を開かなければならず、発起設立と比べてかなりの手間がかかります。