COLUMN
お役立ちコラム
2018.11.17
リードブレーン株式会社
【コラム】焼肉店⑨ -財務諸表の見方(前編)-
3 財務諸表の見方
(1) 売上高
焼肉店の売上高算出式は一般的に次のとおりである。
売上高=客席数×客席回転数×客単価
①客席数・・・・通常、店舗面積の0.5~0.7坪で1席の割合である。他の飲食店と比較してロースターやダクト等の設置が必要なため、客席数は少なくなる。
②客席回転数・・・・顧客の滞留時間が比較的長く、他の飲食店と比較しても低めである。回転数向上のためにランチ営業をしている店舗も多い。ただし、十分なランチ需要が見込める立地であるかという点において、人件費とのバランスを考慮すべきである。
③客単価・・・・時間帯およびスコアコンセプトにより変化する。また、平日の来客数が少ないため、休日との価格差を設けている店舗もみられる。
(2) 収益性
焼肉店の収益率計算式は次のとおりである。
利益=売上高-原材料費-人件費-諸経費
①原材料費・・・・通常売上高の40~50%である。食品の質を落とさずにこの比率を下げることが重要である。そのため、中間業者を介さず大卸から直接仕入れる、肉や野菜のカットやタレの仕込みなどの加工調理業務を業者に委託する等の工夫も行われている。また、食材の無駄をなくす「歩留り率(余分なスジや脂身を取り除いた後実際に使用できる部分の率)のチェックも大切である。また、いままで焼肉商材になりにくかった部位を利用した新商品を開発することで、端材やなじみのない部位も売上げに貢献し、食材の無駄を減らすことにつながる。
②人件費・・・・通常売上げの20~30%である。アルバイトやパートの採用で人件費率の圧縮が図られているが、それだけに接客サービスを低下させないよう教育の実施も重要である。
③諸経費・・・・通常売上高の10~15%である。特に大きな比率を占めるのは水道光熱費で、その比率は5~8%となる。焼肉店の場合、一般的な目安は原材料費・人件費で売上げの60%以内、諸経費を含めて75%以内である。
限られた客席数で、どれだけ回転率を上げて売り上げに繋げるかはどの業界でも課題になる部分ですが
焼肉店ではそれなりの時間をかけて食べる人が多いため、回転率ではなく多くの注文を受けるための工夫が必要となると考えます。