残業時間の上限は月45時間・年360時間|超えたら違法か今すぐ診断
2026.05.31
リードブレーン株式会社
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残業時間の上限は月45時間・年360時間|超えたら違法か今すぐ診断

残業時間は労働基準法で上限が定められています。
上限は原則「月45時間・年360時間」で、会社の規模や業種に関わらず守らなければなりません。
「うちは特別条項があるから大丈夫」と会社に言われて、無理な残業を引き受けていませんか?
特別条項にも上限はあり、それを超えれば違法です。
会社の説明が必ずしも正しいとは限りません。
この記事では、残業時間の上限をわかりやすく解説し、あなたの残業が違法かどうかをチェックします。
上限を超えていた場合の具体的な行動も紹介するので、参考にしてください。
- 残業時間の上限が「月45時間・年360時間」である理由と、その正確な中身
- 特別条項を結んだ場合、上限がどこまで延びるのか(そして延ばせない絶対ライン)
- あなたの残業が違法かどうかを、その場でチェックできる自己診断リスト
- 上限を超えていた場合に、損をしないための具体的な行動
残業時間の上限と「36協定」を解説
労働基準法で定められている残業時間の上限は、「月45時間・年360時間」です。
特別な事情が無い限り、会社は上限を超えて従業員に残業させることはできません。
また、残業を命じるためには、会社と従業員の間で「36協定」を締結する必要があります。
36協定を結ばずに残業をさせた場合は、法律違反です。
まずは、残業時間の前提と「36協定」について解説します。
残業時間の上限は「月45時間・年360時間」
労働基準法で定められた残業時間の上限は、以下の2つです。
- 1ヶ月あたり:45時間まで
- 1年あたり:360時間まで
時間外労働(休日労働は含まず)の上限は、原則として「月45時間・年360時間」。
臨時的な特別の事情がなければ、これを超えることはできません。
月45時間というのは、1ヶ月に働く日を20日とすると、1日あたり約2時間ちょっとの残業が目安です。
「定時が18時で、毎日20時すぎまで働いている」という人は注意してください。
すでに上限ギリギリ、あるいは超えている可能性があります。
この上限は2019年4月(中小企業は2020年4月)から罰則付きで適用されました。
業種を問わず、ほぼすべての会社に適用されています。
「うちの業界は忙しいから特別」という言い訳は、原則として通用しません。
そもそも「残業時間」とは?法定労働時間との違い
「残業時間」とは、労働基準法で定められた「法定労働時間」を超えて働いた時間を指します。
法定労働時間とは、法律で定められている労働時間の上限のことです。
具体的には、以下のように定められています。
- 1日:8時間まで
- 1週間:40時間まで
注意すべきは、会社が独自に決めた「所定労働時間」との違いです。
たとえば定時が9時〜17時(休憩1時間・実働7時間)で、18時まで1時間多く働いた場合。
この1時間は、会社のルール上は「残業」ですが、法律上はまだ8時間に達していません。
上限規制でカウントするのは、あくまで「1日8時間・週40時間を超えた分」です。
つまり、この1時間は法定の時間外労働(=上限規制の対象)にはあたらないことになります。
本記事でも、以降は法定労働時間を超える残業を中心に解説していきます。
残業には「36協定」が必須!締結のない残業は違法
会社が従業員に残業させるには、「36協定(さぶろくきょうてい)」が絶対に必要です。
36協定とは、労働基準法第36条に基づき、会社と従業員代表が結ぶ労使協定のこと。
これを締結し、労働基準監督署へ届け出てはじめて、会社は合法的に残業を命じることができます。
つまり、残業の合法・違法を決める判断基準は、以下の2段階です。
- 36協定を結ばずに残業をさせると、それだけで違法
- 36協定があっても、上限(月45時間・年360時間)を超える残業は違法
ちなみに、36協定を締結する際には会社側だけでなく「従業員側の代表者」の選出も必要です。
この「従業員代表」は、管理監督者以外の労働者の中から決まります。
会社の指名ではなく、投票や挙手などの適切な方法で選ばなければなりません。
何も知らされず「いつの間にか代表が決まっていた」という場合は、選出手続きに問題がある可能性があります。
手続きが不適切だった場合、36協定そのものが無効とされるケースもあります。
残業時間の上限は延ばせる?「特別条項」を解説
「特別条項付き36協定」を結べば、月45時間・年360時間を超えた残業が例外的に認められます。
特別条項とは、法定上限を超えて時間外労働を行わせることを、一定の条件下で可能にする例外規定です。
ただし、特別条項は「無制限の許可証」ではありません。
特別条項にも、さらに厳しい上限が4つ設けられています。
会社が「特別条項があるから」と言っても、上限4つのいずれかを超えていれば違法です。
特別条項付き36協定の4つの上限
特別条項を結んでも、次の4つのラインは絶対に超えられません。
- 年720時間以内(時間外労働の合計)
- 単月100時間未満(時間外労働+休日労働の合計)
- 複数月平均80時間以内(時間外労働+休日労働の合計/2〜6ヶ月のどの平均でも)
- 月45時間を超えられるのは年6回(6ヶ月)まで
厚労省も、「特別な事情があっても上記の限度時間を超える36協定の締結はできない」と明示しています。
ただし、カウントの対象範囲が項目ごとに違う点には注意しましょう。
月45時間・年360時間の算定時には、法定休日労働は含まれません。
特別条項に基づく上限規制(月100時間未満、複数月平均80時間以内など)は法定休日労働も含めて計算します。
つまり、休日出勤が多い人は上限の「②と③」に引っかかりやすい、ということです。
- 「年720時間」と「月45時間」は、休日労働を含まない時間外労働だけで計算
- 「単月100時間未満」と「2~6ヵ月平均80時間」は、休日労働も含めた合計で計算
「月45時間超は年6回」はいつリセット?起算日の考え方
特別条項付き36協定では、「月45時間を超えられるのは年6回(6ヶ月)まで」と定められています。
年6回のカウントは「36協定の起算日」を基準に、1年ごとにリセット1年ごとにリセットされます。
会社が「起算日は4月1日」と定めていれば、4月1日から翌年3月31日までの1年間で6回までが上限です。
- 起算日が4月1日の会社で、4月〜9月まで毎月45時間超の残業をしたとします
- これで6回(=上限)に到達
- この場合、翌年4月になるまで、月45時間を超える法定時間外労働をさせることはできません
仮に、会社が途中で36協定を結び直しても、回数はリセットされません。
「協定を巻き直したからゼロに戻った」という主張は、原則通用しないということです。
厚労省は、年の限度時間や「月45時間超」を認める回数は厳格に適用すべきであり、
起算日の変更による回避は原則認められないとしています。
なお、自分の会社の起算日は、36協定の控えや就業規則で確認できます。
わからなければ、人事や総務に「36協定の起算日はいつですか」と聞きましょう。
「36協定」と「特別条項付き36協定」を比較表で確認
通常の「36協定」と「特別条項付き36協定」を比較表でわかりやすくまとめました。
| 項目 | 原則(通常の36協定) | 特別条項付き36協定 |
|---|---|---|
| 月の上限 | 45時間 | 上限あり(休日労働込みで100時間未満) |
| 年の上限 | 360時間 | 720時間 |
| 月45時間超が認められる回数 | 0回(超えられない) | 年6回(6ヶ月)まで |
| 複数月平均(2〜6ヶ月) | ― | 80時間以内(休日労働込み) |
| 休日労働の扱い | 月・年の枠には含めない | 「100時間未満」「平均80時間」には含める |
※1年単位の変形労働時間制(3ヶ月超)を導入している場合は、原則が月42時間・年320時間になるなど例外もあります。自社の制度は就業規則で確認してください。
あなたの残業時間は違法?自己診断チェックリスト
あなたの残業時間が違法かどうか、自己診断してみましょう。
過去1年の自分の残業時間を思い出しながら、当てはまるものにチェックを入れてみてください。
どれか1つでも当てはまる場合、あなたの残業は違法の可能性が高いと考えられます。
給与明細やタイムカード、勤怠アプリの記録が手元にあると、より正確に判断できます。
違法の可能性が高い働き方
以下のリストは、これまで解説してきた上限ラインを超えているケースです。
1つでも当てはまる場合、あなたの残業は違法の可能性が高いと考えられます。
過去1年の自分の残業時間をあてはめてチェックしてみましょう。
なお、ここでカウントする残業時間は、実際に働いた時間です。
「申請した残業時間」ではありません。
タイムカードを定時で切ってから働く、いわゆる「サービス残業」の時間もすべて含めて計算します。
- △ そもそも36協定を結んでいない(または見たことも聞いたこともない)のに残業している
- △ 36協定はあるが特別条項はないのに、月45時間を超えた月がある
- △ 残業が年360時間を超えている(特別条項なしの場合)
- △ 特別条項はあるが、残業が年720時間を超えている
- △ ある月の「残業+休日労働」が100時間以上になった
- △ 直近2〜6ヶ月の「残業+休日労働」の平均が、どこを取っても80時間を超えている
- △ 月45時間を超えた月が、1年で7回以上ある
特に「月60時間が3ヶ月連続」「月80時間が2ヶ月連続」といった働き方は、注意してください。
複数月平均80時間のラインに抵触している可能性が非常に高くなります。
「月80時間くらいは普通」と感じていたなら、それはすでに危険水域かもしれません。
「特別条項があるから合法」は本当?会社に確認すべきポイント
特別条項があっても、4つの上限を1つでも超えていれば違法です。
- 年720時間以内(時間外労働の合計)
- 単月100時間未満(時間外労働+休日労働の合計)
- 複数月平均80時間以内(時間外労働+休日労働の合計/2〜6ヶ月のどの平均でも)
- 月45時間を超えられるのは年6回(6ヶ月)まで
ここでは、会社に確認しておきたいポイントを挙げます。
聞きにくければ、就業規則や36協定の控えを自分で確認するだけでもかまいません。
就業規則や36協定の控えは、事業場に備え付け・周知が義務づけられています。
- 36協定の「起算日」はいつか(年6回・年720時間をいつから数えるか)
- 特別条項で定められた「月の上限時間」「年の上限時間」は何時間か
- 特別条項を発動できる「具体的な事由」は何か(「業務多忙」だけの曖昧な記載は本来NG)
- 自分の残業が、休日労働も含めて正しく集計されているか
特に「起算日」と「特別条項の上限時間」は、自分が合法ラインの内側にいるかを判断する土台になります。
「特別条項があるから」とだけ言われている場合、会社側の管理がそもそも甘い可能性があります。
診断結果別に「やるべきこと」を解説
診断結果に応じて、次にやるべきことを「合法」「グレー」「違法」の3パターンに分けて解説します。
■ 合法ライン内だった場合
上限の範囲内でも月45〜80時間の残業が続いているなら、それは決して「軽い」状態ではありません。
健康面のリスク(後述の過労死ライン)を意識し、まずは記録を残しておきましょう。
状況が悪化したときに、その記録があなたを守ります。
■ グレー(判断がつかない)だった場合
この場合は、残業時間の記録を集めたうえで専門家に確認しましょう。
「休日労働を含めると100時間を超えるかも」「平均80時間に近い気がする」などは自己判断が難しいケースです。
グレーに見えても、正確に計算すると違法だった、というケースは少なくありません。
■ 違法の可能性が高かった場合
やるべきことは大きく3つあります。
- △ 証拠を確保する(タイムカード・PCログ・業務メールの記録など)
- △ 未払い残業代がないか確認する
- △ 改善の見込みがなければ、転職・退職を含めて検討する
「自分の会社は忙しいから仕方ない」で思考を止めてはいけません。
残業時間の上限は、業種や会社の事情に関係なく、あなたを守るために法律で定められた最低限のルール。
おかしいと感じたら迷わず行動しましょう。
残業時間の上限を超えるとどうなる?罰則やリスクについて解説
残業時間の上限を超えた場合、会社には法律上の罰則が科せられます。
それだけなら、自分には関係ないと感じるかもしれません。
しかし、長時間労働は労働者本人の健康悪化や、残業代未払いなどのリスクにも直結します。
ここからは、会社に科せられる罰則と、労働者側に起こり得る具体的なリスクについて解説します。
会社には法律上の罰則が科せられる
まず、上限を超える残業をさせた会社には、法律上の罰則があります。
2019年の法改正により、残業時間の上限は原則「月45時間・年360時間」と定められました。
これに違反した場合、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科される可能性があります。
また、罰則の判定基準は明確で、例外は認められません。
たとえば「単月100時間未満」ルールの場合、1年のうち1ヶ月でも月100時間以上の残業があれば、
法令違反となります。
「複数月平均80時間以内」のルールも同様です。
隣接するどの2〜6ヶ月を切り取っても、平均が80時間を超えてはなりません。
たとえば、隣接する3ヶ月の合計残業時間が245時間だったとします。
3で割ると平均残業時間が約81時間を超え、それだけで法令違反です。
たまたま忙しい月が続いただけでも、簡単に基準を超えてしまいます。
罰則のリスクは、会社だけにとどまりません。
労務管理を担当していた上司や担当者個人にも、責任が及ぶことがあります。
あなたが声を上げることは、会社にとっても決して看過できない問題です。
労働者に生じる「未払い残業代」のリスク
残業時間の上限超過は、会社への罰則だけが問題ではありません。
特に見過ごされやすいのが、未払い残業代の発生です。
長時間残業しているのに、その分の残業代が正しく支払われないケースは非常に多くあります。
- △ 「みなし残業(固定残業代)だから」と、超過分が支払われていない
- △ タイムカードを切ってからのサービス残業がカウントされていない
- △ 残業の自己申告が、実際より少なく書かされている
このような場合、あなたには未払い分を請求する権利があります。
残業代の請求権の時効は、原則として3年間。
つまり、過去3年分までさかのぼって請求することが可能です。
また、長時間労働をしてきた人ほど、請求できる金額は大きくなる傾向があります。
労働者に生じる「健康被害」のリスク
長時間労働は、命に関わるリスクをもたらします。
「過労死ライン」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
これは、長時間労働と健康障害の関連性が強いとされる医学的な基準です。
厚労省の認定基準では、以下の残業時間が、脳・心臓疾患の発症と業務の強い関連性があるとされています。
- △ 発症前1ヶ月で、残業100時間超
- △ 発症前2〜6ヶ月の平均で、残業月80時間超
特別条項の上限「単月100時間未満」「複数月平均80時間以内」と過労死ラインの目安は、ほぼ同じ数字です。
つまり上限規制のラインは、過労死を防ぐための最低限の防波堤として設計されています。
月80時間の残業は、1日あたり約4時間の残業に相当します。
毎日終電近くまで働くイメージです。
過去には、過労による健康被害が労災と認められ、損害賠償額が1億円を超えたケースもありました。
慰謝料も数千万円規模となることがあります。
それだけ、長時間労働は重大な結果を招く可能性があるということです。
「自分はまだ大丈夫」と感じていても、過労の症状は気づかないうちに進行します。
あなたの残業時間が過労死ラインに近いなら、それは健康と命に関わる重大な問題だと認識してください。
残業時間が上限を超える「違法」だった時の対処法3ステップ
実際に上限を超える「違法残業」をしている場合の対処法を解説します。
今日からできる具体的な3ステップと、無料で頼れる相談先も併せて確認しましょう。
STEP1 残業時間と証拠を記録する(タイムカード・PCログ・業務メール等)
最初にやるべきことは、「証拠集め」です。
会社との交渉でも、残業代の請求でも、客観的な記録があるかどうかで結果が大きく変わります。
証拠になるのはタイムカードだけではありません。
以下に挙げたものは、すべて証拠として役立つ可能性があります。
- タイムカード・勤怠システムの記録(最も基本的な証拠)
- PCのログイン・ログオフ履歴、入退館記録
- 業務メールやチャットの送信時刻(深夜・早朝の送信記録は労働時間の証拠になりやすい)
- 自分でつけた業務日報・手帳・スマホのメモ(始業・終業時刻を毎日記録)
- シフト表、給与明細
裁判では、特定の証拠が欠けていても、他の証拠をもとに総合的に判断されます。
実際に、証拠が一部期間ないケースでも残業代請求が認められた裁判例もありました。
今日からでも、自分で記録を取り始めましょう。
STEP2 未払い残業代がないか確認する
証拠が集まったら、次は残業代が正しく支払われているかを確認しましょう。
上限を超えるほど働いているのに残業代が出ていないなら、それは取り戻せる可能性のあるお金です。
未払いの残業代を請求できる期間(時効)は、原則3年間。
在職中・退職後を問わず、3年以内であれば請求できます。
ただし、時効のカウントが始まるのは「働いた日」ではなく「給料日」からです。
たとえば2022年4月分の残業代なら、支払日は通常2022年5月。
その3年後の2025年5月までに請求しなければ、時効で消滅する可能性があります。
特に、以下に当てはまる人は要チェックしましょう。
- ✓ 固定残業代(みなし残業)で働いている人
- ✓ 「管理職だから」と残業代が出ていない人
「自分にも未払いがあるかも」と感じたら、まず行動してみましょう。
動くのが遅れるほど、取り戻せる金額は月単位で減っていきます。
残業代請求を専門に扱う弁護士なら、無料相談で「いくら請求できるか」の見通しを立ててくれるでしょう。
STEP3 改善されないなら転職・退職を検討する
証拠を集め、残業代の状況も把握したが、それでも会社が長時間労働を改善しない。
そうなったら、自分の心身を守るため「転職・退職」を具体的に考えましょう。
過労死ラインに迫る残業を続けることのリスクは、すでに説明したとおりです。
健康を損なってからでは取り返しがつきません。
「逃げ」ではなく、「自分を守るための正当な判断」だと考えてください。
- 転職を考える場合:残業の少ない企業・働き方を探すなら、労働環境の情報を持つ転職エージェントに相談すると、ミスマッチを減らせます。
- 退職を言い出しにくい場合:「辞めると言えない」「引き止めがきつい」という人には、退職代行サービスという選択肢もあります。
転職・退職はとても大きな決断です。
焦って決める必要はありません。
「選択肢がある」と知っているだけで、今の職場との向き合い方は変わります。
無料で使える相談先を3つ紹介
無料で使える公的な相談先を3つ紹介します。
■ 総合労働相談コーナー
労働問題全般を無料で相談できる、最初の窓口としておすすめです。
全国に約380ヵ所、労働局または労働基準監督署内に設置されています。
労働基準法違反でない内容も含めて相談可能です。
相談は匿名でも受け付けており、労働者・事業主の双方が利用できます。
何から手をつければいいか分からないときは、まずここに相談しましょう。
適切な窓口を案内してもらえます。
■ 労働基準監督署
賃金、労働時間、安全衛生についての監督・指導、労災に関することを扱う行政機関です。
残業代の未払いや上限超過など、明確な労働基準法違反がある場合はここに相談しましょう。
申告することで会社への指導が行われることがあります。
■ 労働組合(社内の組合・社外のユニオン)
社内に労働組合があれば相談できます。
ない場合でも、個人で加入できる社外の「ユニオン(合同労組)」があり、会社との交渉を支援してくれます。
これらの公的窓口の相談はいずれも無料です。
一人で抱え込まず、まずは話を聞いてもらうところから始めましょう。
なお、長時間労働で心身に不調がある場合は、医療機関や厚労省「こころの耳」等にも早めに相談してください。
あなたの健康が、何よりも優先です。
残業時間の上限に関するよくある質問6選
残業時間の上限について、多く寄せられる疑問に答えます。
ただし、36協定が締結されていることが前提です。
45時間に近づいている時点で、上限ギリギリの状態であることは意識しておきましょう。
なお、特別条項なしで年間の合計が360時間を超える場合は、月単位で45時間以内でも違法になり得ます。
法律上、1日単位での残業時間の上限という直接の定めはありません。
しかし、月45時間・年360時間という上限が実質的な歯止めになります。
たとえば1日に4時間残業すれば12時間労働となり、月20日働けば月80時間に達します。
「1日単位ではセーフでも、月の上限を超える」というケースに注意してください。
これは会社が事前に行う手続きで、従業員個人が都度申請するものではありません。
あなたの会社に特別条項があるかは、36協定の控えや就業規則で確認できます。
特別条項がないのに45時間を超えていれば、違法の可能性があります。
特別条項を結んでいても、「時間外労働+休日労働」が単月100時間以上になれば違法です。
また、月80時間は過労死ラインにも該当する危険な水準と言えます。
「1ヶ月だけでも100時間に達した時点でアウト」という認識を持ちましょう。
この場合、上限が何時間という以前の問題になります。
1分でも法定時間外に働かせていれば労働基準法違反です。
「残業しているのに36協定を見たことがない」という人は、まず会社に協定の有無を確認してみましょう。
時間外労働の上限規制は、大企業で2019年4月、中小企業で2020年4月から適用されました。
さらに建設業・自動車運転業務・医師などは5年間猶予されていましたが、
2024年4月から適用が始まっています。
つまり、現在はほぼすべての労働者に「月45時間・年360時間」の原則が適用されている状態です。
残業時間の上限を知り、おかしいと感じたらすぐ行動しよう
最後に、最も大切なポイントを振り返ります。
- ◎ 残業時間の上限は、原則「月45時間・年360時間」
- ◎ 特別条項を結んでも、年720時間・単月100時間未満・複数月平均80時間・年6回という上限は超えられない
- ◎ これらを超える残業や、36協定のない残業は違法の可能性がある
- ◎ 違法だった場合、未払い残業代を過去3年分さかのぼって請求できることがある
残業時間の上限は、業種や会社の都合に関係なく、あなたの健康と生活を守るための法律上の最低ラインです。
まず、自己診断チェックリストで自分の残業が合法か違法かを確認してみましょう。
「おかしい」と感じたら、証拠を集め、専門家に相談する。
その一歩が、状況を変えるきっかけになります。