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2020.06.23

リードブレーン株式会社

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[新型コロナ関連情報] 感染拡大による働き方と意識の変化(日本生産性本部の調査結果より)

新型コロナウイルス感染症は、組織で働く人の意識にどんな変化をもたらしているのか。日本生産性本部が、政府による緊急事態宣言の発出から約1か月後の5月11日~13日に20歳以上の日本の雇用者(就業者から自営業者、家族従業者等を除く)1,100名を対象にインターネットを通じて行った第1回の調査結果を公表しました。

労働時間・業務時間の変化、業種別・労働時間の変化

労働時間・業務量・余暇時間とも「特に増減は無い」が4割以上。労働時間は43.2%、業務量は37.6%が「減少した」と回答した一方、余暇時間は42.8%が「増加した」と回答しました。また、労働時間の増減は業種による差が大きく、特に宿泊業では100%、飲食サービス業では89.2%で「減少した」と答えました。

勤め先の業績、今後の自分自身の雇用・収入への不安、勤め先への信頼感

勤め先の業績(65.3%)、今後の自分自身の雇用(47.7%)、今後の収入(61.8%)と、いずれも「不安」を感じている人が多いという結果です。今後の雇用への不安感は業種による差が大きく、宿泊業(85.7%)、飲食サービス業(75.7%)、医療・福祉(65.0%)、生活関連サービス業(63.0%)で「不安」の割合が多くなっています。


一方、勤め先による健康への配慮は、雇用形態や性別等の属性に関わらず68.7%が肯定的で、信頼の程度は、性別・雇用形態等の属性に関係なく「信頼している」「まずまず信頼している」が約7割、「あまり信頼していない」「信頼していない」が約3割でした。

新型コロナウイルス感染症による働き方の変化

働き方については、「特に変化はない」が40.7%で最多、「多少変わった」が35.0%、「大きく変わった」が24.3%でした。職種別に見ると、「専門的・技術的な仕事」「管理的な仕事」で3割以上が「大きく変わった」一方、「生産工程の仕事」「輸送・機械運転の仕事」「建設・採掘の仕事」「運搬・清掃・包装等の仕事」では6~7割が「特に変化はない」としています。

また、柔軟な働き方の施策については、「特にない」が46.3%で最多。「自宅での勤務」29.0%、「時差出勤」16.3%、「短時間勤務」15.4%で、柔軟な働き方が一般化したとまでは言えない状況です。ただ、直近1週間の出勤日(営業日ベース)については、「1~2日」が37.3%で最多、「0日」32.1%、「3~4日」21.1%、「5日以上」9.5%で、2日以下の出勤が約7割を占めました。

テレワーク実施における課題については、「職場に行かないと閲覧できない資料・データのネット上での共有化」48.8%が最多で、以下「Wi-Fiなど、通信環境の整備」45.1%、「部屋、机、椅子、照明など物理的環境の整備」43.9%などが続きました。「特に課題は感じていない」は8.4%にとどまり、多くの人が現状に不都合を感じていることが分かります。

一方で、新型コロナウイルス収束後もテレワークを継続したいかについては、「そう思う」24.3%、「どちらかと言えばそう思う」38.4%と、6割強が肯定的でした。

最後に

ある程度予想された結果も多いといえますが、これらの具体的な数字も踏まえ、企業としては、今後予測される新型コロナウイルスの第2波・第3波への備えはもちろん、多様な働き方を取り入れながら生産性を高められるよう、社内インフラの整備や社員教育、制度改革が求められることになりそうです。

 

■この記事の参考

【日本生産性本部「新型コロナウイルスの感染拡大が働く人の意識に及ぼす調査」結果PDF】

 

 

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