COLUMN
お役立ちコラム
2025.03.03
今月の代表あいさつ
テーマ:
【今月のごあいさつ】トランプ式行動経済学
年度末を迎え、いよいよ新年度への準備が本格化する時期となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか?この数か月、全世界的なニュースはトランプ大統領一色ですね。
改めて色々な意味ですごい影響力の人物だと思います。トランプ大統領の政治戦略や政策には、多くの行動経済学の原則が反映されているように感じます。。行動経済学とは、心理学と経済学が融合した学問です。従来の経済学と異なり、人間の非合理的な行動や心理的要因を考慮に入れて経済現象を分析します。要は、人間は常に合理的な判断をするわけではなく、感情や直感に左右されることがあるということを経済活動に活かしていこうという考え方です。
トランプ大統領の政策、政治思想の良し悪しは置いておいて、我々、中小企業経営者もこの行動経済学を活用した、マーケティング戦略は非常に有効だと私は考えており、今回は行動経済学の手法とトランプ大統領の政治手法を関連付けてお伝えしたいと思います。改めてトランプ大統領の発信を見ていて思うのは、ナッジ(Nudge)、フレーミング(Framing)、確証バイアス(Confirmation Bias) などの概念が彼の政治手法に組み込まれているのではないかということを感じました。具体的に少し説明します。
1、ナッジ(Nudge)の活用
ナッジとは、人々の行動を強制せずに、望ましい方向に誘導する手法 です。トランプ大統領は、巧みに人々の心理に働きかけ、特定の行動を促すナッジを用いていました。
例: 「アメリカ・ファースト」というスローガン
- 「Make America Great Again(アメリカを再び偉大に)」は、愛国心を刺激し、アメリカ国民に特定の行動を促すナッジ になった。
- 「America First」という単純で強いメッセージにより、人々に「自国を守るためには彼を支持すべきだ」と思わせる効果があった。
2、フレーミング(Framing)
フレーミングとは、同じ事実でも、見せ方を変えることで受け取る印象を変える手法 です。トランプ大統領は、政策や出来事を自分に有利なフレームで伝え、人々の解釈をコントロールしました。
例:「移民=犯罪者」というネガティブ・フレーミング
- メキシコ国境問題を語る際に、「麻薬密売人」「犯罪者」といった言葉を繰り返し、移民をネガティブな存在として印象付けた。
- これにより、人々の移民に対する恐怖心を煽り、国境壁建設の支持を得る戦略を取った。
3、確証バイアス(Confirmation Bias)の強化
確証バイアスとは、人が自分の信じたい情報だけを選択的に受け取る心理的傾向 を指します。トランプ大統領は、支持者の確証バイアスを強化するような発信を続けました。
例:フェイクニュース戦略
- 「CNNは嘘をついている」と繰り返すことで、支持者が主流メディアの情報を疑い、自分の発言のみを信じる状況 を作った。
- これにより、支持者は「トランプの言うことは本当で、他のメディアは嘘をついている」と思い込むようになった。
いかがでしょうか?もちろんトランプ大統領が行動経済学を意図して発信しているかどうかなどわかりませんが、このように行動経済学を操れれば、群集心理や行動を導くことが出来るということを理解して頂ければ幸いです。では行動経済学を活用して我々中小企業経営者がどう考えればいいかの置き換えは次月にお話ししていきたいと思います。