合同会社の社会保険は一人社長でも必須!保険料の目安や負担を抑えるポイントを解説

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2026.07.02

リードブレーン株式会社

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合同会社の社会保険は一人社長でも必須!保険料の目安や負担を抑えるポイントを解説

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合同会社は、従業員ゼロの「一人社長」であっても社会保険に加入する義務があります。
個人事業主とは扱いが異なり、本人の希望で加入を避けることはできません。

しかし、社会保険料は役員報酬をもとに計算されるため、仕組みを理解すれば負担を抑えることは可能です。
税金や会社に残る利益とのバランスも考え、賢く役員報酬を設定しましょう。

本記事では、社労士・税理士サイトや公的機関の情報をもとに、合同会社の社会保険について詳しく解説します。
仕組みを正しく理解し、自社に合った役員報酬の設定に役立ててください。

この記事を読むとわかること
  • 合同会社の社会保険料目安と早見表
  • 合同会社に社会保険の加入義務がある法的な理由
  • 役員報酬の最適な決め方と、負担を最小化する考え方
  • 副業・本業ありの場合の手続きと注意点
  • 未加入のときの罰則と、加入手続きの流れ

合同会社の社会保険料はいくら?計算方法と早見表

合同会社の社会保険料は「役員報酬(標準報酬月額)× 保険料率」で計算します。
その合計は、おおむね報酬の約30%です。
原則会社と本人の折半ですが、一人社長の場合は実質全額を自分で負担することになります。

まずは、合同会社の社会保険料の内訳と計算方法を理解しましょう。
役員報酬別の早見表を参考に、具体的な負担額を確認してみてください。

社会保険料の内訳と保険料率

合同会社が負担する社会保険料は主に3つです。
「健康保険料」と「厚生年金保険料」、そして40歳以上が対象の「介護保険料」

それぞれの保険料率(令和8年度・協会けんぽ東京)は、以下をご覧ください。

保険の種類 保険料率(令和8年度・東京) 負担者
健康保険料 9.85% 会社と本人で折半
子ども・子育て支援金 0.23%(令和8年4月分から新設) 会社と本人で折半
介護保険料(40〜64歳) 1.62% 会社と本人で折半
厚生年金保険料 18.300% 会社と本人で折半
子ども・子育て拠出金 0.36% 会社のみ負担

令和8年度・東京支部の健康保険料率は9.85%、介護保険料率は1.62%、厚生年金保険料率は18.300%。
令和8年4月分からは子ども・子育て支援金率0.23%が加わります。

なお、子ども・子育て拠出金(料率0.36%)は事業主のみが負担し、被保険者の負担はありません。
ここで押さえておきたいポイントは、次の3つです。

社会保険料率のポイント
  • 厚生年金保険料率(18.300%)は全国一律で、平成29年9月以降は固定されている。
  • 健康保険料率は都道府県によって異なる(全国平均は約10%)。事業所の所在地で変わる。
  • 料率は毎年改定されるため、計算時は最新年度の保険料額表を確認すること。

40歳未満なら「健康保険+子ども・子育て支援金+厚生年金」で約28.4%。
40〜64歳はこれに介護保険料が加わり、合計でちょうど約30%になります。

一人社長は実質”全額自己負担”

社会保険料は、会社(事業主)と本人(被保険者)が半分ずつ負担するのが原則です。
本人負担分は役員報酬から天引きし、会社負担分を会社が上乗せして年金事務所へ納付します。

しかし、一人社長の場合は会社負担分の原資も、もとはといえば自分が稼いだお金です。
一人会社では「会社=自分」なので、折半といっても実際は全額を自分で負担していることになります。

たとえば役員報酬が月30万円の場合を見てみましょう。

保険料負担額の例(役員報酬30万円/月)
  • 本人負担分(給与から天引き):約42,225円
  • 会社負担分(会社が上乗せ):約42,225円
  • 実質的な負担(合計):月 約84,450円

一般の会社員なら、自己負担は折半額の半分だけです。
一人社長は両方を背負うため、体感の負担は会社員の倍になります。

役員報酬別の社会保険料一覧

月6.3万円~50万円の役員報酬で社会保険料はいくらになるのか、早見表にまとめました。
協会けんぽ東京・令和8年度の保険料額表をもとに、実質負担する全額(会社+本人の合計)で示しています。

■役員報酬別 社会保険料の早見表
(協会けんぽ東京・令和8年度/40歳未満・介護保険料を除く/金額は会社+本人の合計)

役員報酬(月額) 標準報酬月額 健康保険料(全額) 厚生年金保険料(全額) 月額合計 年間合計
〜63,000円 58,000円 5,713円 16,104円 ※ 約21,817円 約26.2万円
88,000円 88,000円 8,668円 16,104円 約24,772円 約29.7万円
150,000円 150,000円 14,775円 27,450円 約42,225円 約50.7万円
200,000円 200,000円 19,700円 36,600円 約56,300円 約67.6万円
300,000円 300,000円 29,550円 54,900円 約84,450円 約101.3万円
500,000円 500,000円 49,250円 91,500円 約140,750円 約168.9万円

※ 厚生年金保険料は標準報酬月額88,000円が下限です。役員報酬がそれ未満でも、厚生年金は88,000円で計算されます。

表に関する注記
  • 金額は「会社+本人」の合計(全額)であり、一般の従業員が自己負担するのは半額(折半額)。
  • 40〜64歳は介護保険料(1.62%)が加算される。
  • 令和8年4月分からは子ども・子育て支援金(0.23%)も加わる。
  • 介護保険料・子ども・子育て支援金まで含めると、保険料の合計は標準報酬月額の約30%(40歳未満は約28.4%)になる。

役員報酬を上げるほど社会保険料も比例して増えていくことがわかります。

合同会社が社会保険に加入しなければならない理由

社会保険が適用される事業所は2種類あります。
加入が必須の「強制適用事業所」と、許可を得て任意で加入する「任意適用事業所」です。

合同会社を含むすべての法人は「強制適用事業所」に該当します。
規模や業種、従業員数に関係なく加入義務があるため、一人社長であっても社会保険の加入は必須です。

ここからは、合同会社が「強制適用事業所」になる理由や、一人社長と個人事業主の違いについて解説します。
社会保険に加入する対象者についても触れているので、あわせて確認しておきましょう。

合同会社が「強制適用事業所」になる理由

社会保険が適用される事業所は2種類。
合同会社は社会保険加入が必須の「強制適用事業所」にあたります。
強制適用事業所に該当するのは、以下の事業所です。

「強制適用事業所」に該当する事業所
  • すべての法人の事業所(合同会社・株式会社などを含む。事業主のみの場合も含む)
  • 常時5人以上の従業員を雇用している個人事業所(一部の業種を除く)

日本年金機構も、「法人は事業主のみの場合でも厚生年金の適用事業所になる」としています。

つまり、社員(出資者)が代表1人であっても、合同会社は設立した時点で自動的に強制適用事業所となります。
業種や会社の規模、従業員の有無は一切関係ありません。

一人社長・代表社員でも加入が必要な理由(個人事業主との違い)

昭和24年7月、行政通達により実務上の扱いが明確に決まりました。
法人の代表者または業務執行者であっても、会社から役員報酬を受けている場合は社会保険に強制加入。
代表者一人の法人であっても、同様のケースでは健康保険・厚生年金の被保険者となります。

つまり、合同会社の代表社員も、役員報酬を受け取っていれば「使用される者」とみなされるということです。
一人社長であっても、すべて健康保険・厚生年金保険の被保険者となります。(原則70歳以上の人は健康保険のみの加入)

法人は国籍や性別、賃金の額等は関係ありません。
また、個人事業主から合同会社へ法人化すると、加入する公的保険そのものが切り替わります。

項目 個人事業主 合同会社(法人化後)
医療保険 国民健康保険 健康保険(協会けんぽ等)
年金 国民年金 厚生年金保険
加入義務 原則任意(従業員5人以上で一部強制) 一人社長でも強制加入
保険料の決まり方 前年所得ベース 役員報酬(標準報酬月額)ベース
会社の負担 なし(全額自己負担) 会社と本人で折半

国民健康保険・国民年金 →(法人化)→ 健康保険・厚生年金へ切替になります。
これが、一人社長・代表社員と個人事業主との最大の違いです。

加入対象になる人/ならない人

合同会社の社会保険は「会社単位」で適用されますが、実際の加入は「人単位」で判断されます。
以下でケースごとに整理しました。

加入対象になる人
  • ✓ 代表社員・役員(会社から役員報酬を受けている場合)
  • ✓ 正社員(フルタイムの従業員)
  • ✓ パート・アルバイト(労働時間・日数が正社員の概ね4分の3以上、または一定の短時間労働者要件を満たす場合)
  • ✓ 家族従業員(実態として勤務し、報酬を受けている場合)
加入対象にならない・注意が必要な人
  • △ 役員報酬がゼロ・無報酬の代表社員:報酬がなければ加入不可
  • △ 非常勤役員・業務を執行しない社員(みなし役員含む):勤務実態・報酬の有無などから個別に判断され、実態が乏しければ加入対象外となることがある
  • △ 70歳以上の人:厚生年金は対象外となり、健康保険のみの加入
  • △ 75歳以上の人:後期高齢者医療制度へ移行

なお、労働保険(労災保険・雇用保険)は社会保険とは別枠です。
従業員を1人も雇用していない場合、労働保険への加入義務は発生しません。

合同会社の代表社員は「労働者」ではないため、原則として労災保険・雇用保険の対象外です。
従業員を雇って初めて労働保険の手続きが必要になります。

合同会社の社会保険 加入手続き|必要書類と期限

合同会社の社会保険加入手続きには期限があります。
必要書類や提出方法、代行依頼について確認し、期限内に手続きしましょう。

以下で詳しく解説します。

加入手続きの期限は法人登記後「5日以内」

社会保険の新規加入手続きは、法人登記が完了してから5日以内に、管轄の年金事務所へ届け出る必要があります。
設立して少し落ち着いてから、というわけにはいきません。
登記完了後すぐに準備を始めてください

なお、合同会社が加入するのは健康保険と厚生年金保険です。
従業員を雇った場合は、別途、労災保険・雇用保険(労働保険)の手続きも必要になります。

必要書類一覧

提出書類は、会社の状況(役員のみか、従業員や扶養家族がいるか)によって変わります。
基本となる書類は次のとおりです。

社会保険加入時に必要な主な書類
  • 健康保険・厚生年金保険 新規適用届(事業所として加入するための届出)
  • 履歴事項全部証明書(登記簿謄本)の原本(提出日から90日以内に交付されたもの※コピー不可)
  • 法人番号指定通知書のコピー(または国税庁の法人番号公表サイトの画面を印刷したもの)
  • 健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届(代表社員や従業員など、加入する人ごとに提出)
  • 健康保険 被扶養者(異動)届・国民年金第3号被保険者関係届(扶養する家族がいる場合)

このほか、登記上の所在地と実際の事業所が異なる場合は、所在地の確認を求められることがあります。
賃貸借契約書のコピーなどを用意しておきましょう。

手続きの方法(電子申請・郵送・窓口)と提出先

提出先は、会社の所在地を管轄する年金事務所または事務センターです。
手続きの方法は3通りあります。

方法 特徴
電子申請(e-Gov/GビズID) 24時間オンラインで提出可能。GビズIDの取得が必要。郵送や来所が不要で効率的
郵送 必要書類を事務センターへ郵送。窓口に行く時間がない場合に便利
窓口持参 管轄の年金事務所に直接持参。その場で不明点を相談できる

健康保険証は、加入手続き後に交付されます。
マイナ保険証の利用登録をしている場合は、その仕組みに沿って利用してください。

自分でやる or 社労士に代行依頼

加入手続きは自力でもできますが、書類の作成や標準報酬月額の設定、書類のやり取りには手間がかかります。
専門家への代行依頼も視野に入れておくと良いでしょう。

社労士に代行を依頼した場合の費用目安は、従業員30人未満でおおむね5万円程度です。
以下のポイントを参考に判断してください。

社労士への代行依頼を決めるポイント
  • 自分でやる:費用を抑えられるが、書類準備や標準報酬月額の設定を正しく行う必要がある
  • 社労士に依頼する:費用はかかるが、手続きの正確性と時間を確保でき、加入後の算定基礎届や賞与の手続きまで任せられる

設立直後は、事業の準備や各種手続きなどで多忙になりがちです。
手続きが不安な方や、本業に集中したい方は、社労士の活用をぜひ検討してみてください。

合同会社と個人事業主どちらが得?法人化を検討する目安を解説

事業の所得が増えてくると、合同会社などに法人化するかが悩みどころになります。
どちらを選ぶか判断するポイントは、法人化で増える社会保険料と、減る税金のバランスです。

ここからは、どの所得水準から法人化が得になるのかを表で整理しながら解説します。

法人化すると社会保険料はどれだけ増える?

法人化すると、これまでの国民健康保険・国民年金から健康保険・厚生年金に切り替わります。
一人社長は会社負担分も実質自分で払うため、社会保険料が増えるケースも少なくありません

例えば役員報酬が月40万円の場合、社会保険料の合計は年間約136万円が目安です(令和8年度・大阪府)。
個人事業主時代に比べて年数十万~百万円ほど負担が増えることもあるため、事前に確認しておきましょう。

保険料が増えるかどうかは条件によって変わります。
負担を分ける要素は以下にまとめました。

法人化で社会保険料が増えるパターン例
  • 役員報酬を高く設定する:社会保険料の負担は増えやすい
  • 役員報酬を最低水準に抑える:社保負担を最小化でき、必ずしも増えない
  • 扶養家族が多い:法人の社会保険は扶養分の追加負担がなく、有利になりやすい
  • 国民健康保険の減免を受けていた:法人化で負担増を顕著に感じやすい

特に扶養家族の扱いは見落とされがちです。

個人事業主の場合、扶養家族分の国民年金と国民健康保険料も支払いが必要になります。
しかし、法人の社会保険では扶養家族分の支払いはありません。
家族が多い人ほど、法人化で割安になる可能性があります。

なお、厚生年金は国民年金に報酬比例部分が上乗せされます。
目先の負担増だけでなく、将来受け取る年金が手厚くなるという老後の備えの側面も含めて判断しましょう。

いくらの所得から法人化が得になる?

法人化の損得は、社会保険料の増加と税金の減少を合わせた手取りで判断します。
役員報酬をどう設定するかで分岐ラインは変わるため、2パターンで解説します。

まず、役員報酬を全額受け取るケース(社保負担が最大になる前提)の目安です。

事業の利益(年) 税・社保を合わせた手取りの傾向
〜約500万円 法人化しても社保負担が重く、節税効果は薄い。個人事業主のままが無難
約500万〜1,200万円 個人事業主のほうが有利なことが多い。法人化は社保増で相殺されやすい
約1,200万〜1,500万円 分岐帯。条件しだいでどちらも。試算が必須
約1,500万円〜 法人化後の手取りが上回りやすい

※この目安は、複数の税理士事務所の試算に基づいています。

事業規模(利益)が1,200万円までは、個人事業主の方が税金・社会保険料の手取りが大きく有利です。
1,500万円以上では、法人化後の手取りが上回ります。
所得500万円前後の水準では法人化した場合の社会保険料負担が大きく、節税効果はあまり出ません。

ただし、これはあくまで役員報酬を全額取る場合です。
法人に利益を留保する場合は、法人有利になるラインがさらに下がります。
つまり役員報酬を最低水準に抑えて法人に利益を残すなら、もっと低い所得でも法人が有利になるでしょう。

なお、今後予定されている制度変更によっては、法人化の損得が変わる可能性もあります。
2026年の主な改正内容は以下で確認してください。

今後予定されている制度変更
  • インボイスの2割特例は、個人事業主では2026年分が最後。法人化で消費税の免税を活用できる場合はあるが、設立のタイミングや取引先への影響の事前確認が必要。
  • 2026年4月以後に開始する事業年度からは、「防衛特別法人税」がスタートします 。計算式は「(基準法人税額 − 500万円)× 4%」で、基準法人税額(※各種税額控除を適用する前の法人税額)が500万円以下であれば追加の税金負担は発生しません 。一般的な中小企業(軽減税率が適用される法人)であれば、年間の課税所得が概ね2,400万円以下なら実質的な税金負担はありませんが、税負担がゼロであっても申告書(別表一次葉一)を提出する義務がある点には注意しましょう 。

法人化の損得は、所得や家族構成、住んでいる地域によって変わります。
株式会社・合同会社の両方に対応した税理士の法人化シミュレーションで、自身のケースを試算しましょう。

合同会社と株式会社で社会保険の扱いに違いはある?

社会保険については、合同会社も株式会社もまったく同じです。
どちらも法人として強制適用事業所にあたり、役員報酬を受ける代表・役員は加入義務があります。
保険料率も計算方法も同一です。

そのため、社会保険の有利・不利で会社形態を選ぶ必要はありません。
違いが出るのは、社会保険以外の部分です。

項目 合同会社 株式会社
社会保険の扱い 強制適用・同一料率 強制適用・同一料率(差なし)
設立費用 安い(登録免許税6万円〜) 高い(登録免許税15万円〜+定款認証)
社会的信用・知名度 やや劣る場合がある 高い
役員の任期 なし 原則あり(最長10年)
決算公告 不要 必要

社会保険の負担は同じなので、設立費用・信用・運営の手間で選ぶのがおすすめです。
とにかくコストを抑えたい一人社長には、合同会社が選ばれやすい傾向があります。

社会保険料は経費になる?

社会保険料は全額が経費になるわけではなく、会社負担分は経費、本人負担分は所得控除として扱われます。

各自が負担する社会保険料の扱い
  • 会社負担分:法人の損金(経費・法定福利費)になり、法人税が軽くなる
  • 本人負担分:個人の社会保険料控除として、所得税・住民税の課税所得から全額差し引ける

役員報酬そのものも法人の経費(損金)扱いです。
受け取る側は給与所得控除を使えるため、個人事業の事業所得より控除面で有利になることがあります。

また、法人化には、社会保険料の控除以外にも次のような節税メリットもあります。

法人化による社会保険料の節税メリット
  • ◎ 退職金を活用すれば経費計上でき、退職所得控除や2分の1課税により税負担を抑えられる
  • ◎ 家族を役員にして所得を分散し、世帯全体の税負担を軽減できる
  • ◎ 決算月や設立日を調整し、消費税の免税期間(最大2期)を最大限活用する戦略が取れる

ただし、法人化には法人住民税や専門家費用などの維持コストもかかります。
損得は人によって異なるため、事前に税理士や社労士へ相談して試算しましょう。

合同会社を会社員が副業で作った場合の社会保険はどうなる?

会社員が副業として合同会社を持つと、本業ですでに加入している社会保険との関係が問題になります。
「二重に保険料を払うことにならないか?」「会社に副業がバレないか?」など、不安を抱く人は多いです。

ここでは副業の合同会社における社会保険の扱いや、本業にバレない方法、配偶者を代表にする際の注意点を解説します。

本業で社保加入済みなら「二以上事業所勤務届」が必要

本業の勤務先と副業の合同会社の両方で社会保険に加入する場合、「二以上事業所勤務届」の手続きが必要です。

二以上事業所勤務届のポイント
  • 2か所以上で社会保険の加入要件を満たした場合は、被保険者本人が「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を提出する必要がある。
  • 提出期限は事実発生から10日以内で、日本年金機構へ提出する。
  • 届出は従業員本人が行うものであり、本業・副業先の会社や年金事務所が代行してくれるわけではない。
  • 主たる事業所は本業・副業先のどちらでも選択できるが、一般的には本業を指定するケースが多い。
  • 健康保険証は主たる事業所のものが1枚交付される。
  • 社会保険料は両方の報酬月額を合算した標準報酬月額をもとに計算し、それぞれの事業所で按分して負担する。

つまり、本業と副業の合同会社の役員報酬は合算して標準報酬月額が決まり、その金額から社会保険料が計算されます。
そのため、副業の合同会社でも保険料負担が発生し、本業側の保険料が増えることもあるのです。

ただし、副業を個人事業主として行う場合は社会保険の扱いが異なります。
個人事業の利益には社会保険料がかからず、本業の勤務先で加入している社会保険をそのまま利用できます。

役員報酬によって追加の手続きや保険料負担が発生する可能性がある点が、個人事業主との大きな違いです。

二以上勤務届で副業は本業にバレる?

二以上事業所勤務届の提出によって、副業がバレることがあります。
本業の会社に副業がバレる流れは、一般的に以下ようなケースです。

副業がバレる経緯
  1. 副業の合同会社でも加入要件を満たし、二以上事業所勤務届を提出する
  2. 年金事務所が本業と副業の報酬を合算して、標準報酬月額を決め直す
  3. 按分後の保険料を、本業を含む各社に通知する
  4. 本業側に標準報酬月額や保険料の変化が伝わり、ほかに加入先がある事実(=副業の存在)が知られる可能性がある

また、バレる経路は時代とともに変化しています。

バレる経路 かつての一般的な見方 近年の傾向
住民税 特別徴収だと副業分が加算された納付書が本業に届くが、普通徴収にすればバレにくいとされた 対策は依然有効だが、これだけでは防ぎきれない場合がある
社会保険(二以上勤務届) 従業員のいない会社への指摘は少なかった 法人番号や取り締まり強化で指摘されやすく、バレる可能性が高い

以前は住民税を普通徴収にすれば副業はバレにくいとされていました。

しかし近年は法人番号や取り締まりの強化により、従業員がいない会社も把握されやすくなっています。
社会保険の手続きなどから副業が判明する可能性もあるため、注意が必要です。

副業がバレるきっかけの一つは、「二以上事業所勤務届」の提出が発生すること。
知られたくない場合は、副業の合同会社で社会保険の加入要件を満たさないようにする必要があります。

代表的な方法は、役員報酬を支給しないことです。
役員報酬をゼロにすれば被保険者とならず、届出も不要になります(詳しくは次で解説します)。

ただし、対策を検討する前に、本業の就業規則で副業が認められているかを必ず確認しましょう。
副業そのものが禁止されている場合、社会保険の手続きとは別の問題が生じるためです。

配偶者を代表にする方法と、扶養・税への影響

本業の社会保険のままでいたい場合、合同会社の代表を配偶者にして、役員報酬を配偶者に支払う方法があります。
自分が役員報酬を受け取らなければ、副業の合同会社では社会保険の加入対象となりません。
「二以上事業所勤務届」も不要です。

ただし、この方法は配偶者の扶養や税金に影響するため注意点を理解しておく必要があります。

注意点
  • △ 社会保険の扶養:配偶者の年収が概ね130万円以上になると、社会保険の扶養から外れ、配偶者自身が社会保険または国民健康保険・国民年金に加入することになる
  • △ 税の控除:配偶者の所得が増えると、自分が受けている配偶者控除・配偶者特別控除が減ったりなくなったりし、あなたの所得税・住民税が増える可能性がある

配偶者を代表にする方法は社会保険対策として有効ですが、扶養や税負担とのバランスも考える必要があります。
世帯全体の手取りを最大化したい場合は、税理士や社労士に試算を依頼すると安心です。

合同会社の社会保険についてよくある質問5選

合同会社の社会保険について、よくある質問をまとめました。

Q1.合同会社の社会保険の加入基準は何人からですか?
A.人数の基準はありません。

法人は従業員がゼロでも、役員報酬を受け取る代表が1人いれば、設立した時点で加入義務が生じます。

「何人から」という基準があるのは個人事業主です。
常時5人以上の従業員を雇用する場合(一部業種を除く)に強制加入となります。

Q2.社会保険に加入しなくていい条件は?
A.法人である限り、加入しなくてよい条件は基本的にありません。

例外的に保険に入らない状態になるのは、以下のようなケースです。

・役員報酬がゼロ・極端な低額で保険料を天引きできず加入できない場合(この場合は国民健康保険・国民年金、または家族の扶養に入ります)
・事業を停止した休眠会社にした場合

これら以外で未加入のままでいることは、違法です。

Q3.役員報酬が0円でも社会保険の扶養に入れますか?
A.入れる可能性があります。

役員報酬がゼロで収入が少ない場合は、配偶者の扶養に入れる場合があります。
扶養に入れば、国民年金保険料を負担せずに第3号被保険者として国民年金に加入することが可能です。

ただし、利益分配や配当などの収入がある場合は、扶養に入れるかを年金事務所に確認する必要があります。

Q4.社会保険で一番損する年収はいくらですか?
A.損得は所得・家族構成・選ぶ制度によって変わるため、一律の答えはありません。

傾向として、国民健康保険は高所得ほど保険料が増え、社会保険は役員報酬が高いほど保険料負担が大きくなります。
自分に合った損益分岐点は、税理士のシミュレーションで確認しましょう。

Q5.社会保険料は経費になりますか?
A.なります。

社会保険料は会社と本人で折半です。
会社負担分は法人の経費(法定福利費)として損金になり、法人税が軽くなります。
本人負担分は、個人の社会保険料控除として所得税・住民税の課税所得から全額差し引けます。

つまり社会保険料は「会社負担分が経費」「本人負担分が所得控除」となり、全額が税負担の軽減につながります。

まとめ|合同会社の社会保険は「義務を守りつつ負担を最適化」が正解

この記事の要点は次のとおりです。

この記事のポイント
  • 合同会社は一人社長でも社会保険は強制加入で、加入しない選択肢は基本的にない
  • 保険料は役員報酬の約30%が目安で、一人会社は折半分も実質自分で負担する
  • 負担を抑えるカギは役員報酬の設計にあり、最低等級を意識すれば合法的に抑えられる
  • 役員報酬ゼロ・無報酬では保険料を天引きできず、そもそも加入できない
  • 副業で本業の社保があるなら、二以上事業所勤務届や本業バレの仕組みを理解しておく
  • 加入手続きは登記後5日以内、未加入は最大2年の遡及徴収と罰則のリスクがある

合同会社の社会保険は、加入を避けることはできません。
負担を抑えたいなら、「役員報酬の最適化」で対応しましょう。

ただし、最適な役員報酬や法人化の損益分岐は、所得や家族構成によって一人ひとり異なります。
自分のケースで最も得になる設計を知りたい場合は、専門サービスの活用を検討しましょう。

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