育児時短就業給付金の添付書類一覧|初回・2回目以降と省略できるケース
2026.09.07
リードブレーン株式会社
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育児時短就業給付金の添付書類一覧|初回・2回目以降と省略できるケース

「賃金台帳、出勤簿、タイムカード、労働条件通知書……これ、全部そろえないといけないの?」
育児時短就業給付金の添付書類を調べていて、このように感じていませんか。
厚生労働省のパンフレットは「○○を確認できる書類(A、B、C等)」という書き方のため、どれを何点用意すればいいのか判断できません。
結論から言うと、初回申請でそろえるのは様式2点+添付書類3点の計5点。
2回目以降は、賃金台帳1点だけで大丈夫です。
- 初回に必要な様式2点・添付書類3点の中身
- 育休から継続した場合など、書類を省略できる3つのケース
- 会社が用意する書類と本人から回収する書類の分け方、依頼メール文例
- 初回・2回目以降それぞれの提出期限と、申請漏れを防ぐ3つの対策
育児時短就業給付金の添付書類は「初回5点・2回目以降1点」が基本
厚生労働省のパンフレットが読みにくい理由は、必要書類が「様式」と「添付書類」に分かれているからです。
まずは全体像を整理します。
初回申請で必要な書類【様式2点+添付書類3点】
初回は「育児時短就業開始時賃金の届出」「受給資格確認」「初回の支給申請」の3つを同時に行います。
このとき準備するのは以下の5点です。
■ 様式(記入して提出する用紙)2点
- 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書・所定労働時間短縮開始時賃金証明書育児時短就業給付受給
- 育児時短就業給付受給資格確認票・(初回)育児時短就業給付金支給申請書
■ 添付書類(事実を裏づける資料)3点
- 賃金台帳・出勤簿・タイムカード … 賃金の額と支払状況、育児時短就業を開始した日を確認するもの
- 母子健康手帳の写し … 育児の事実、出産予定日および出生日を確認するもの
- 労働条件通知書・育児短時間勤務申出書・就業規則 … 週所定労働時間を確認するもの
2回目以降で必要な書類【賃金台帳のみ】
2回目以降で必要な書類は、一気に少なくなります。
このとき準備するのは、以下の2点です。
- 様式:育児時短就業給付金支給申請書
- 添付書類:支給対象月の賃金の額と支払状況を確認できる書類(賃金台帳など)
申請書は毎回作成するのではなく、支給決定通知書とあわせて次回申請用のものがハローワークから交付されます。
そして添付書類は、これまでの支給対象月から育児時短就業中の週所定労働時間に変更がない場合、週所定労働時間を確認できる書類の提出は不要です。
つまり労働条件が変わっていなければ、2回目以降に用意するのはその月の賃金台帳だけということです。
初回と2回目以降の必要書類 比較一覧
初回と2回目以降の必要書類の違いを表にまとめました。
| 項目 | 初回申請 | 2回目以降 |
|---|---|---|
| 様式① | 休業開始時賃金月額証明書・所定労働時間短縮開始時賃金証明書 | ─ |
| 様式② | 受給資格確認票・(初回)支給申請書 | 育児時短就業給付金支給申請書 |
| 賃金台帳・出勤簿等 | 必要(開始前・開始後の両方) | 必要(支給対象月分) |
| 母子健康手帳の写し等 | 必要 |
不要 |
| 労働条件通知書・就業規則等 | 必要 | 変更なければ不要 |
| 合計 | 5点 | 1点 |
| 提出先 |
事業所を管轄するハローワーク |
事業所を管轄するハローワーク (電子申請も可 |
初回の賃金台帳等は、育児時短就業開始前・開始後それぞれについて提出が必要です。
片方だけ提出すると、差し戻しになるので注意してください。
「様式」と「添付書類」は別物
パンフレットを読んで混乱する方の多くが「様式」と「添付書類」を同じものとして数えています。
しかし、この2つは役割がまったく違います。
- 様式 … 会社(または本人)が記入して作成する申請用紙。ハローワークの指定フォーマットがある
- 添付書類 … 記入内容が事実であることを裏づける証拠資料。原則として社内にすでに存在する書類
重要なのは、添付書類は「新しく作るもの」ではないということです。
賃金台帳も出勤簿も労働条件通知書も、通常の労務管理で保存しているものをコピーして添えるだけ。
「5点そろえる」と聞くと身構えますが、実際にゼロから作成が必要なのは様式2点だけです。
なおハローワークは、支給申請書に記載された事実の内容を賃金台帳等により確認したうえで、支給決定を行います。
様式の記載と添付書類の数字が食い違うと差し戻しになるため、作成後は必ず両者を突き合わせて確認してください。
添付書類を省略できる3つのケース
「5点必要」と書きましたが、実際には全員が5点そろえるわけではありません。
育児時短就業給付金には、省略できる書類が複数あり、条件を満たせば負担は減ります。
ここでは、省略できる書類について解説します。
省略①育休から引き続き時短開始
育児休業から続けて時短勤務に入る場合、以下の2点が不要になります。
- 雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書・所定労働時間短縮開始時賃金証明書
- 母子健康手帳の写しなど、子の出生を確認できる書類
賃金証明書が不要になるのは、育児休業給付の申請時にすでに賃金を届け出ているためです。
この場合、育児時短就業開始時賃金日額には、育児休業給付に係る休業開始時賃金日額がそのまま使われます。
母子健康手帳が不要になるのも同様で、育児休業給付の手続きで出生の事実を確認済みだからです。
ただし、賃金証明書と母子健康手帳の適用条件は違います。
適用条件は以下の通りです。
| 不要になる書類 | 適用条件 |
|---|---|
| 賃金証明書 | 育児休業給付の対象となる育児休業から引き続き(間が14日以内)時短を開始 |
| 母子健康手帳の写し | 同一の子について育児休業給付の支給を受けていたこと |
「引き続き」の判定は、育児休業を終了した日と育児時短就業を開始した日の間が14日以内かどうかで決まります。
復職日と時短開始日が同一日である必要はありません。
一方、母子健康手帳の条件に日数の指定はありません。
そのため、育休は取ったが復職から時短開始まで15日以上空いた場合、母子健康手帳は不要ですが、賃金証明書は必要になります。
省略②2回目以降で労働条件に変更なし
これまでの支給対象月から育児時短就業中の週所定労働時間に変更がない場合、週所定労働時間を確認できる書類の提出は不要です。
これにより、2回目以降に添付するのは支給対象月の賃金台帳のみとなります。
毎回、労働条件通知書や就業規則をコピーする必要はありません。
ただし例外があります。
事業所の制度変更などにより、被保険者に適用される「本来の週所定労働時間」が変わる場合があります。
この変更があった際は、支給申請書の「本来の週所定労働時間(変更があった場合)」欄へ記載してください。
あわせて、就業規則など変更後の時間が確認できる書類の提出が必要です。
- 短縮後の週所定労働時間に変更がない → 書類の提出は不要
- 本来の週所定労働時間が会社都合で変わった → 申請書に記載し、書類の提出が必要
会社全体の所定労働時間を見直した年は、この点を必ず確認してください。
省略③同意書は社内保管のみ
3つ目は「同意書」に関する省略です。
同意書とは、申請書の署名を省略するための書類です。
被保険者から申請等に係る同意書が提出された場合、被保険者本人の署名を省略できます。
このとき申請者氏名欄には「申請について同意済み」と記載します。
同意書の効果は以下の通りです。
- 従業員に毎回署名をもらう手間がなくなる
- 申請のたびに書類を往復させる必要がなくなる
そして重要なのが、同意書自体はハローワークに提出しないという点です。
同意書は社内で保管しておくのみで、電子申請時に添付する必要はありません。
正確に言えば、同意書を作成すること自体は署名省略のために有効です。
しかし、それをハローワークへ添付する必要はないということです。
一度取得しておけば、2回目以降の手続きが継続的に軽くなります。
初回申請のタイミングで、従業員から取得しておくことをおすすめします。
なお、電子申請の具体的な手順については別記事で解説しています。
(内部リンク:雇用保険の電子申請(e-Gov)のやり方)
省略できる/できない書類の早見表
3つの省略ルールを表にまとめました。
| 書類 | 省略できる条件 | 省略できないケース |
|---|---|---|
| 賃金証明書 | 育休から14日以内に時短開始 | 育休なし、または15日以上空いた |
| 母子健康手帳の写し | 同一の子で育児休業給付を受給済み | 育休を取得していない |
| 週所定労働時間の書類 | 2回目以降で短縮後の時間に変更なし | 初回申請時/本来の所定労働時間が変更された |
| 同意書 | 常に添付不要(社内保管) | ─(ただし署名省略には作成が必要) |
| 賃金台帳 | 省略不可 | 常に必要 |
| 支給申請書 | 省略不可 | 常に必要 |
賃金台帳と申請書だけは、どのケースでも省略できません。
このほか、賃金証明書を提出する場合でも、記載自体を省略できる場合があります。
育児休業開始から育児時短就業開始までの間に賃金の支払いがない場合、一定の記載を省略できます。
具体的には、備考欄への記載と添付書類によってその事実が確認できれば問題ありません。
この条件を満たせば、育児休業開始前の賃金支払状況に関する欄の記載を省略できます。
育休中を無給としている会社では、この省略が使えます。
書類が追加される場合もある
添付書類が省略されるケースがある一方で、書類が追加される場合もあります。
それは、以下の2つの場合です。
①週所定労働時間が20時間未満になる
短縮後の労働時間が週20時間を下回るケースでは、6点目の書類が必要です。
原則として、週20時間未満になると雇用保険の被保険者資格を喪失し、給付の対象外となります。
ただし例外があります。
子が小学校就学の始期に達するまでに、週所定労働時間が20時間以上となる労働条件に復帰することが前提です。
そのことを、就業規則などの書面で確認できる場合は、対象となります。
時短の申出を受けた時点で、週の所定労働時間が20時間を割らないかを必ず確認してください。
②申請書を手書きで作成し、かつ公金受取口座の利用を希望しない
申請書を手書きで作成し、公金受取口座を利用しないときは別途書類が必要です。
その際は、振込先口座情報を確認するための書類を添付しましょう。
具体的には、通帳やキャッシュカードの写しなどが該当します。
紙で申請する会社ほど該当しやすいため、必ず確認してください。
初回申請の添付書類を解説
ここからは、初回申請の添付書類5点を詳しく見ていきます。
各書類について「何を確認するための書類か」「誰が用意するか」「何か月分必要か」の3点を明示。
この3点さえ押さえれば、書類集めで迷うことはないでしょう。
①育児時短就業給付受給資格確認票・(初回)育児時短就業給付金支給申請書
受給資格の確認と初回の支給申請を1枚で兼ねる書類です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 目的 | 受給資格の確認+初回支給申請 |
| 作成者 | 原則として事業主(本人申請も可) |
| 入手先 | ハローワーク窓口、厚生労働省サイト |
記入上のポイントは3つあります。
1.マイナンバーの記載が必須
この様式は個人番号を記載して提出します。
従業員から番号を取得する際は、本人確認書類とあわせて回収してください。
2.払渡希望金融機関の記入欄がある
以前に育児休業給付など雇用保険の給付を受けていた方は、そのときの口座をそのまま使えます。
またマイナポータルに公金受取口座を登録している方は、ハローワークに個人番号を届け出ていればその口座が利用可能です。
3.署名欄は同意書で省略できる
被保険者から申請等に係る同意書が提出されている場合、被保険者の署名を省略できます。
このとき申請者氏名欄には「申請について同意済み」と記載します。
なお、受給資格確認だけを先に行い初回の支給申請を同時に行わない場合、この書類は「育児時短就業給付受給資格確認票」としてのみ使用します。
②雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書・所定労働時間短縮開始時賃金証明書
時短勤務に入る前の賃金をハローワークに登録するための書類です。
ここで登録された賃金額をもとに給付額が計算されます。
育児休業給付の対象となる育児休業から引き続き同一の子について育児時短就業を開始した場合は、この書類の提出は不要です。
提出が必要な場合、記入負担を軽くする方法があります。
時短開始日から遡って賃金支払基礎日数が11日以上ある月を2年間確認します。
該当する被保険者期間算定対象期間が12か月以上記入されていれば、それ以降の記入は省略可能です。
もう1つ、育児休業開始から育児時短就業開始までの間に賃金の支払いがない場合、一定の記載を省略できます。
具体的には、備考欄への記載と添付書類によってその事実が確認できれば問題ありません。
この条件を満たせば、育児休業開始前の賃金支払状況に関する欄の記載を省略できます。
育休中は無給という会社が大半のため、多くのケースでこの省略が使えるでしょう。
③賃金台帳・出勤簿・タイムカード
担当者が最も気にする「何か月分そろえるのか」を見ていきます。
まず押さえるべきは、時短開始前と開始後の両方について提出が必要という点です。
片方だけを提出すると、差し戻しになります。
必要期間の目安は次の通りです。
【時短開始前】
賃金証明書を提出する場合は、その記載を裏づける期間分が必要です。
育児時短就業開始時賃金月額は、最初の育児時短就業開始前直近6か月間に支払われた賃金の総額を180で除して算出します。
ただし賃金支払基礎日数が11日未満の月は除かれるため、6か月では足りず遡る可能性があります。
また受給資格の判定には2年間の確認が必要なため、余裕をもって2年分を用意しておくと安全です。
【時短開始後】
初回の支給申請の対象となる支給対象月分(通常2か月分)が必要です。
賃金台帳や出勤簿は、給与計算が締まってからでないと出せません。
準備には数か月のリードタイムがかかるため、従業員から時短の申出を受けた時点で、経理担当と共有しておくことをおすすめします。
④母子健康手帳の写し
育児の事実、出産予定日および出生日を確認するための書類です。
写しで問題ありません。
対象となる書類は以下のいずれかです。
- 母子健康手帳(出生届出済証明のページと、分娩予定日が記載されたページ)
- 住民票
- 医師の診断書(分娩予定日証明書)
母子健康手帳を使う場合は、コピーするページが2か所指定されています。
従業員に依頼する際は「出生届出済証明のページ」「分娩予定日のページ」と具体的に伝えてください。
なお、同一の子について育児休業給付の支給を受けていた場合は、この書類の提出は不要です。
⑤労働条件通知書・就業規則
「本来の週所定労働時間」と「短縮後の週所定労働時間」を確認するための書類です。
以下のものが該当します。
- 労働条件通知書
- 育児短時間勤務申出書
- 育児短時間勤務取扱通知書
- 就業規則
時短前と時短後の両方が必要です。
時短前の労働条件通知書と時短後の労働条件を示す書類の2セットを想定してください。
短縮後の週所定労働時間が20時間を下回る場合は、追加の書類が必要です。
就業規則などで、小学校就学の始期までに週20時間以上へ復帰する前提であることを確認できる必要があります。
2回目以降の添付書類と申請サイクル
初回さえ乗り切れば、あとは同じ作業の繰り返しです。
2回目以降に必要なのは、育児時短就業給付金支給申請書と支給対象月の賃金の額と支払状況を確認できる書類の2点だけ。
週所定労働時間に変更がなければ、労働条件通知書などの提出も不要です。
賃金証明書を含む初回申請は、子が2歳になるまで1度きり
「毎回、賃金証明書を出し直すのでは」と心配する必要はありません。
同一の子についての育児時短就業であれば、育児時短就業を終了しない限り、子が2歳になるまで賃金証明書を含む初回申請は1度のみです。
支給される月と支給されない月が混在しても、初回申請をやり直すことはありません。
なお、いったん時短を終了して同じ子について再度時短勤務を始めた場合も、育児時短就業開始時賃金の届出と受給資格確認は不要です。
この場合は、支給申請書と添付書類を提出するだけで再開できます。
時短の回数に制限はありません。
申請は原則2か月ごと
支給申請は、原則として2か月ごとに行います。
育児休業給付金と同じサイクルです。
ただし被保険者が希望する場合は、1か月ごとに申請することもできます。
どちらを選ぶかの目安は以下の通りです。
- 2か月ごと:手続き回数を減らしたい会社向け。標準的な運用
- 1か月ごと:早く受け取りたい従業員がいる場合。ただし事務負担は倍
給付額は月あたり数千円から数万円程度になることが多く、事務コストと比べて1か月ごとにするメリットは限定的です。
特段の事情がなければ2か月ごとを推奨します。
2回目以降ほど申請漏れが起きやすい理由と防止策
書類が減って楽になる一方で、2回目以降のほうが申請漏れは起きやすいです。
その理由は、初回は従業員から依頼があり、社内で情報共有もされます。
しかし、2回目以降は担当者しか期限を把握しておらず、通常業務に埋もれるからです。
子が2歳になるまで最長2年、10回以上の申請が続きます。
そのため、途中で抜ける可能性が高いのです。
防止策は3つあります。
- 次回支給申請日指定通知書が届いたら、即座にカレンダー登録する。期限はこの通知書に記載されています
- 賃金台帳の準備を給与計算のルーティンに組み込む。給与確定後に該当者分をコピーする運用にすれば、都度の作業が消えます
- 担当者が1人にならない体制をつくる。引き継ぎ漏れは申請漏れに直結します。
万一忘れても、雇用保険の給付には2年の時効があります。
添付書類の提出先と提出期限
書類がそろっても、提出する場所と期限を間違えれば給付金は受け取れません。
ここは正確に確認してください。
提出先は事業所を管轄するハローワーク
添付書類の提出先は、事業所の所在地を管轄するハローワークです。
従業員の住所地でも、会社の本社所在地でもありません。
支店や営業所単位で雇用保険の適用を受けている場合は、その事業所を管轄するハローワークになります。
提出方法は窓口持参、郵送のほか、電子申請(e-Gov)も利用可能です。
なお、資本金や出資金の額が1億円を超える法人など「特定法人」の事業所については、育児時短就業給付の支給申請も電子申請が義務化されています。
受給資格確認・賃金届出の期限
受給資格確認の手続きのみを先に行う場合、期限は初回の支給申請を行う日までです。
つまり受給資格確認だけを単独で急ぐ必要はなく、初回の支給申請と同時に行っても構いません。
事業主が支給申請を行う場合は、賃金の届出・受給資格確認・初回の支給申請を3つまとめて同時に実施できます。
実務では、この同時申請が最も効率的です。
初回支給申請の期限
初回の支給申請も同時に行う場合、期限は最初の支給対象月の初日から起算して4か月以内です。
具体例で確認します。
例:育児時短就業の開始日が7月10日の場合: 最初の支給対象月は7月 提出期限は10月31日まで
起算日は「時短を開始した日」ではなく、「開始日の属する月の初日」である点に注意しましょう。
つまり、7月10日開始なら起算日は7月1日です。
4か月という期間は一見長く感じますが、賃金台帳は給与計算が締まらないと出せません。
実質的な準備期間は2〜3か月程度と考えて逆算してください。
2回目以降の期限
2回目以降の期限は、公共職業安定所長が指定する支給申請期間です。
自分で計算するのではなく、ハローワークから交付される育児時短就業給付次回支給申請日指定通知書に記載されています。
指定される期間は、次回支給対象月の初日から起算して4か月以内です。
例:次回の支給対象月が9月・10月の場合: 提出期限は12月31日まで
この通知書は支給決定のたびに交付されます。
届いたらすぐに期限を確認し、カレンダーへ転記してください。
2年の時効とさかのぼり申請の可否
期限を過ぎてしまった場合でも、すぐに諦める必要はありません。
雇用保険の給付金には2年の時効があり、2年以内であれば支給申請が可能です。
指定された期間を過ぎたとしても、時効が完成していなければ、さかのぼって申請できます。
ただし、注意点が2つあります。
- △ 2年を過ぎると、受け取れるはずだった給付金は完全に受け取れなくなる
- △ 時効内であっても、実際の取扱いは管轄のハローワークへの確認が必要
期限を過ぎたことに気づいた時点で、まずは管轄ハローワークへ連絡してください。
放置している間にも時効は進行します。
添付書類は誰が用意する?
担当者が本当に知りたいのは「誰に、何を、いつ頼むか」です。
ここでは、役割分担を整理し、そのまま使える依頼文も紹介します。
会社(事業主)が用意する書類
まず前提として、育児時短就業給付金の申請は事業主が行います。
被保険者を雇用している事業主が、育児時短就業開始時賃金の届出、受給資格確認、支給申請を行う必要があります。
会社側で用意するのは以下の書類です。
| 書類 | 入手元 | 準備の目安 |
|---|---|---|
| 受給資格確認票・(初回)支給申請書 | ハローワーク/厚労省サイト | 随時 |
| 賃金証明書 | ハローワーク/厚労省サイト | 随時(該当者のみ) |
| 賃金台帳 | 社内(給与システム) | 給与確定後 |
| 出勤簿・タイムカード | 社内(勤怠システム) | 給与確定後 |
| 労働条件通知書・就業規則 | 社内 | 随時 |
ボトルネックになるのは賃金台帳です。
時短開始前の分だけでなく開始後の分も必要で、しかも給与計算が締まるまで出せません。
申請準備のスケジュールは、賃金台帳がそろう時期から逆算してください。
従業員本人から回収する書類
会社では用意できず、本人からもらう書類が1点あります。
それは、母子健康手帳の写しです。
これに加えて、以下の2点も本人からの提出・確認が必要です。
- マイナンバー:申請書に記載が必須
- 振込先口座の情報:手書きで申請書を作成し、公金受取口座を使わない場合は、通帳やキャッシュカードの写しも必要
回収時のポイントは一度でまとめて依頼することです。
母子健康手帳だけ先に頼み、後日マイナンバーを頼み…という進め方は、育児と仕事を両立している本人にとって負担が大きく、回収も遅れます。
なお、同一の子について育児休業給付を受けていた場合は、母子健康手帳の提出が不要です。
また過去に育児休業給付を受けた際の口座を引き続き使える場合や、マイナポータルに公金受取口座を登録している場合は、口座情報の確認書類も不要です。
育休から続けて時短に入るケースでは、本人から回収するものがマイナンバーだけ、ということも珍しくありません。
【コピペ可】従業員への依頼メール文テンプレート
そのまま使える依頼文です。
社名や日付を差し替えてご利用ください。
件名:育児時短就業給付金の申請に必要な書類のご提出について
○○さん
お疲れさまです。総務の△△です。
時短勤務の開始にともない、雇用保険から「育児時短就業給付金」を受給できる見込みです。会社から申請しますので、下記の書類をご提出ください。
【ご提出いただくもの】
- 母子健康手帳のコピー2ページ分 ・出生届出済証明のページ ・分娩予定日が記載されたページ ※スマートフォンで撮影した画像でも構いません
- マイナンバー(個人番号)がわかるもののコピー
- 給付金の振込先口座がわかるもののコピー ※過去に育児休業給付金を受け取った口座をご希望の場合は不要です
【提出期限】 ○月○日(○)まで 【提出方法】 △△まで直接、または○○宛にデータ送付
給付金は支給申請から支給決定まで数か月かかる場合があります。期限までにご提出いただけますと、その分早くお受け取りいただけます。
ご不明な点があればお気軽にご連絡ください。
依頼のコツは、母子健康手帳のページを具体的に指定することです。
「母子手帳のコピー」とだけ伝えると1ページ目だけが返ってきて、再依頼が発生します。
上記のように2か所を明記してください。
育児短時間勤務申出書を社内様式として整備しておく
書類集めを根本から楽にする方法があります。
それは、育児短時間勤務申出書を社内様式として整備しておくことです。
この書類は、添付書類として認められている「育児短時間勤務申出書」に該当します。
1枚で以下の2つを同時に証明できます。
- 育児時短就業を開始した日
- 短縮後の週所定労働時間
つまり、出勤簿やタイムカード、労働条件通知書を個別にそろえなくても、この1枚と賃金台帳があれば初回申請の添付書類が整うということです。
盛り込むべき項目は以下の通りです。
- ◎ 申出年月日/申出者氏名
- ◎ 子の氏名・生年月日(または出産予定日)・続柄
- ◎ 育児時短就業を開始する日
- ◎時短前の本来の週所定労働時間
- ◎短縮後の週所定労働時間(1日の所定労働時間と週の所定労働日数もあわせて記載)
- ◎事業主の確認欄
一度作れば、全社員に使い回せます。
育休からの復職面談の時に渡して記入すると、復職の時点で添付書類の準備が完了します。
会社が申請してくれない場合、本人が直接提出することも可能
ここまで、会社側の視点で解説してきました。
時短勤務中のご本人が読んでいる場合に向けて、重要な点をお伝えします。
制度上、申請は原則として事業主が行うものです。
しかし、本人の希望があれば被保険者が直接提出することができます。
会社が制度を知らない、あるいは手続きが進まない場合でも、諦める必要はありません。
ただし、1点だけ制約があります。
育児時短就業開始時賃金の届出は、事業主が行う必要があることです。
この届出は、時短前の賃金をハローワークに登録する手続きです。
賃金台帳をもとに作成するため、本人だけでは完結しません。
したがって現実的な進め方は以下の通りです。
- 1.会社の担当者に制度の存在を伝える
- 2.賃金の届出は会社に依頼する
- 3.受給資格確認と支給申請は、希望すれば自分で提出できると伝える
なお、育児休業から続けて時短勤務に入った場合は、賃金の届出自体が不要です。
このケースでは会社の負担はほぼなく、話を通しやすくなります。
育児時短就業給付金に関するよくある質問7選(FAQ)
最後に、実務でよく寄せられる疑問をまとめます。
ただし、様式(申請書・賃金証明書)は記入したものを提出しましょう。
電子申請の場合は、添付書類をPDFなどのデータで添付する形になります。
賃金支払基礎日数が11日未満の月は除かれるため、6か月では足りず遡ることがあります。
受給資格の判定は2年間で行うため、余裕をもって2年分を準備しておくと安全です。
なお、育児休業から続けて時短に入った場合は賃金証明書の提出自体が不要となり、開始前の賃金台帳の負担は大きく下がります。
それ以前から時短就業に相当する働き方をしている方については、2025年4月1日を開始日とみなして受給資格と各月の支給要件を満たせば、2025年4月以降の各月が支給対象になります。
2025年4月1日を開始日とみなして、算定した賃金月額より賃金が低下していない月は不支給です。
すでに時短で働いていて賃金が変動していない場合、要件を満たさない可能性があります。
ただし賃金と支給額の合計が時短開始時の賃金額を超えないよう支給率が調整されます。
限度額も設定されています(2027年7月31日までの額)。
・支給限度額:484,121円 … 支給対象月の賃金がこの額以上だと不支給
・最低限度額:2,562円 … 算定した支給額がこの額以下だと不支給
詳しい計算方法は別記事で解説しています(内部リンク:育児時短就業給付金とは|対象者・計算方法)。
この場合、子が小学校就学の始期に達するまでに週20時間以上へ復帰する前提であることを就業規則等で確認できれば対象となります。
申請から支給決定までの審査期間は別途必要です。
従業員から入金時期を聞かれた際は、余裕をもって伝えてください。
週所定労働時間に変更がなければ、労働時間を確認する書類は不要のままです。
申請書はハローワークから毎回交付されるため、自分で用意する必要はありません。
まとめ|初回さえ乗り切れば2回目以降は賃金台帳だけ
育児時短就業給付金の添付書類について解説しました。
要点を振り返ります。
- 初回は様式2点+添付書類3点の計5点。ただし全員が5点必要なわけではない
- 育休から続けて時短に入れば、賃金証明書と母子健康手帳が不要になり3点で済む
- 2回目以降は支給申請書+賃金台帳のみ。実質1点まで減る
- 「賃金台帳、出勤簿、タイムカード」の列挙は選択肢であって、全部そろえる必要はない
- 初回の期限は支給対象月の初日から4か月以内。2回目以降は指定通知書で確認する
最も負担が重いのは初回です。
初回さえ乗り切れば、あとは毎回賃金台帳を添えるだけの作業になります。
まずは対象の従業員が育休から続けて時短に入ったかどうかを確認し、必要書類を絞り込んでください。
そのうえで従業員への依頼を早めに済ませ、賃金台帳がそろい次第すぐ提出できる状態を整えておくことをおすすめします。
判断に迷った場合は、事業所を管轄するハローワークへ事前に確認するか、社会保険労務士への相談も検討してください。
期限を過ぎると受け取れるはずの給付が失われます。
早めの着手が何よりの対策です。