【コラム】創立総会の決議・報告を省略する場合

〇創立総会の決議・報告を省略する場合は

 

事例

当社は募集設立により会社を設立しましたが、設立後の創立総会について、しばらく発起人の都合が合わないことから、これを省略したいと考えています。このようなことは可能でしょうか。また、可能である場合はどのような手続を行えばよいのでしょうか。

ポイント

実務解説

会社法は、募集設立の場合、原則として創立総会を開催し、必要事項についての決議もしくは報告を要するとしています(会社65・57)(前掲「株式会社を募集設立する場合の手続は」参照)。しかしながら、以下の場合には、決議もしくは報告があったものとみなされますので、創立総会の実際の開催は不要となります。

創立総会の決議の省略

発起人の提案した創立総会の目的事項につき、設立時株主の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の創立総会の決議があったものとみなされ(会社82①)、決議を省略することができます。

同意書面等の備置等

決議が省略された場合、決議があったとみなされた日から10年間、同意の意思表示をした書面又は電磁的記録を発起人が定めた場所(株式会社成立後は、その本店)に備え置くことが必要です(会社82②)。

設立時株主は、同意書面等について、閲覧又は謄写の請求をすることができ(会社82③)、会社成立後は、当該会社の親会社の社員についても、所定の要件の下、裁判所の許可を得て同様の請求が認められています(会社82④)。

創立総会への報告の省略

発起人により、創立総会に報告すべき事項(会社87)が通知された場合、設立時株主の全員が、書面又は電磁的記録により、創立総会への報告を要しないことについての同意の意思表示をしたときは、報告があったものとみなされ(会社83)、報告を省略することができます。

議事録の作成等

決議もしくは報告が省略された場合も、創立総会の議事録を作成することが必要であり(会社81①、会社規16①)、決議もしくは報告が省略された場合の記載事項も定められています(会社規16④)。

議事録は、創立総会の日から10年間、発起人が定めた場所(株式会社の成立後にあっては、その本店)に備え置かなければならず(会社81②③)、設立時株主(株式会社の成立後にあっては、その株主及び債権者)、また、株式会社の成立後は、当該会社の親会社社員も、所定の要件の下、議事録の閲覧及び謄写請求をすることができます(会社81③④)。

 


創立総会の決議・報告を省略しても議事録の作成は必要なため、注意が必要です。