【コラム】株式会社を募集設立する場合の手続きは?

〇株式会社を募集設立する場合の手続は

 

事例

私は会社員ですが、ここ数年は余暇を利用して、料理を共通の趣味とする友人とテーブル用品のアイディアを出し合い、試作品を作るまでになりました。先般知り合った事業家が、「会社を作って、本格的に製造・販売したらどうか。私も資金を出すし、ほかにも声をかけてみる。」と熱心に提案してくれます。友人と私だけでは資金がおぼつかないのですが、他にも資金を出してくれる人がいるなら、会社を設立してみようかと考えています。設立の手続を教えてください。

ポイント

実務解説

個人事業者(Aさん)及び友人(Bさん)が発起人となった知人からの出資を募り、AさんとBさんが取締役になるシンプルな株式会社(取締役会や監査役を設置しない)を念頭において考えます。

定款の作成・認証

後日掲載される「株式会社設立時における定款の記載事項は」を参照してください。

発起人による株式の引受け・払込み

募集設立の場合でも、発起人は、設立時発行株式を引き受けます。前掲「株式会社を発起設立する場合の手続は」を参照してください。

出資者の募集・出資の履行

発起人以外に設立する株式会社の株式を引き受けてくれる出資者を募集し、募集に応じて引受けの申し込みをした者に対し、設立時募集株式の割当てを行い、払込期日又は期間内に払込を行います。

創立総会

(1) 招集・決議方法

募集設立においては、発起人は、払込期日又は払込期間の末日以後遅滞なく、設立時株主の総会(創立総会)を招集しなければなりません(会社65①・58①三)。

創立総会は、成立後の会社の株主総会に相当するものですので、招集や議事については株主総会とほぼ同様の規定が設けられています(例えば、招集の決定につき会社67、招集手続とその省略につき会社68・69)。ただし、創立総会の決議は、議決権を行使することができる設立時株主の議決権の過半数であって、出席した当該設立時株主の議決権の3分の2以上に当たる多数をもって行わなければなりません(会社73①)。

(2) 議事

創立総会では、次の①~③を行わなければならず、④を行うことができます。

① 設立に関する事項の報告(会社87)

② 設立時取締役の選任(会社88)

③ 設立時取締役の調査報告(会社93)

④ 定款の変更・設立の廃止(会社73④)

設立登記申請

募集設立による設立登記の申請は、本店所在地において、創立総会の終結時から2週間以内にしなければなりません(会社911②一。同条同項2号ないし5号により創立総会の終結日以外の日が起算日になることがありますが、解説を省略します。)。

行政監督官庁等への届出等

前掲「株式会社を発起設立する場合の手続は」を参照してください。

 


募集設立の場合、発起設立よりも手間と費用が掛かります。

そういった部分を考えると、小規模な会社の場合は発起設立のほうがいい場合もあるかもしれません。

募集設立を考える際は、自分たちがどれくらいの規模の会社を立ち上げようとしているのか、といった部分を一度よく考えてみましょう。