【コラム】-株式会社の設立手続-株式会社の発起設立する場合の手続きは?

- 株式会社の設立手続、設立の方法・準備手続-

〇株式会社を発起設立する場合の手続は?

事例

私はこれまで個人で事業を行ってきましたが、これから取引をしたいと考えている会社の担当者から、「新規取引先としての社内での取扱いがスムーズなので、株式会社を設立してみては」といわれました。私一人の出資で株式会社を設立することもできると聞き、その方法なら設立してみようかと思っています。手続を教えてください。

ポイント

実務解説

個人事業者(Aさんとします)が発起人となって1人で株式会社を設立し、設立時の発行株式を全部Aさんが引き受け、取締役もAさんのみというシンプルな(取締役会や監査役を設置しない)機関設計の株式会社を念頭に置いて考えます。

定款の作成・認証

後日掲載される「株式会社設立時における定款の記載事項は」を参照してください。

株式の引受け・払込み

発起人は、設立時発行株式の引受後、遅滞なく、出資金又は出資に係る金銭以外の財産を給付します(会社34①)。本事例の場合には、Aさんが全株式を引受け、出資金全額を払い込みます。払込みは、発起人名義の銀行口座に、発起人名義で入金ないし振込みをします。

取締役の選任・取締役による調査

(1) 取締役の選任

 上記の出資の履行が完了した後、遅滞なく設立時取締役を選任しなければなりません(会社38①)。

 本事例の場合には、個人事業者(Aさん)だけが取締役になります。

(2) 取締役による調査

 設立時取締役(監査役設置会社の場合には設立時取締役及び設立時監査役)は、次の事項を調査しなければなりません(会社46①)。

① 少額財産(定款に記載された価格の総額が500蔓延を超えない財産)又は市場価格のある有価証券の現物出資又は財産引受けにつき、検査役調査を省略した場合(会社33⑩一・二)に定款所定の価格が相当であること

② 現物出資又は財産引受けにつき、定款に記載された価格が相当であることについて弁護士、公認会計士等の証明(目的物が不動産の場合には不動産鑑定士の鑑定評価資料を含みます。)を受けた場合(会社33⑩三)において、当該証明が相当であること

③ 出資の履行が完了していること

④ 設立手続が法令又は定款に違反していないこと

設立登記申請

本店所在地において、取締役の調査(会社46①)の終了日又は発起人が定めた日のいずれか遅い日から起算して2週間以内にしなければなりません(会社911①)。

行政監督官庁等への届出等

税金関係につき税務署、市区町村役場及び都道府県税事務所へ、労働保険及び社会保険関係(従業員を雇用した場合)につき労働基準監督署、公共職業安定所、年金事務所等への届出が必要です。

 


会社法施行後、株式会社は最低人数一人で設立が可能になり、起業の敷居が低くなりました。しかし周りの目がない分、お金の管理などが甘くなってくるかもしれません。

設立後のしっかりとした運営を保つためにも、自分自身の管理意識を強化していきましょう。