【コラム】株式会社から合同会社に組織変更したい場合は?

〇株式会社から合同会社に組織変更したい場合は?

 

事例

最近、大手の株式会社が、子会社である株式会社を合同会社に組織変更した例を耳にしました。なぜ合同会社に組織変更するのでしょうか。その場合の手続も含めて教えてください。

ポイント

実務解説

株式会社では、株主総会や取締役等の機関を設ける必要があるほか、株主の権利は原則として平等原則が適用されますが、合同会社においてはこれらについて強行規定がほとんど存在しません。

 

合同会社を選択する理由

合同会社は、社員全員が間接有限責任のみを負う(会社580②・576④)という点で株式会社に類似している一方、組織簡素化により迅速に意思決定し、時間・コストを削減するねらいで、合同会社への組織変更を選択するケースがみられます。

 

組織変更の手続

株式会社を合同会社へ組織変更するには、次の手続が必要です。

(1)組織変更計画の作成

次の事項を定めます(会社743・744)。

① 組織変更後の合同会社の組織・体制に関する事項

a 組織変更後に合同会社とする旨

b 合同会社の目的、商号、本店所在地

c 社員の氏名又は名称及び住所、社員全員を有限責任社員とする旨、社員の出資価額

d 上記以外の合同会社の定款で定める事項(会社576)

② 株主、新株予約権者に対して合同会社の持分以外の金銭等を交付するときは、その内容、数・額又はその算定方法、及び各株主(自己株式を除きます。)

③ 組織変更の効力発生日

(2)組織変更計画をする株式会社は、組織変更計画備置開始日(次の3つのうち最も早い日:①組織変更計画につき総株主の同意を得た日、②新株予約権買取請求権に係る通知・公告の日、③債権者保護手続の開始日)から効力発生日までの間、会社法施行規定180条に定める事項を記載した書面又は電磁的記録を本店に備え置かなければなりません。

(3)総株主の同意

効力発生日の前日までに、組織変更計画について総株主の同意を得なければなりません(会社776①)。

株式発行の場合には、株券の提出手続を行わなければなりません(会社219①五、商登77四)。また、登録株式質権者・登録新株予約権質権者に対しては、効力発生日の20日前までに組織変更する旨を通知・公告しなければなりません。


近年大企業などでも株式会社から合同会社に変更するケースが増えています。

コストが削減されたり、意思決定が迅速になるなどのメリットがありますが、資金を増やすことが難しく事業を拡大することが困難というデメリットがあります。

合同会社に変更を検討する際は、自社をどれくらいの規模にしていきたいかというところが重要になってきます。