【コラム】合資会社から株式会社に組織変更したい場合は?

合資会社から株式会社に組織変更したい場合は

 

事例

当社は、これまで合資会社として事業を行ってきました。株式会社へ組織変更したほう

が取引先からの信用力が高まるのではないかという意見が社内にあり、検討しています。

株式会社にするには、どのような手続が必要でしょうか。

ポイント

実務解説

合資会社を株式会社へ組織変更するには、次の手続が必要です。なお、合資会社と株式会社の違いについては、前掲「持分会社の意義は」をご参照ください。

 

組織変更の手続

・組織変更計画の作成

会社法に定められた次の事項を定めます(会社743・746)

① 組織変更後の株式会社の組織・体制に関する事項

a 株式会社の目的、商号、本店所在地、発行可能株式総数、その他定款で定める事項(公証人による定款認証は不要)

b 株式会社の取締役の氏名(監査等委員会設置会社である場合には、監査等委員である取締役とそれ以外の取締役とを区別する)

② 合資会社の社員が取得する組織変更後の株式会社の株式等に関する事項

a 株式の種類・数又は数の算定方法

b 株式会社が組織変更に際し持分に代わる金銭、新株予約権等を交付するときは、その内容、数又は数の算定方法及び割当てに関する事項

③ 組織変更の効力発生日

  • 総社員の同意

 効力発生日の前日までに、組織変更計画について総社員の同意を得なければなりません。ただし、定款に別段の定めがある場合には、その定めに従います(会社781①)。

  • 債権者の異議手続

組織変更をする合資会社は、次の事項を官報に広告し、かつ、知れている債権者へ個別に催告しなければなりません(会社781②・779)。

① 組織変更をする旨

② 債権者が一定の期間内(1か月を下回ってはならない)に異議を述べることができる旨

 債権者が異議を述べた場合、原則として、弁済、担保提供、供託等の手続が必要となります(会社779⑤)。

 

組織変更の効力発生

合資会社の株式会社への組織変更は、組織変更計画に定めた効力発生日(会社749①九)に発生します(会社747①)。この効力発生日から、本店所在地においては2週間以内に、支店所在地においては3週間以内に、合資会社の解散登記、株式会社の設立登記をしなければなりません(会社920・932)

 


合資会社は株式会社と違い、有限と無限二つの責任で成り立っているためリスクも大きく、株式会社への移行を考える方も多いのではないでしょうか。

また事例にもあるように、株式会社へ移行すると社会からの信頼度が高まります。

さまざまなメリットデメリットを検討し、移行を考えてみましょう。