【コラム】-組織変更-特例有限会社から通常の株式会社に組織変更したい場合は?

〇組織変更

特例有限会社から通常の株式会社に移行したい場合は

平成15年に有限会社を設立し会社経営をしていますが、この度、株式会社へ移行した

いと考えています。会社法施行前は、有限会社から株式会社への組織変更の手続が必要で

あったと思いますが、現在も同じでしょうか。

ポイント

 

実務解説

特例有限会社は会社法上の株式会社であり、特例有限会社から通常の株式会社へ移行したいときは、「組織変更」ではなく「商号変更」の手続が必要となります。

 

移行手続は組織変更か商号変更か

会社法施行前は、有限会社という株式会社とは別の会社形態が存在しました。

別の会社形態ですので、有限会社から株式会社へ移行するには、組織変更の手続が必要でした(旧有限会社法67①)。しかし、会社法施行により、有限会社法は廃止され、有限会社は設立できなくなりました。ただし、会社法施行時に存在していた有限会社は、特例有限会社という名称の会社法上の株式会社として存在しています(整備2①)。そして、特例有限会社が株式会社であるなら、特例有限会社から通常の株式会社への移行は、「組織変更」ではなく「商号変更」としての手続となります(整備45①)。

 

移行のために必要な株主総会の決議

(1)定款変更の決議

商号を「有限会社」から「株式会社」の文字を用いる商号に変更する旨の定款変更の決議を含めた、定款全体を株式会社に適合するように変更する旨の決議が必要です。なお、定款変更(株式会社への移行)の効力は、登記の時に生じます。

(2)取締役・監査役の選任決議

株式会社への移行前に選任された役員の任期については、会社法上の役員の任期に関する規律が適用される結果、取締役・監査役のうち、その選任後の期間が移行後の株式会社の取締役・監査役の任期の期間を超えている場合には、株式会社への移行時(登記の時)に任期が満了します。具体的には次のとおりです。

  • 選任後10年経過している取締役・監査役の場合は、選任と同時に任期が満了します。この場合、取締役・監査役を選任する旨の決議が必要です。

②本事例の有限会社(平成15年設立)のように選任後8年経過(平成23年現在)している取締役・監査役の場合において、商号変更とともに取締役・監査役両方の任期を10年に伸長する定款変更が行われたときは、その取締役・監査役の任期は、株式会社への移行後2年間継続することになります(郡谷大輔『会社法施行前後の法律問題』178頁(商事法務、2006年))。

 

移行のための登記手続

特例有限会社から株式会社に移行した場合の登記手続は、特例有限会社については解散の登記を株式会社については設立の登記をすることになります(整備46)。


一度有限会社から株式会社に移行した場合、もう一度有限会社に戻ることはできませんので(令和1年5月現在)、慎重に移行しましょう。