【コラム】出資者の属性・数に適した会社の種類とは?

出資者の属性・数に適した会社の種類は

 

事例

家族のみが出資して会社を作る場合と友人知人にも出資してもらう場合では、適切な会社の種類は異なるのでしょうか。

ポイント

実務解説

家族のみで会社を作る場合等、労務や信用を出資する場合は持分会社になります。他方、知人友人から出資を募る場合、株式会社が適切な場合が多いです。

会社の種類について

会社には、株式会社、合同会社、合資会社、合名会社の4種類があります(会社2一)。

株式会社と持分会社の差異

このうち、合同会社、合資会社及び合同会社はあわせて「持分会社」とされています(会社575①)。

会社法上、持分会社については、株式会社のように強行法的組織規定が多く置かれておらず、定款自治の範囲がく認められています。また、持分会社の場合、所有と経営も通常一致しています。具体的には、株式会社において要求される公証人による定款認証(会社30①)、機関設計や役員の任期の法定(会社326①・332等)、株主に対する利益配当の割合(会社454③)、決算公告義務(会社440①)等の規定は持分会社に適用されず、会社の内部事項や利益配当について定款で定められる範囲が広く認められています。

無限責任社員の出資の目的

合名・合資会社の無限責任社員(会社576②③)には、労務や信用による出資も認められています(会社576①六)。他方、持分会社の有限責任社員や株主には、労務や信用による出資は認められていません。

本事例において適切な会社形態

人的関係の緊密な家族のみの出資であれば、定款で比較的自由に会社の内部事項を定められ、各人に業務執行権があり、定款認証が不要である等設立費用の低額な持分会社が適切といえます。特に、家族の一部が金銭を出資しない場合、その者の労務や信用を出資対象とできる合名・合資会社(労務・信用の出資者は無限責任社員)の選択も考えられます。

他方、知人や友人からの出資を募って会社を設立する場合、株式会社の選択も考えられます。特に、知人・友人が安心して会社に出資するには、第三者から経営者としての責任を追及されたり、会社債権者から弁済を要求されたりしないようにするためには、株式会社を設立することが適切でしょう。


会社設立の際の出資に関しては、出資者はもちろんのことながら募る側も緊密な関係であっても慎重に行動する必要がありますね。内部事項や設立費等は設立の種類によっても違いが大きいので、出資内容をよく確認し設立の種類を見極めましょう。