【コラム】大衆食堂⑨ -審査のポイント(前編)-

今日は、融資を受ける際に見られる、審査のポイントについてです。

1 取引形態と条件

(1) 受注・生産方法

 材料の多くは生鮮食品で日持ちしない。そのためできるだけ在庫は控えなければならない。したがって、市場に出向いての現金仕入が基本である。他の比較的保存がきく米、調味料、酒類等の食材、あるいは箸、ナプキン類の消耗品などの場合は出入業者からの掛仕入もある。生鮮品の鮮度維持および流通量の季節変動に対して、仕込量、時期、価格への注意が必要である。

(2) 販売方法・条件

 販売はほとんど現金によるが、一部のなじみ客や、法人と契約しているような店舗では掛売をすることもある。

(3) 支払・回収条件

 一般的には掛仕入、掛売とも30日程度で回収・支払される。

(4) 収益性

 大衆食堂は成熟市場であり、商品の販売価格は市場価格によりおおむね決定される。大衆に庶民性を提供するという性格をもっており、特別な価格設定はむずかしいと類則される。トータルで収益性を向上させるためには、1日に何食売るか、といった回転率を重視せざるをえないという特性がある。したがって大衆食堂の収益性を判断するためには、1日平均客数および客1人平均食事単価に着目する必要がある。 

 参考までに、大衆食堂の経営主体別の1施設当り1日平均客数および客1人平均食事単価を「生活衛生関係営業経営実態調査」から示す(図表8参照)。

 

図表8 経営主体別1施設当り1日平均客数および客1人平均食事単価

2 資金需要

 材料は比較的低廉で、仕入は主として当用買い、さらに販売も現金商売のため運転資金は比較的円滑な業種といえる。店舗改装や設備の強化・改善のための設備資金は、通常5年程度の間隔で定期的に発生する。

 


明日に続きます。