【コラム】大衆食堂⑥ -課題と展望(後編)-

昨日からの続きです。

 

(3) 立地による競合状況

一般の飲食店と同様に、大衆食堂の集客力は立地に左右される。よって、立地の適否はその店の経営に大きく影響する。立地がオフィス街や工業団地周辺ならば勤労者が、また学生街ならば当然学生や若者たちが主たる顧客対象となる。さらに住宅地域の立地であれば主婦や若い女性層が主たる顧客対象になり、それぞれに適応した顧客戦略が求められる。しかしながら、立地は不変ではなく絶えず変化し続けているものである。以下に立地環境の変化につながる要因をあげる。

①周辺人口の増減、②周辺交通事情の変化、③周辺公共施設等の存廃、④協力競合店の進出・撤退、⑤近隣商店街の変化、⑥ショッピングセンターや娯楽施設などの進出・撤退、以上のような諸要素に基づく立地の変化が、大衆食堂の立地環境の変化、ひいては集客力に大きく影響することになる。立地変化要因をいち早く察知し、自店の営業方針の再点検と事前の対応を行うことが重要である。

 

(4) 新規参入による競合状況

鉄道ターミナルやロードサイドの好立地を選定して参入してくるファミリーレストラン、ファーストフード店、そば・うどん店、ラーメン店などが競合となる。特に、多店展開を行っている大資本の企業は、立地や顧客に関する情報収集力、消費者からの知名度、諸費者に与える安心感といった点で優れており、脅威である。

(5) 業界の将来性

これまでに述べたように、当業種でも競合状況は激化しているが、大衆食堂はその実用性から普遍的な需要があることも事実である。市場は成熟期に当たり、今後急激に成長することは考えにくいが、経営力や店舗力の強化などへの積極的な取り組みにより普遍的な需要をとらえていくことが肝要である。

 


明日は業務内容と特性です。